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蒼穹のフリューゲル11

エノクです


私の周りに
人がいない


そりゃ
トラウマにも
なるだろう

ドン引き
即死レベルの
人身事故
からの生還

おまけに
まだ流血してる
身体は
深紅の霧が
出て全ての
血液が
還元しきれていない

腕と手の
粉砕骨折は
痛みは和らいだ

後は頭だけ

念の為
フリュの
様子を
チェックする

エノク
「良かった‥異常は
無いわね」
ゼンキ
「お前が異常
なんだがな」
エノク
「私の事はよろしい」
ゼンキ
「病院行けよ普通」
エノク
「嫌、面倒」
フリュ
「回復してますし」
ゼンキ
「お前ら‥」

制服に垂れた
血糊も霧状となって
体内に戻る

さっきから
視線が
気になる

内包者ってだけで
目の前で復元
されただけで
この反応

死なれた方が
良かったの
だろうか

突き出した
中等部の
間違った
本質に腹が
立って来た

エノク
「ゼンキは他所とは
違うのね」
ゼンキ
「理解者は必要だろ」
エノク
「ありがとう」
フリュ
「人間って難しいスわ」

ゼンキとフリュの
フォローで
私の荒だった
気持ちも
治る

その頃には
頭の流血と
痛みも引いて来た

「居た!」
「ちょっとゼンキ
勝手に行かないでよ!」
ゼンキ
「よ、ノイル」


ノイル
「?何でここだけ
空いてんの?」
「まあ良いわ。
オッス!エノク」
エノク
「おはよう、ノイル‥」
「ん?ゼンキ、まさか」
ゼンキ
「ああ、ノイル
知ってるのか」
エノク
「彼女って、ノイル?」
ゼンキ
「ああ。で?」
ノイル
「で?じゃない!
こっちは走って
来たんだから」
ゼンキ
「ご苦労」
エノク
「 」
「プフッ」

ゼンキの
淡々とした
ノイルの対応に
私は吹き出して
しまった

これで良い

私のベクトルは
強くも大きくもなる

関係ない人まで
巻き込む
訳にはいかない

そうしているうちに
学校駅前へと
着いた

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