あこ
~一生分の恋をしました~ W不倫の結末 ※Amebaブログに投稿していたものです
そういえば、とか 実はね、な話
漱石さんとのデート記録♡
35歳の夏。 私は蓮に一目惚れをした。 すでに3人の子供がいたにも関わらず、私はそのすべてを捨てても構わないとさえ思った。 それほどまでに夢中になった蓮は、もうそばにはいない。 『蓮がいなくなったら、生きていけない。』 あの頃は、本気でそう思っていたのに、、 なのに、今日も私はとっても元気に生きている。 女って怖い。 蓮のこと。 ほんっっとに好きだった。 笑った時にくしゃっとなる顔が好きだった。 私を見つめる、あの目が好きだった。 『あこさんっ』って
さらに、1ヶ月ほどたった。 その日は、蓮は半休。 朝からふたりでホテルにいた。 部屋に入ったばかりで、まだコトは始まってなく、ベッドの上でまったりくっついていた時、珍しく私の電話が鳴った。 夫だ…。 今は無視できない。 仕方なく、人差し指を口の前に立てて蓮の顔を見ながら電話に出た。 内容は忘れたが、その時の私の受け答えで、蓮に、離婚しようとしてることがバレた。 「あこさん、どういうことなん? なんで? まさか、オレのせい?」 「オレのせいじゃないよ。 オレは
先週の金曜日、勤務先で大事件勃発して、たいそう不安な気持ちからの週末。 土曜日、夫さんはゴルフ。 勤務先の事件のこと、漱石さんにも聞いてもらったけど…不安は消えない。 日曜日は、夫さんとおでかけ。 資格をとって転職しようと思ってることを相談してみた。転職はともかく、資格の勉強することには大賛成と言われたけど…ホントに勉強できるのか実は不安。 月曜日、朝イチで管理者から呼び出し。 まぁ、最終的には私が望んでたポジションになれるので嬉しさ半分、上からの期待に応えられるのか不
そんなこんなで、夫が出ていってからの1ヶ月。 すっかり蓮と遊び呆けていた私。 慣れというのは恐ろしい。 良心の呵責にさえ、慣れてくるようだ。 私は何食わぬ顔で、夫が出ていったことに安心して、どんどん罪を重ねていった。 『離婚してほしい』と夫に言えたことで満足してしまっていた。 『離婚したい』と、単に気持ちを伝えただけで、全く行動が伴っていなかった。 というより、実のところどうしたらいいのか分からなかった。 そもそも私は何の為に離婚しようとしてるのか。 もし
「やっぱ覚えてたかぁ。だよなぁ。 ごめん、今日は出なあかんわ。」 そう言って、すぐに道路の脇に車を停めて、蓮は車から降りた。 道路脇で電話片手に険しい表情の蓮をぼんやり見ていた。 「ごめん、やっぱ、今日は帰らなあかんわ。嫁、情緒不安定やねんて。」 運転席のドアを開けながらそう言った蓮は、すぐにシートベルトをしめてサイドブレーキを外した。 なんだそれ。 さすがの私もついに堪忍袋の緒が切れた。 「なんなん?一体。何がしたいん?」 いきなり私の口調が豹変したことに
ある日のこと。 「あこさん、今日車出せる?ちょっと行きたいとこあるねん…」 頼まれた通り、私は車で蓮の職場まで迎えに行った。 その夜は、私の車に乗り込んできた時から蓮の様子はおかしかった。 「これかけていい?」と、スピッツのCDを渡された。 初期の頃の古いアルバム。 「ねぇ、どこ行くの?」 いままで、通ったことがない道を進んでる。 「この道…今まで避けててん。わざと、通らんようにしててん…。苦しくなるから…」 ん? 「でも、もう、今はあこさんが居てくれるか
離婚話のこと。 友人以上に、絶対に蓮には知られたくなかった。 だから、もちろん夫が出ていったことも一切口にしなかった。 当然何も知らない蓮は、変わりなく仕事帰りに私に会いに来た。 月、火、木、金 週4日。 彼が半休や休みの日で昼間逢ったとしても、夜も必ず帰宅前に私に会いに来た。 「奥さん、何も言わないの?」って聞くと、 私と付き合うまでも、まっすぐ家に帰ることはしなかったと言う。 本屋さんだったり、古着屋さんだったり、レンタル屋だったり、とにかくまっすぐ家には
子供達は、夫の親の家に泊めてもらうことになった。 なぜかリビングではなく、夫の部屋で話をした。 夫はぎこちない笑顔を私にむけた。 「一体、どないしたんや。何があったん?」 私は正座をして、大きく息をすった。 「離婚してください。」 それだけ言って頭をさげた。 しばらくしても、何も反応がない。 ん? 顔をあげたら… 夫は目をぱちくりしてた。 『青天の霹靂』というのはまさにこういう表情なのかもしれない。 心底驚いているのがわかった。 そらそうだよね。
昨日のデートもデフォルトデート。 いつもと同じホテルにいつもと同じ時間に待ち合わせ。 私が15分遅刻。遅れることは前もって連絡済なので途中でスイーツを買った。 今だけ限定の洋梨まるごとのスイーツ美味しすぎた。もちろん漱石さんと半分こ。 漱石さんも梨好きらしく、喜んで食べてくれてよかった♡ 少し間が空いたから、いつもよりキス多め。 先週、漱石さんは家族旅行行ってたから、その写真を見せてくれた。というか、むしろ見て!って感じで、いきなり弟さんとお母様と叔母さんとの写真
「誰のお陰でメシが食える思てんねん。」 「俺と同じだけ稼いでこれるんか?俺と同じだけ稼げるんやったら、話聞いたる。」 「俺が黒言うたら、黒やねん。たとえそれが白でも、オレが黒と言うたら、黒やから。それが夫婦や。」 「俺は男女は平等じゃないと思てる。だって、女が重いもん担げるか?男が子供産めるか?だから、女は家で家事育児をしてたらええねん。」 夫は今の時代でいうところの典型的なモラハラ男だった。 私が失敗したり喧嘩になると、といっても一方的に夫が怒り狂ってるだけだが、
次から次へと出てくるよそ様の不倫のお話。 いろんな意味で飽きなかった。 共感したり、なるほど…と勉強になったり 同じように苦しんでる人見つけたら嬉しくなったり。 人の価値観はそれぞれで、 そもそもその価値観というもの自体も曖昧。 色々思うことはあっても、とにかく他人のあれこれを読み漁ることで私自身、自分のことを深く考えることがなくなり、ちょうどいい緩和材になっていた。 みんなのブログを読むことで、少し心が軽くなった。 蓮との関係。 いたって、良好。 相変わらず
もう蓮と出逢って2度目の冬が訪れようとしていた。 私は蓮と歩く真冬の公園が大好きだった。 彼のポケットに手を入れ込んで、ぴったり寄り添い歩く道。 雪が降ればいいのに。 まっさらな雪の絨毯にふたりで刻む足跡の平行線。 すぐに消えていく、ふたりの足跡。 そう、何もかも、真っ白に消してくれればいいんだ。 まさに、BUMP OF CHICKENの『スノースマイル』の世界。 ずっとこのまま続けばいいのに… それは本当にそう願っていた。 でも同時に、 いつまで続けれ
今年最後の3連休は、夫さんとふたりで出かけた。 文化の日は、街さんぽをして現代アートを見てまわり、物足りなくなって中之島美術館まで足をのばした。 昨日は、梅田をぶらぶら。 随分変わったねぇと言いながら、KITTE大阪を見て、グランフロント大阪で昼飲み。 んー。どうしてもね、夫婦だと会話が子供のことか老いた親のことか、年金暮らしになってからどーするみたいな話しかしないから、おもしろくない。 返事間違うと、喧嘩になるしね。 ロマンチックのかけらもない。 別にそれが楽し
お花畑期到来 スーパーのお菓子売り場で息子がごねる。 「2つはあかん。1つだけって約束したよね。あれもこれもはダメ。1つに決めなさい。」 公園で砂遊びのおもちゃを取り合いしてる。 「人のものとったらあかん! ✳ちゃんだってとられたら嫌でしょう? とられた人の気持ちも考えなさい。」 「自分がされたら嫌なことは、人にしたらあかんよ。」 そう言って、自分でドキッとする。 そんな「人として当然のこと」 私、できてない。 目の前で駄々をこねる2歳児以下だ。 蓮の自宅デー
何も変わらない 帰宅してからシャワーを浴びた。 全裸の自分をまじまじと鏡で見た。 どこも変わってない。 そらそうか。 でも、やっぱりなんか違う気がして、すぐに鏡の前から離れた。 翌朝、夫が出張先から帰ってきた。 体中に緊張が走る。 「おかえりなさい」 硬い声で出迎えた。 「うん」 私をちらっと見ただけで、前を素通りしリビングに入っていった。 気づかないんだ…。 …当たり前か。 不思議なことに、少しがっかりした自分がいた。 夫はすぐにまた仕事に戻っ
この3ヵ月。 いわゆる、恋の始まり期。 若かろうが、大人だろうが、独身だろうが、W不倫だろうが、キラキラしてた。 楽しくて嬉しくて仕方なかった。 間違いなく、蓮はその日は「絶対」と決めていたのだろう。 そんなことを知るよしもない私は、うっとり助手席におさまっていた。 だから、真っ暗な大きな川の土手の下に車を停められても何を意味するのか全く分かっていなかった。 キョトンとしてる私に蓮は戸惑ったのか、川を見ようと言い出した。 しかし、今は12月。 土手にあがると