
三月四日
他人の心配をしている暇はない、先陣には常に最も過酷な路が用意されている
「キングダム」には考えさせられる台詞が沢山あります。 当今の名台詞などより吟味すべき言葉は、決め台詞よりむしろ何気ないシーンにこそ誠の価値があるのです。

出典「キングダム」縛虎申
他人の心配をしている暇はない、先陣には常に最も過酷な路が用意されている
《荒筋》
秦国の下僕・信は漂と自身の夢を叶えるため、王子の玉座奪還に手を貸す。逃避行で一緒になった河了貂を加え、嬴政達は山の王の助力を借りて連合を組み、玉座奪還作戦を行う。
王都咸陽に入城し、信たちは遊撃部隊として回廊と王宮にて王弟側の兵達と戦闘、激戦を制す。かくして嬴政と山の王達は王宮反乱を収めた。
王宮反乱を鎮めた信は下僕の身分から財と家をもらい正式に秦人となる。
そして、彼は村に掲げられた歩兵募集に応じ、初陣の戦場に向かう。戦場では共に玉座奪還戦を戦って壁もいる。
初陣の戦場で信たちが戦うも、歩兵部隊は苦戦を強いられる。それでも苦闘している最中、麃公大将軍は信達の戦場に騎馬隊を援軍に出す。
壁の騎馬隊が歩兵達を援護する中、縛虎申千人将は活躍した信たちに更なる死地に投入することにした。
騎乗している信を抜擢した縛虎申は戦いについて教えていく。
《解説》
❤️それでもやはり誰もが犠牲は辛い 犠牲は勝利で手向ける
丘を奪取せんと縛虎申千人将の部隊が登り始めて敵兵と戦う。その丘から矢の雨が降り注ぎ、後方の味方に被害が出ます。
心配する信ですが、縛虎申は他人の心配をしている暇はないと忠告します。
戦に仕事に犠牲コストはつきものです。それでも一生懸命に励む人にとって気心を知れる同僚の傷病は不安になるし、利益が上がらないところか損益になるのは不安になります。
命の不安、技の不安の相違はありますが、それでもやはり致命的なダメージは誰もが一番辛い。
そんなときに縛虎申は信に一言で助言をしてくれました。
❤️間近の危機とその先の事を忘れないように
縛虎申千人将が味方の被害を心配する信に先陣は常に最も過酷な路が用意されていると気持ちを引き締めます。
犠牲を悲しむのは人の情であっても、それに浸る暇の時間は許されない場面は必ずある。
それは仕事、殊に勝負の時間です。勝負は決着しない限り終われないのです。
先陣の信はまだ戦闘中だから悲しむどころか心配する暇も隙も許されないのです。
全ては勝利のために
縛虎申だけじゃない、玉座奪還戦でも壁が言っています。
勝利のために、生き残るために戦い働いている。緊急レベルであればあるほど、技よりも体の問題になればなるほど、務める業務は心情を差し挟む撚りを与えてくれません。
過酷な路、それは間近の危機に際しての言葉だけでは無い。戦いの最中で置いてきた感情を省みる時間でもある。
信はそれを間もなく経験することになります。