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Ragura Floating World5

よっ
マヤだよ。

家に帰るとママ(マナ)
早速飲んでた

献杯(けんぱい)
とか言って

デニッシ族の問題から
完全に解放された

我が家の任からも
解放された

マナ
「く〜!」
「で、カズ君どうだった?」
マヤ
「持ち直した」
「完全とはいかないけど」
マナ
「ちゃんと見てたわね」
「で?マヤはどうなの」
マヤ
「うん‥わかんない」

カズも結局創造主の
跡取り息子
デニッシ族に
マークされていた
存在だから
この際言っとく

危険もあった

そのせいで
自分を表に出さず
影を落としすぎた

家族に相談さえ
出来ないまま
彼のママは‥

残酷だよね
一番の支え
失ったんだから

マナ
「どうしたい?カズ君」
マヤ
「どう‥すれば」

わかんないよ
どうしたら良い?

マナ
「耳片方失って守って」
「良い悩み出来たわね」
マヤ
「 」
マナ
「悩め悩め」

笑うママ
他人事と思って‥

マヤ
「ママ、エノクってどんな人」

ママは少し悲しみ
しばらく考え
遠い眼差しで話す。

返って来た説明によると

見返りを求めない
調和の取れた
人格の持ち主で
あった事‥

後半に至っては
心眼を開いた行動で
侵食者を圧倒し
デニッシ族に至っては
語りで問題を解決したと言う。

私はカズの事で精一杯

なのに他人に気を回せる
余裕なんて無かった。

凄いと思うしかない。
家族まとめて
カズさえ包み込む人
だったなんて‥

マヤ
「私にカズを
変えられるの‥?」



ママがフッと微笑む

マナ
「間違えても良いわ」
マヤ
「えっ⁈」
マナ
「間違えても、
手遅れになる前に
修正出来れば、ね」

修正‥
初めて聞くその言葉に
それを理解するのは
自身で経験を
積むしか無い、と
ママは言った。

う〜ん
わかんない



通学



カズ
「‥終わった?」
マヤ
「そ、もう今まで
伏せていた事全部
バラして大丈夫よ」
カズ
「 」
「バラすって今更‥」
マヤ
「うん?」


カズ‥?

カズ
「いや‥今までありがとう」
「俺の事守ってくれて」

え?


カズ
「マヤ、今まで
大変だったからさ。
全部終わったなら
やっと俺からも
解放されるだろ?」


何で?

マヤ
「何でそんな事言う?」
カズ
「え?だって」

私が我に帰る頃には
カズを張り倒していた。

しまった‥

カズはグッと堪え
頬を押さえて
走り去って行く

引っ叩いた
手のひらが痛む

胸が痛い‥


間違ってしまった。

だったら
手遅れになる前に

私なりに修正しなきゃ

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