精神世界物語after 13 Hecto 2022年12月5日 20:41 怪異に襲われて‥‥どんな事があってもスキルに目覚めて‥‥何があっても代償を払う度、スキルが目覚めてくる精神世界ってそう言うもの良い代償もあれば、悪い代償もあるって事。聖釘を召喚出来て、親分先生にプルも見れた。後は‥‥何だろう。私は、エノラ。小学5年生。ジェネシスベイエリアの廃坑トンネルで、クラスの男子ゲンを助ける為、訪れた地下トンネルの現場で怪異に遭遇し、頭に大怪我を負った。入院した病院からも退院でき、怪我の完治も目前に迫って来たある日の事だった。親分先生が私に唐突に話す。「おまるは、見えんか?」「へ?」変な声が出て、慌てて訂正する。「おまるって何?小さい時は使ったけど」「厠ではない。やはり見えんか」「ご、ごめん!イメージすればわかるかも!」「いや‥怪我の治りが早いのは、おまるの協力あればこそよ」「どんな子?お礼言いたいわ!」「気持ちで充分よ、エノラ」そんな‥見えないだけで気まずいのに。おまるに悪い気がした。中途半端なスキルに嫌気がさす。「悲観するでない。ワシらが見える、それだけで充分よ」「ごめん。やっぱり見えないの‥」おまるに会いたい。そう思って、丸いイメージから想像する。直感がおまるのイメージに重なっていく。その時だった。「‥ん?」目の前にまん丸の足が4本生えた霊体が姿を見せてくれる」目の前に‥そばにいてくれた。優しく手を伸ばし、抱き上げる。温かい。涙が出てきた。おまるが抱き上げた私を、目を閉じて受け入れてくれるのがわかる。「ありがとう‥‥」「見えたか」「ん‥‥」「精神世界は、見るものを決して拒んでいる訳ではない」「良かった‥別に、私が絶対見れない訳じゃないのね」「スキルに上限はない。思いは伝わっているのだ」 直感のイメージって大事だと思う。大怪我負った時も、親分先生のアドバイスがなかったら、イメージ出来なかった。しかし、私はハッと気付いた。この後の代償はと気付いた時、私の体の力が一気になくなったと思うと、その場で崩れ落ちた。気がつくと、私は横になっていた。親分先生もプルもおまるも心配して覗き込んでいる。起き上がり、振り返る。これも代償なんだと気付いた。倒れた元音が下に響いたのか、ママが階段を駆け上がって来るのを想像した。「エノラ、大丈夫!?」案の定ママだった。ベッドに寝かされる私。ぐったりとして力が出ない私を横にしてくれた。「ごめん‥ママ」「良いの、気付いて良かったわ」後悔はしていない。おまるを抱き上げ、お礼も言えたし。それとも、私の選択に何か手違いでもあっただろうか。ママが私の部屋を後にしてしばらくしたら、親分先生とプルが覗き込んで話しかけてきた。「代償も辛かろう」「ん、けど仕方ないの」「知りすぎるとはこの事よな」「みんな誤解してる、体弱いんだからって‥」等価交換による代償は、突然来る。今まで、何度も経験した。親分先生はなんでも知っているし、プルの分まで話してくれる。ずっとこのままの生活が続くんだろうなって、思っていたところ。ふと私は親分先生が遠くを見てる気がしたので聞いてみた。「どうかした?」「‥‥今ではないが、近い日に離れる事になる」「え?」私は少し考えハッとして、俯いた。「今まで遠くを見たことなかったね」「そうさな」その理由は、私は聞けなかった。答えに意味は無い。本質に気付いてないから理解だけでは無意味だと、以前教わったからだ。肝心な事は、聞かない事にした。だから、知らないって悔しい。「行ってらっしゃい」「今ではないぞ」親分先生は笑顔で答えてくれた。「ぎゅってして良い?」「ええぞ」「ね、おまると、プルも!」親分先生とプルの温もりが伝わってくる。これから私の運命が決まる出来事が起きる。それは、もう少し先の話‥‥‥。 ダウンロード copy #精神世界物語 #長い小説版 13 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート