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mystery gem8

銃口

炭鉱の
街の人達に
向けられる
悪意

私が握る
トマリの手を
少し強める

カナ
「貴方には感謝してる」


船長
「何⁈」
カナ
「私を外に連れ
出してくれた」
「跡取りの為に」
船長
「俺が居る」
カナ
「国の命令?」

船長
「国は持たねえ」
「国より女だ」

カナ
「貴方に私は合わない」
「だから私を奪っても
心までは奪えないわ」

もっと沢山の
人と出会い
改修する事で
彼なりの
更なる
出会いが有る

カナ
「この船で遠くまで
行けば良いわ」
船長
「遠くには行けねぇ」
「船がボロいからな」
カナ
「行けるとしたら?」
船長
「?」
カナ
「力を貸して!
何処までも行ける船に
してあげるとしたら?」
船長
「どう言う意味だ?」
カナ
「トマリ、この人達の
船を直せる?」
トマリ
「どうだろう?
協力してくれるとは‥」

船長が
少し考えた

沈黙
そして
切り出す

船長
「俺はならず者だぜ」


カナ
「それでも信じるわ」
「もう一度乗せて」


トマリ
「カナ⁈」


船長
「お前より良い女か‥」
「面白え。だが少しでも
イチャついてみろ」

その時は
‥か

トマリの握る
手を離す

カナ
「トマリ‥」
トマリ
「分かった。
やってみるよ」
「採掘機より複雑な
機械をいじって
見たかったんだ」
「動力系を見せてくれる?」
船長
「良いだろう。乗れ」

けど銃は
構えたまま

トマリ
「カナ‥姉さんに話すよ。
待ってて」
親方
「行くのか?」
トマリ
「はい、親方」
「姉さん!」

町の男達が譲る
ジェシカさんが
トマリを見る

ジェシカ
「分かったわ」
「理想とは違う
結果だけど」

船長
「ちょっと待てえ‼︎」


カナ
「 」


トマリ
「‥何?」


ジェシカ
「?」

船長
「ああああ、アンタ」
ジェシカ
「 」
船長
「アンタも一緒に来い!」

私とトマリと
ジェシカさんが
唖然と目を
丸くする

ジェシカ
「‥なるほど」
船長
「 」
ジェシカ
「外側の世界ね」
カナ
「ジェシカさん?」
ジェシカ
「良いわよ」

クスッと笑う
ジェシカさんの
見えない笑顔に

私はただならぬ
感覚を
覚えた

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