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Ragura Floating World13

ダンッ‼︎

学校の廊下で
マヤが小動物の
飼い主を壁に
押し付けた

周りの生徒が騒つく中で

私、マヤ。
カズがポータルで
飛ばされた


マヤ
「私ならまだしも
カズに手を掛けるなんて‼︎」
女子
「カズまで巻き込んだくせに」
マヤ
「カズを何処へ飛ばしたの?」
女子
「知らない」
マヤ
「この‥っ」

内心腹立だしい
カズを思い堪えた




突き離す

消えたポータルの
出現場所を
確認する

女子
「何してんの?」
「探したって‥」
マヤ
「ログが残ってんのよ」
女子
「は?」
マヤ
「真面目に授業
聞いてないから
そんな事も
わかんないのよ‼︎」


ログを掴んだ
着信が来る

カズだ!

マヤ
「カズ!大丈夫⁈」
「ちょっと待って、
何してんの!
誰か先生呼んで‼︎」

人が消されたのに
カカシの様に突っ立ってる

やっと一人が
駆け出し
職員室に向かった

今更‥

マヤ
「カズ!今何処⁈」




僕、カズ。
マヤが涙声で
僕を心配する。

知らない岩礁の上だと
マヤに伝えた。

下は奈落‥
僕は落ち着いた声で
説明する。

小動物は
怯えているのか
追い詰められた
岩礁の隅で震えている。



今は小動物を
宥めるのが先だ。

進展するまで
一旦切るから職員室で
事情を説明してほしいと
マヤに頼んで
通話を切った。

さてと、


僕は小動物を見つめる
少し話をしよう。

カズ
「わかるよ。
君が不本意で
やった事くらい」

落ち着いた声で
笑顔を見せた



カズ
「ありがとう。
君が僕ごと
飛ばしてくれたから
マヤとの時間も
僕の変化も‥
作れたんだ」

マヤの気持ち

変化

釣り合った時間
共有‥


カズ
「君が僕を変えて
くれたんだ。
でっかい穴を
盛り返したくらいのね」

小動物の震えが
止まった
この子は分かる
言葉を理解している

カズ
「おいで、証明する。
僕は彼女とは違う」

ママの笑顔を思い出す。

自分も同じ笑顔を
見せられる様に

カズ
「名前つけても良い?」
「ヌーべ」

意味は‥何だったかな?
ごめん、思い出せない‥

小動物が反応した。

僕の肩に飛び乗る

カズ
「ヌーべ。やっぱり
心が読めるんだね?」

頬を寄せると
ヌーべも頬擦りする。



そこで僕は
ヌーべに尋ねた

カズ
「戻ろう、
君はどうする?
彼女の元に戻れる?」

ヌーべは少し戸惑う

笑って聞いてみた

カズ
「僕の所に来るかい?」

ヌーべが反応した。

ママの言葉を
思い出した
僕なりの提案だった

ヌーべの逃げ場
ヌーべの逃げ道への提案

僕の推奨を
受け入れて
くれるだろうかを
尋ねてみた。

カズ
「さ、戻ろうか」

ヌーべは嬉しそうに
ポータルを展開させて
僕らは岩礁から消えた。




消えたポータルの
ログの場所に飛ばされ
戻って来た。

そこには唖然と
驚きに満ちた眼差しで
見つめる先生とマヤ
みんなの姿が見てとれた

一人冷めた眼差しで
彼女が睨む

それでも
ヌーべを肩に乗せたまま
笑顔で答える

カズ
「ただいま」


潤んだ眼差しで
マヤが見つめていた。

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