蒼穹のフリューゲル60
改修版
男は
晴れ上がった
口元を
引き攣らせ
笑う
私に
馬乗りに
なり
首を締めつける
アリサも
同様に
身動きが
取れない
どうする？
男
「ポータルか‥余計な」
エノク
「 」
まずい
新手⁈
男
「 」
ポータルから
出て来たのは
タケ
「吹っ飛べ」
男が
掻き消され
触手が
消える
アリサも
解放された
なのに
この男
実体が無い⁈
再び姿を見せ
距離を取る
タケ
「来い！退くぞ！」
エノク
「アリサ‥ゲホッ！」
アリサ
「うん！」
男
「 」
「‥早い」
ポータルから
他の
黒ずくめが
現れた
男2
「感心してないで、追ったら
どうかね？」
男
「ふん、ログは消されている」
「‥あれは良い女だ。出来る」
男2
「ほう‥是非紹介したまえ」
牢獄の
密会が
始まった
ゲホッ
ポータルから
出ると
膝をつく
エノク
「ゲホッ‥ハア‥！ハア‥！」
アリサ
「お姉ちゃん！大丈夫？」
エノク
「カハっ‥！」
「みんなは‥先生⁈」
ディール
「彼方達が最後よ。エノク」
「タケ‥」
タケ
「遅刻しました。すんません」
「‥怪我無いか？」
エノク
「 」
「タケ‥」
涙目で
立ち上がろうと
したその時
マナが
タケを
引っ叩く
タケ
「 」
マナ
「アンタ散々心配かけて‥！」
「エノクがどんな目に遭ったと
思ってんのよ‼︎」
タケ
「 」
エノク
「マナ、良いの。タケ」
「助かったわ。ありがとう」
先生が
割って入る
ディール
「ほら、彼方達、揉めないの」
「まずは、収容した子供達を
解放するのが先でしょう」
あの
吹き抜けの
牢獄から
捕まった
子供達
神隠し‥
かなりの
数だ
負傷者も
居る
あの匂いの中
私達で
出来る事を
するしかない
エノク
「この子、小さいのに」
「見せて、傷口が化膿してる⁈」
女の子
「痛いの‥」
「うえ‥」
化膿が進み
破傷風に
なりかけている
熱もあり
ふらついている
エノク
「誰か！」
暖かい輝きが
傷口を包む
女の子の
化膿した
傷口が
治っていく
貴重な
ヒーラーと
出会う
つまり
回復師と
出会う
アリサ
「凄い！治った！」
エノク
「ありがとう。エノクです」
女子
「クアルよ。もう大丈夫」
「けど、この数‥」
エノク
「吹き抜けの牢獄で神隠しに会い
捕まってた子供達よ」
クアル
「 」
「なんて酷い‥」
エノク
「この子だけでもお風呂
使わせたいわ」
「ありがとう、クアル」
クアル
「ええ。お大事に」
透き通る声
クアルは
にっこり
微笑んだ