見出し画像

Ragura Floating World54


蒼穹
「お見事」
「全く君は」
エノク
「これが連携ね」
蒼穹
「一人じゃない」
エノク
「ええ、彼にお礼
言わなきゃ」
蒼穹
「エノクは彼をどう思う?」
エノク
「まだ分からないわ
けど、上手く行くと思う」
蒼穹
「行ってら」
エノク
「ん、行くわ」





エノクです

病院か‥

周りには
誰もいない

スク

彼はきっと大丈夫
退院したら
連絡出来る様に
しないと

身体の
平行感覚は
まだ‥
偏った感じ

回復魔法の
効果もある

しばらく
時間かかりそう

スク
「エノク!」
エノク
「‥スク?」

嗚呼‥
いたんだ

スク
「ごめんエノク」
エノク
「良いの」
「あなたは間違ってない」
スク
「けど」
エノク
「ありがとう
助けてくれて」

スクは目を見開く

私は笑顔で返す

エノク
「胸はどう?」
スク
「禊が効いたよ」
「けど‥何故」
エノク
「絶海の禊と
第二形態のおかげね」

スクは
海面の激突で
昏倒したまま
意識が
戻らなかったと
説明した

私も
第二形態が
ポータルで移送
した事を説明する

するとママが
病室に入って
来た

マヤ
「あら、早速面会?」
「お邪魔だった?」
エノク
「ママ‥」
「スクと世界守ったの」

目を丸くして
説明出来るかと
ママは聞く

状況を鮮明に
覚えていたスクが
落ち着いた
口調で説明
してくれた

マヤ
「そんな手に
負えない存在が」
スク
「エノクを
傷付けてしまった」
エノク
「良いのに〜」
マヤ
「ハア‥仲良いのね」

その言葉に
スクは反応する

その表情を
私は見る事が
出来なかった

けどママは
にっこり笑って
先生から
話を聞いて来ると
言って病室を出た

二人きりになる

エノク
「スク?」
スク
「 」
エノク
「何故そっち向く?」
スク
「分からない」
「今の気持ち」
エノク
「説明出来る?」
スク
「無理だ」
エノク
「え〜?」

ニヤニヤ
しながら私は聞く

スクは鋭い
だから
きっと

その表情の
答えが分かる日は
近付いて来た
気がした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?