蒼穹のフリューゲル終
改修版
親子で叫ぶ
そんな日が
来るとは
思って
なかった
楽しそうに
叫ぶ子供達
私も叫ぶ
イーノ
カズ
ロカ
「ガオー!」
エノク
「がおー‼︎」
3度目の
がおー
彼らを
呼ぶ思いで
子供達が
肩を落とす
結果に
なったとしても
エノク
「 」
イーノ
カズ
ロカ
「 」
アリサ
「え⁈」
「あれって‥⁈」
ポータルが
上空を
覆う
輝きから
舞い降りる
竜の群れ
粒子加速器官の
翼が光る
エノク
「来た‥⁈」
イーノ
「ママ⁈」
カズ
「ドラゴン⁈」
ロカ
「うわぁ〜!」
「でけー!」
涙が溢れる
今日まで
ラグラへの
侵攻を
食い止めた
精鋭達
時を超えて
やっと
変わり果てた
総主を
先頭に
群れが
一斉に
降り立つ
長い首を下ろす
一礼をした
総主に
涙が溢れ
駆け寄る
大きな顔に
寄り添う
エノク
「嬉しい‥来てくれた」
声‥?
心に
響く
主よ
創造主よ
我々を許すか
涙が止まらない
エノク
「許すわ。誇りに思う」
「私がラグラの誇りとして
伝えるから」
恐縮‥
総主、星喰いです
うむ
参ろう
竜の部下が
上空に
反応する
総主が見上げる
これで
別れだと
気付いた
エノク
「行くのね。気をつけて」
羽ばたく
竜の群れが
一斉に
舞い上がる
ポータルの
輝きに向かい
消えた
輝きが
蒼穹へと
変わる
私達は
見送る
後に
ドラゴンとして
語り継ぐ
この平和が
100年続き
彼らは
しばらくの
眠りに
つきました
眠りについた
彼らに
集団で襲う
星喰い
争いの中でしか
生きられない
呪いを
かけられても
蹂躙されても
なお
半霊半物の
存在として
いつしか
人の姿を
模しても
間違った本質
集団アルゴリズム
その血で
受け継がれる
贖罪を
全う出来ず
穢れる事を
危機感として
捉える
本質
そんな彼らでも
ねえ
誰か
一人でも
誇って
私は誇る
100年後の
眠りの後
群青の
怪物が
どうなったかは
また別の
物語
タケだ
しまった
缶ビールで
寝ちまった
辺りは夜
満天の
星空
となりには
エノクとアリサ
エノク
「タケ、お目覚め?」
アリサ
「張り切りすぎだよタケ」
タケ
「悪い笑」
エノク
「尽くす所。素敵よ」
タケ
「サンキュー。子供達は?」
エノク
「ぐっすりよ。大はしゃぎ」
「ね、アリサ?」
アリサ
「うん、凄かったんだから」
タケ
「?」
アリサ
「フリュ、見せてあげて」
「38万kmの彼方の英雄」
フリュ
『かしこまりこ』
タケ
「 」
子供達と叫ぶ
ポータルと
共に現れた
総主
部下の
変わり果てた
群れ
タケが
言葉を失い
最後まで見る
エノク
「主よ」
タケ
アリサ
「⁈」
エノク
「創造主よ、我々を許すか」
涙で
受け入れ
誇る
語り継ぐ
決意
エノク
「恐縮」
アリサ
「そう答えたの⁈」
タケ
「分かるぜ‥内包者だけが
通じ合う。そうか!」
「これが心話ってやつか」
エノク
「多分、そう」
アリサ
「凄い。何となくだけど
私にも分かる」
エノク
「タケ」
タケ
「ん?」
エノク
「私も精神考古学研究会に
入社するわ」
アリサ
「お姉ちゃん?」
エノク
「マナも一緒よ」
タケ
「アリサに子供任せる気か?」
アリサ
「あの子達可愛いから
構わないけど?」
「役に立つなら」
タケ
「良いのかよ⁈」
エノク
「ありがとうアリサ!」
「忙しくなるわ」
三つ子ちゃんが
入学後には
私も就職
する
更なる
第六形態の
解析を行う
38万kmの
彼らを
語り継ぐ為
夜空を
眺めて
語った
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