Ragura Floating World37
マヤだよ。
何処まで話したっけ?
2人で笑い合うと
気を取り直し
カオは説明する
カオ
「内包者は、魂の
二乗化的存在なの」
マヤ
「魂?」
一つの肉体に
2種の魂が引き合い
存在する者
それが内包者
常にカオ自身に
委ねられた意思の中で
無意識の魂が引き合い
存在している為
ゲシュタルト崩壊
しやすいのだとか
マヤ
「自分が分からなくなる?」
カオ
「逆よ。自分を怪物だと
知ってしまう」
マヤ
「私達と変わらないわ」
カオ
「体内構造はね。たとえば」
ボールが転がって来る
カオはそのボールを
触れる事なく
ボールを取りに走る
子供に押し返す
マヤ
「今‥どうやって?」
カオ
「これが第一形態」
マヤ
「超能力?」
カオ
「二乗化の反発」
難しい‥
こんな難しい問題と
カオは向き合って
生きて来たの?
カオ
「自分と向き合う
難しさは、私が良く
知ってるわ」
「それに‥」
忘れはしない
カオのあの言葉‥
マヤ
「凄いって‥
好きじゃない
あの言葉、とても
気になってたの」
カオ
「覚えててくれたのね」
「二乗化の反発は
その威力を高めれば
対象を吹き飛ばす
事が出来るの」
マヤ
「それって‥」
ボールを手に
母親の元へ戻る
子供をカオが
見つめる
カオ
「あの子もろとも
巻き込む程の」
マヤ
「 」
想像したくない‥
では第二形態とは
一体どんな‥
カオ
「第二形態は
オーラの具現化‥
身体中が可視化
されたオーラが
足元から発生したまま
周囲を巻き込むの」
マヤ
「‥‥」
「つまり」
カオ
「具現化すれば物理的な
衝撃となるわ」
二乗化するから
そのエネルギーは
掛け算規模で
膨れ上がると
カオが説明した
そんな力が疎ましいと
小さな頃からの
悩みだったと
カオは話す
マヤ
「それでも、大きな
トラブルを起こす問題は
なかったでしょ」
カオ
「教育に変化が
あったからよ」
「そのおかげね」
マヤ
「残りの形態‥説明
出来そう?」
カオ
「良いの。マヤにだけは
話しても良い」
マヤは乗り越えた
場数のせいか
落ち着いた口調で
第三形態について
語り始めた‥