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この青空に約束を-melody of the sun and sea- 総括編 


PS2版

 本土から少し南に、南栄生島という小さな離島がある。船なら10時間以上もかかってしまう、辺鄙な島だ。
 そこで生まれ育った星野航は、島で唯一の学園・高見塚学園の学生だったが、なぜが実家ではなく、学生寮「つぐみ寮」から学園へ通っていた。
 けれど、そんな寮暮らしも来年の春には終わろうとしている。島の主要産業を占めていた会社の工場閉鎖にともなう学生数の減少を理由に、学園側がつぐみ寮の廃寮を決定したからだ。
 航たち寮生は、その決定に悲しみながらも、残された1年をみんなで精一杯楽しく過ごそうとしていたのだが・・・。
 新学期、新しい寮生がやってきた。しかしその新入り・沢城凛奈は、なぜか、航やほかの寮生たちに打ち解けようとしない。
 歓迎会をするはずだった夜、とがった態度を取る凛奈に航は「お前を絶対仲間に引きこんでやる!」と強く言い放った。
 ともに暮らす寮の仲間たちー幼なじみの海己に先輩の奈緒子、1年生の宮穂と静に、教師で寮長の沙衣里。
 そこに、かたくな「だった」転校生を加えること。それは、航だけの望みではなかった。
 決して避けることのできない、廃寮の日。だけど、だからこそ、「みんな」で過ごしたい。
 ときにはくだらないことでバカ騒ぎし、ときには涙を流しても。
 最後の1年を、かけがえのないときにするためにー

「Prologue」より

総評 ★★★★☆

  ついにこの作品をプレイできる日がやってきた。通称「こんにゃく」。古典的名作として名高いこの作品。学生時代からずっとやってみたかったが、中々できず、10年越しに願いが叶った。Key作品ばかりやってきたので、不思議なことが何も起こらないことにそわそわしながら、個別ルートも、トゥルーエンドもきれいに終わることに感動した。

 ストーリーは、島の学園の寮暮らしの主人公たちが、1年後に寮が廃止されるところからスタートする。寮の廃止を決めた学園側は、作中ほぼ敵役で、あの手この手で寮の廃止を早めようとする。主人公たちは、何とかがんばって1年後の「約束の日」まで寮を守り、最後に思い切り別れを悲しもうと決心する。「約束の日」は、短い話だったが、ヒロインたちの仲間に対する想いが伝わってきて、本当にきれいな終わり方だった。

 奇跡が起きて寮が存続することもなく、本当に予定通りに1年後に廃寮になり、主人公たちが離ればなれになることも、現実的で良かったと思う。作品を通してだれることなく、初めから終わりまで、「きれいで爽やかな作品」と評価したい。 


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