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The blue sky of the outlook60

バルトロマイ
イバラグループ

終章-開始

バルトロマイにある巨大な企業
茨グループ会社。

此処に招かれ、同席する天魔重工の
ヤン社長
レミィズ
イチ
テツ‥

慣れないスーツ姿で訪れた3人の前に宙に浮く、スーツ姿の小太りの初老男。
その周囲に浮遊する水晶群が奇妙な雰囲気を漂わせる。
招かれた広い応接室に設置された巨大モニター。

モニターに映し出される圧倒的な広さを誇るドック。

そのドックに鎮座する巨大な鉄塊。

数百メートルある巨大なユニットに伸びる棘の様なスタビライザーが特徴的な姿。

棘の様に伸びるスタビライザーの
先端が青、緑と点灯し、光り出す



オペレーターと呼応する様に
鉄塊は光り出す。

「起動開始、転送シークエンス5秒前」
「4.3.2.1‥」

鉄塊が更に光り出し、ゆっくりと鉄塊の質量が動き始める。
鈍い光と共に空間が歪曲された。

「移送空間による歪曲を確認、ポータル発生エネルギー上昇中」
「転移ポータル移送開始までのカウント」
「3.2.1‥転送開始!」

ポータルに飲み込まれるように
鉄塊が少しずつポータルの内部に移動して消えて行く。

「移送工程20%」
ディズ
「ご覧下さい。素晴らしい」
ヤン
「たまげたぜ‥」
イチ
「なぁ、あの鉄塊何メートルあんだ?」
テツ
「知らねえよ。200mはあるんじゃねえか?」
レミィズ
「お前達、静かにおし!」

オペレーターの中継が続く。

「移送工程50%」

鉄塊を包み込む光の移送空間ポータルが鉄塊の全て飲み込む。

消えた鉄塊の行き着く先は‥

「茨オメガユニット、オメガポイントに移送完了」
ディズ
「宜しい、ではいよいよ茨計画を開始する」
「全ての茨ユニット、ポイントアルファからオメガポイントの充填開始!」

エネルギー収束を開始したユニットが充填され光り出す。

「充填収束率50.65.70‥」

エネルギーの密度が溜まりきった状態でディズが指示を出す。

ディズ
「全エネルギー照射開始!」

横這いに放たれた螺旋の
エネルギーが伸びて行く。

「各ユニットエネルギーリンク開始、結合態勢」
「アルファポイントからオメガポイントエネルギー連結カウント‥」
「5秒前‥4.3.2.1連結!」

エネルギー同士のぶつかり合い
結合されたエネルギー同士の連動が
臨海に達する。

そして横這い螺旋のエネルギーは太い光の棘を露出させて伸びて行く。

「各ユニット、エネルギー連結を完了」
「第三茨計画、完了しました」

ディズ
「宜しい諸君、これで特大パンケーキも手が出まい‥」
ヤン社長
「茨‥計画」
テツ
「アレで‥勢力拡大を防いだのか⁈」
レミィズ
「‥‥」
ディズ
「どうかね?これでラグラのすり鉢は封印された。下層、中層、上層部に設置完了された事で災害も防止出来た」
ヤン
「‥‥」
ディズ
「君の出る幕では無かったね」
「この後会食でもどうかね?」

得意気に笑うディズ。

ヤン一行は丁重に断り、イバラグループ会社を後にした。



ヤン
「糞が‼︎」
イチ
「でけぇ顔しやがって!」
レミィズ
「アンタ‥もうデータ回収は出来ないよ」
ヤン
「わかってんだ‼︎だが‥」

だが、これをどう説明したら良い?

極秘に計画された茨計画。

設置されたブイの回収、データ収集はもう出来ない。
だが理由はそれだけでは無かった。

ラグラにどんな支障が出るかさえこちらからはわからない。

ヤン
「わからねぇんだ‼︎」
「これで抗える程甘くねえ‥」
テツ
「兄貴‥」
レミィズ
「およし、重すぎるんだよ。私達よりもね」
イチ
「あんな物で止められる訳ねぇ‥」

彼らにはわかっていた。

これで終わる筈がない事を。
そして此処から始まる事も。

終章プロローグ

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