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The blue sky of the outlook62

通信障害によるトラブル

コロッサルグラッド・シエルの都市機能が麻痺する。
訳も分からずライネット通信の管理センターに電話が殺到する。

精神感応インターネットプロトコル

通信が出来ない事で遠隔操作も出来ない状況が続くと思われた。




一方

上層の茨サークルの設置から遥か上に雲が発達し始め、その光景は茨グループの中継モニターからも確認され、オペレーターがいち早く反応した。

「上層の遥か上に雲が発達!遠心力で岩礁群が外側に広がっています!」
ディズ
「外部からの圧力に反応したのでしょうか?」

「わかりません、システムは安定して起動中です」

突然のヤン社長からの外線連絡に対応するディズが
世界中で通信障害を起こしている事を此処で初めて知った。

ディズ
「茨計画の圧力が予想以上だったと言うのですか?」
ヤン
「違う、この計画で嵐を止める事は出来ねえ!これを見ろ!」

映像には無数の岩礁が都市上空、フィールドに激突する姿が捉えられている。
そして、以前ブイから採取したデータの総合を数値で解析、嵐の中でランドシップが飲み込まれ、粉砕された岩石がすり鉢の餌食になっている事もヤンは知っていた。

ディズ
「岩礁共に更に上に発達していたのだとすれば‥」

その時、オペレーターが叫ぶ。

「ディズ社長‼︎アレを」
ディズ
「ぬ⁈」

すり鉢の様に回る雲の中から、
茨ユニットより遥かにデカい岩礁が姿を見せた。

ヤン
「見ろ、粉砕されたランドシップの果てだ!」
ディズ
「この質量‥ユニットの防壁能力は?」

「防壁能力は‥」

オペレーターが答える前に岩石は
ユニットに激突する。

質量の違い
破壊力‥
ユニットは爆砕した。
200mを超える質量が爆炎を上げ
落ちて行く。

ディズ
「‥‥‥」

浮遊した体が床に着くとその場で
崩れ落ちた。

愕然‥冷や汗が震えが止まらない。

ディズ
「ヤン、飲み込まれたランドシップの質量は‥?」

ヤンは無言で過去の数値データを見せ、ディズの絶望感にとどめをさした。
数値の羅列が猛烈な勢いで増えていく‥

ヤン
「世界中を岩礁で殲滅してもお釣りが来る量だ」
「ディズ、お前はいけ好かねえ野郎だがその思惑は当たって欲しかったとつくづく思ってたぜ」
ディズ
「 」
ヤン
「創造主なら‥どうするか?」
ディズ
「な⁈どう言う事ですか⁈」

ヤン
「‥時代の変化に現れた16の小娘が起こした奇跡に‥賭けて見るか?」
ディズ
「実在していたのですか⁈」

詰め寄るディズは縋るようにヤンのモニターに詰め寄る。

ヤン
「必ず動き出す筈だ‥いや、是が非でも動き出してくれや」

「あ、あの」
ディズ
「何か⁈」

「ユニットの崩壊で通信が回復し始めています!」
ディズ
「ヤン!連絡は取れますか?何としても‥」
ヤン
「待て、一旦切る。噂をすれば、だ」
ディズ
「おお‼︎」

オペレーターが口々に噂を立てて騒つく中、ディズは震えながら祈り続ける。

創造主とは言え、ただの人間。
16歳の少女がこの一年の為に

何を見て
何を経験し
何をしたのか‥

すり鉢の嵐を前にラグラに
何をもたらすのだろうか。

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