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Ragura Floating World55


エノクです

リハビリ中

身体の
平行感覚を
取り戻す為
歩行器で
リハビリする

ん〜まだ
偏ってる?

先生に
聞いてみる

エノク
「まだ偏ってる
気がします」
先生
「大丈夫、
必ず戻ります
自信持って下さい」
エノク
「はい!」

返事は一人前
やる気出た




僕はスク

面会の時間を
聞くべきだった

彼女の心配
ばかりした

エノクの母親は
にっこり
するばかり

怪我を
させてしまい
本来なら
責任追及される
筈の立場が
良いの良いの‥

一体エノクの
家庭状況は
どうなって
いるのだろうか

看護婦さんに
聞いたら
リハビリの
最中らしい

見舞いに来て
待ち惚けをする

自分の変化に
ついて考えた

初めての感覚

紛れもなく
エノクを背に
僕は変な顔を
していた

顔真っ赤にして

それまで
視線を逸らす
くらいの事で
済んだ筈が

まともに
見せられた
ものじゃ無い

けど
いつまでも
隠し通すのは
難しい

だから
此処に来た

そんな考え事を
していたら
エノクの
ママさんが来た

マヤ
「あら、来てくれたの」
スク
「時間、分からなくて」
マヤ
「ふうん。そろそろ
終わる頃じゃ
ないかしら」
「あの子頑張り屋
だから」
スク
「はい、ビックリ
するくらい」
マヤ
「君が思う以上よ」
スク
「え?」

ママさんは
エノクの過去を
僕に話してくれた

彼女がまだ
二年生だった頃
魔王に
拉致され
半殺しに
あったと言う



それだけで
拳を握りしめた
グッと堪えた

それだけじゃ
終わらない

重傷のまま
古代図書館に
単独で
呼び出され

身動き
取れない
身体で
魔王を倒した

驚愕した

エルフ族の
小さな身体で

僕は‥

不死身の
身体を
持ちながら

身を挺して
エノクを
庇ったのが
精一杯だった

彼女は怪物と
言っていたけど

死と向き合う
戦いにも
向き合って
今日まで
生き延び
此処にいる

それも
侵食者と
張り合う力は
まだ無かった

それなのに

マヤ
「あの子の事」
スク
「え」
マヤ
「好き?」

好き?

僕は‥

上手く
表現が
出来なかったけど
エノクを

守りたいと思う

力になりたいと思う

もう傷付けたく
ないと思う

そう伝える
その表情は
また顔が
赤くなっていた

マヤ
「宜しくね」
スク
「はい」
「‥あの」
マヤ
「どした?」
スク
「‥若いですよ、ね」
マヤ
「あはは、まね」
スク
「 」

‥あれ?

エノクの
ママさんて
いくらエルフ
だからって

マヤ
「中一であの子
産んだわ」

ボソッと言う



思わず
僕は
ガタっと
立ち上がり
口を塞いだ

ママさんは
苦笑いする

エノク一家の
家庭状況を
把握し

僕は驚愕した

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