見出し画像

抗菌薬の適正使用を考える:AWaRe分類とその重要性

抗菌薬の適正使用は、私たちの健康を守るために非常に重要です。WHOが提唱するAWaRe分類は、抗菌薬を「アクセス(Access)」、「ウォッチ(Watch)」、「リザーブ(Reserve)」の3つに分類し、それぞれの使用基準を明確にしています。今回は、この分類について詳しく説明し、特に「アクセス」と「ウォッチ」の両方に含まれる薬剤についても触れます。


AWaRe分類とは?

Access/Watch/Reserveそれぞれに分類される抗菌薬
(参考文献より引用)

アクセス(Access)
アクセス抗菌薬は、一般的な感染症に対して第一選択または第二選択として使用される薬です。耐性化のリスクが低く、すべての国で手頃な価格で広く利用できることが求められています。例として、アモキシシリンやアンピシリンがあります。

ウォッチ(Watch)
ウォッチ抗菌薬は、耐性化のリスクが高いため、使用が制限されるべき薬です。特定の感染症や状況に限って使用されます。アジスロマイシンやシプロフロキサシンがこれに該当します。

リザーブ(Reserve)
リザーブ抗菌薬は、他の薬が効かない場合の最後の手段として使用される薬です。多剤耐性菌による重い感染症に用いられます。

アクセスとウォッチの両方に含まれる薬剤

一部の抗菌薬は、「アクセス」と「ウォッチ」の両方に分類されることがあります。これは、一般的な感染症にはアクセス薬として使用される一方で、特定の状況では耐性リスクが高いためウォッチ薬としての使用が推奨されることを意味します。このような薬剤は、使用に際して特に注意が必要です。AWaRe分類では、こうした薬剤は「ウォッチ」にカウントされることが多いです。

指導薬剤師と新人薬剤師の会話形式での説明

指導薬剤師: こんにちは、新人さん。今日は抗生剤の適正使用についてお話ししましょう。WHOのAWaRe分類について知っていますか?

新人薬剤師: こんにちは、先生。少しだけ聞いたことがありますが、詳しくは知りません。

指導薬剤師: では、簡単に説明しますね。AWaRe分類は抗菌薬を「アクセス」、「ウォッチ」、「リザーブ」の3つに分けています。まず、「アクセス」は一般的な感染症に使う薬で、みんなが手に入れやすく、耐性がつきにくい薬です。例えば、アモキシシリンがそうですね。

新人薬剤師: なるほど。じゃあ、「ウォッチ」はどういう薬ですか?

指導薬剤師: 「ウォッチ」は、耐性がつきやすい薬なので、使うときは注意が必要です。特定の病気にだけ使うようにして、あまり使いすぎないようにします。アジスロマイシンやシプロフロキサシンがこれに当たります。    

新人薬剤師: わかりました。それで、「リザーブ」は?

指導薬剤師: 「リザーブ」は、他の薬が効かないときにだけ使う、最後の手段の薬です。多剤耐性菌による重い感染症に使います。これらの薬は、できるだけ使わないようにして、耐性菌が増えないようにすることが大事です。

新人薬剤師: なるほど、使い方をしっかり考えないといけないんですね。

指導薬剤師: その通りです。抗菌薬の適正使用は、私たちの未来の健康を守るためにとても重要です。これからも意識していきましょうね。

新人薬剤師: はい、ありがとうございます!

このように、抗菌薬の適正使用は私たちの未来を守るために欠かせません。AWaRe分類を理解し、適切に利用することが重要です。抗菌薬の使用を監視し、耐性菌の拡散を防ぐための取り組みは、今後も続けていく必要があります。

参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?