蒼穹の見聞録21
最下層の
シャンデリアから
都市部へと
戻って来た
親分先生
「はて‥せがれが埋まっとる瓦礫の山は、何処だったか?」
エノク
「この都市部の広さ‥分からないわ‥」
蒼穹
「誰か教えてほしいスね」
「戻るんスか?」
親分先生
「 」
「探しようが無い」
何処を
見ても
煙の上がる
世紀末の
摩天楼
親分先生
「ワシはまだ踏み出せる。瓦礫の下で弔うならば、受け入れ進むまでよ」
蒼穹
「前向きっスね」
エノク
「 」
プルが
飛んでくる
親分先生が
プルの
意思を
読み取ったのか
親分先生
「何?シシバヒコが無事か⁈」
エノク
「シシバヒコ?」
蒼穹
「誰スか?」
プルが
また
親分先生に
訴えている
親分先生
「何と⁈オオノケもか⁈」
エノク
「 」
蒼穹
「オオノケ?」
親分先生
「何処?案内せい」
足場の悪い
瓦礫の
上を飛ぶ
蒼穹
「エノクがつまずく程、足場悪い」
エノク
「否定はしないけど、私の足じゃみんなに追いつけないわね」
蒼穹
「ん?何か」
瓦礫を
歩く
白銀の
毛並みの
獣が
私達に
気付き
のしのし
歩く
エノク
「‥大きな身体」
親分先生
「おお!無事か、オオノケ!」
エノク
「 」
蒼穹
「あれが‥」
プルと同じ
無言で
反応する
あれが
オオノケ?