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蒼穹のフリューゲル12


エノクです

駅では
散々な目に
あった

学校では
アクシデントは
起こらずに
いてほしいもの

ノイルと
ゼンキと共に
高等部フロア
まで来ると
ノイルと別れた

ノイル
「じゃ、また後でね」
ゼンキ
「おう」

教室から
早速私の
話題になった

ネグロ
「電車に跳ねられたって
聞いたよ⁈」
ビオラ
「大丈夫?」
エノク
「ええ、けど、手の
骨格って複雑だわ」
ネネ
「 」
「良かった〜」
エノク
「けど、私、
痛みも苦しみも
人並みよ」
「不死身だから何も
感じない訳じゃないの
だから」
ネネ
「エノクを突き出した
のは誰?」
「私‥」

ネネが半分
切れかかっている
そっと宥めた

エノク
「相手に興味は無いわ」
「それより今夜の献立
どうしようかしら?」
ネネ
「ざ、材料が分かれば
調べておくね!」
エノク
「ありがとネネ!
愛してるわ」

そう言うと
ぎゅっと
ハグした

ネネが
顔真っ赤に
して喜ぶ

エノク
「即死レベルだから
みんなドン引きで
寄り付かなかったけど
ゼンキのフォローで
助かったの
ありがと、ゼンキ!」

ゼンキが
気だるそうに
机でグダリながら
手をヒラヒラ
させる

その落ち着きが
憎めない

私はフッと
笑顔になる

その頃合いで
ディール先生が
教室に入る
パンパン
手を叩くと
全員席に戻った



職員室

ディール
「無事に越した事は
無いけど、ホームの
先端で端末をいじる
のは危険ね」


エノク
「なるほど。
私も気をつけます」
ディール
「分かってるなら
問題無いんだけど」
「だからって
内包者だから
アンタで良かった
とかは無しよ笑」
エノク
「はい」

職員に何度か
心配の声を
頂いた

この日を境に
私も有名に
なってしまう

良い事なのか
悪い事なのか

その時は私も
皆目つかなかった

通信メディアから
放送される
デニッシ族の
社会問題に
一部の職員が
釘付けになる

私もちらっと
そちらを聞いた

ディール
「物騒ね」
エノク
「調和の世界なのに」
「何故‥」
ディール
「戒律を並べて
人類に制限
させたいのね」
エノク
「理解できません」
ディール
「私もよ。さ、
次の授業はと」
エノク
「精神考古学史!」
ディール
「あなたこの授業
好きでしょ?」
エノク
「あははは」

精神考古学
そう
私の興味がある
授業だ

直感が
ヒントとなる
特殊学問と
言って良い

私と先生の
談笑を終え
教室に向かった


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