mystery gem2
夜
協議中に
慌てて
駆けつけた
従者が
遠方から
大型船が
来ると言う
私の半生に
かけて
一度も無かった
空からの往来
カナ
「此処に?」
「まさか、スルーでしょ」
従者
「ま、間も無くですぞ!」
カナ
「‥⁈」
響いて来る
轟音
分かる
この巨大さ
トイ
「姫君⁈」
私は走った
窓から
外を見る
サーチライトが
塔の灯りを
嗅ぎつける様に
こちらを捉えて来た
眩しい
逃げる?
隠れる?
まさか
何処へ?
そんな場所
とうの昔に無い
塔だけに笑
トイ
「姫君ふざけてる
場合では」
カナ
「あーごめんなさい笑」
「行くわ‥」
大型船は
塔の直上にて
静止
嫌な轟音を
響かせて
止まった
屋上に出る
で
デカい‥
船から梯子を
垂らし
腰に銃を
ぶら下げる
物騒な客が
降りて来た
はー
いつの時代も
国を跨いで
ゾロゾロ隊員が
取り囲む中
ブレずに
腕を組み
私は彼らより
上からとろとろ
ゆっくり
降りて来る
偉そな男を
凝視してる
睨むでも
良いわ
トイ達に
分かる様
投降の
ジェスチャー
そう
生き延びる
為にも
これは必要
素直でしょ?
やっと
降りて来た
ニタリと
笑う
ビリっけつ
カナ
「‥」
男
「美しい」
カナ
「この時代に
コロンブスやナポレオンが
居たら貴方の様な人ね」
男
「良い褒め言葉だ」
頭も悪そうね
いつの時代も
お気に入りの
カチューシャを外す
トイの方へ投げる
必ず生き延びて
帰る私なりの
意思表示で
振り返る
そして
笑って見せた
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