見出し画像

mystery gem51



ビリー
「よう」


カナ
「えっ⁈」


ビリー
「あー、待て待て」
「別に突き落とそうとか
考えて無いからな」


カナ
「 」

ビリー
「お前を理解してから
見方が変わったんだ」


‥?

どう言う
意味だろう

けど
この感じ

今までの
彼と

違う

カナ
「誰?貴方」


ビリー
「な、おい⁈」
「まさか記憶喪失とか
無いよな?」


カナ
「いえ‥感じ、
変わったから」

ビリーさんが
脱力して
安堵する

ビリー
「ビックリさせんなよ」
「こっちは和解しようと
来たんだ」
カナ
「和解‥」
「そろそろ話して
頂けるんですか?」


ビリー
「ああ、理解
出来たからな」



カナ
「 」

間を置いて
口を開く

ビリーさんは
最初に
私の故郷に
往来した時の
話を振り返る

ビリー
「信じてくれない
かもしれないん
だがな‥」
「何故お前の国に
16年間他国からの
往来が俺だけだったか
‥分かるか?」
カナ
「それは‥」
「 」
ビリー
「アルゴリズムだ。
俺が来る筈だった
のはお前の16年前だ」


‥え

目を見開く

16年前⁈
一体‥

ビリー
「赤ん坊のお前を
攫う予定で来た俺が
お前を見て衝撃を
受けた」
「標的の赤ん坊は
16歳になっていたんだ」 

カナ
「‥じ、じゃあ私」
「ビリーさんと
出会うまで16年も
かかってたの⁈」


ビリー
「ただでさえイカれた
半生だからな‥
自暴自棄になってた」


続けて殺意と
嫌悪感が
あったと
説明する

気味が悪いとさえ

カナ
「石は私の生きてる
時間そのものを‥」
ビリー
「ああ。これまで石の
アルゴリズムが機能
していたと説明出来る」
「そして次はアンタの
番だな。姫さん」

私の願い
それを奇跡に
変える

ビリー
「石は‥残念だったな」
カナ
「居るわ」
ビリー
「?」
カナ
「私の中に」
「説明は出来ないの
‥けど、後できっと
会えるわ」


ビリー
「‥そうだな」

ビリーさんが
ビシッと
敬礼する

ビリー
「これまでの非を
お許し下さい
姫様!」
カナ
「 」
「そう!ジェシカさんよ」
ビリー
「 」
カナ
「待ってるのよ」
ビリー
「あ〜それについてだが」

「プロポーズした///」
カナ
「へ?」
ビリー
「王都で式を
上げようと思ってな」
「どうだ?」

カナ
「 」
「す」

ビリーさんが
ニカっと笑う


素敵

夢みたい

ビリーさんの
後ろで
ジェシカさんと
トマリが
見ていた


トマリ
「カナ‥」
カナ
「あ、バレた」


トマリ
「分かるよ笑」
カナ
「ジェシカさん!」
「あ」

膝に力が
入らず
ガクッと
転んだ

初めての体で
擦り傷を
眺める

涙が溢れた

カナ
「嬉しい‥私」
トマリ
「カナ、大丈夫?」

カナ
「参謀に一度は
殺されたのに、私」

「今なら不思議と
‥感謝出来るの」
トマリ
「そうさ」
「居なかったんだ
悪い人なんて最初から」

カナ
「 」

今更だけど

生まれ
変わった私の

賛美の
産声

声を上げる

トマリに
抱かれる


生きてる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?