※驚愕 コロナ禍を乗り越えてロシア人バレリーナを来日させて結婚した話2 交際中のやり取りとロシア語学習
そんなわけで交際というものを始めることになった私達だが、当然のことながら相手は中国、こちらは日本の和歌山、遠くて直接出会う手段などない。
コロナ以前には中国を訪問した経験もあったのだが、2021年時点において、日本と中国という世界で最も厳しくそして無意味な検疫を行っていた国を行き来することは不可能であった。
必然的にやり取りはスカイプや中国産のwechatとなる、このときほど私は自分のロシア語力に感謝したことはない。
会話時には覚えてる簡単なロシア語しか話さないし、何度も聞き返したり、難しい表現は他の簡単なロシア語に言い換えてもらうのだがそれでもお互いに感じている事、思っていることを伝えることが出来たのだ。
妻は当時中国での仕事がとても忙しかった、どれほどかと言えば、休みは月に3日、1日12時間労働は当たり前、体調不良で入院してても職場(バレエ教室)に引き出された程である。妻は他のロシア人やウクライナ人と比べても、格段に中国語が上手で美人で性格も穏やか、すごく使いやすい人材だったので中国のバレエ教室は妻を徹底的に酷使していたのである。
そんな日本のブラック企業も真っ青な環境であったが、妻は毎日欠かすことなく私と連絡を取り続けた。
今日の調子はどうだから始まり、お互いの生活や家族に関する話、ロシアや日本の和歌山の環境についてもだ。私にとって非常に都合が良かったことなのだが、妻はロシアでも田舎出身であり田舎への抵抗が薄く、和歌山について話してここに住めるかと聞いても大丈夫だと言ってくれた。それどころか中国の大都会での生活に疲れ果てて、都会にうんざりしているとまで言ってくれた。
……このような生活に関する話を除いても、やはり歳が同じであることは大きな意味があり、お互いに共通の話題を持って話を楽しく続けていくことが出来たのである。毎日毎日、私は妻と話すことが楽しくて少しずつ生活が満たされていくことを感じた。私の中にさらに明るい感情が芽生えていくことを感じていた。
そして妻と話せば話すほど、私は同時にロシア語を学ぶことの大切さを強く感じてもいた。私のロシア語への意欲は上がったり下がったりを繰り返していたのだが、妻と交際を始めた以上はロシア語は必然となる、交際中に結婚して一緒に暮らす事を考えれば、さらにその考えは強くなっていった。
それ故に私はロシア語の先生を探し始めた。
…….ソ連が健在だったらもう少し価値があったのに、等と感じてしまうほどマイナーな言語なので当然のことながら和歌山に先生などいない。
そこで私はハロー先生というサイトで、和歌山に近い大阪で先生を見つけ、その中で一番料金が安い女性に依頼した。
その先生はとてもいい人で、日本語はペラペラ、なんとロシアの大学で教員免許すら取得しており、こんな安くていいの?と申し訳なくなるほどに教えるのが上手だった。
彼女も初めはまた変な日本人が絡んできたと怪訝に思ったそうである。
……その人は既に結婚しているのだが、これまでもロシア語を教えてほしいと近づき、交際や他のロシア人女性を紹介してくれと持ちかけてくる日本人ばかりでうんざりしていたそうである。
それ故に私のように、中国にいるロシア人バレリーナと交際してる!結婚まで持ってきたいから、ロシア語を更に学びたい!とりあえずロシア政府公認のロシア語試験трки 1は合格したい!等と持ちかけてくる日本人は初めてでとても驚いたそうである。
結果的に彼女との出会いも私にとってかけがえのないものになった、ロシア語能力は着実に向上し続けて妻とのやり取りは、どんどんとスムーズになったのだ。
妻は私のロシア語能力の向上を感じて絶えず褒めてくれた。先生も私の前代未聞な学習理由に驚きつつも真剣さを感じてくれて、偶に馬鹿みたいなやり取りをしながらも、楽しくロシア語を教えてくれた。
そして、私は最大の戦果を上げることが出来たのである。
妻と交際を始めた直後に、私はロシア語の試験трки1を受けることを決めた、それを聞いた妻も妻の家族も喜んだ、そして先生に教えてもらった私はわずか2ヶ月の勉強でその試験に合格したのである。
それは6月末の事であった。
その最大の戦果を持って、私は妻と次の段階に進むことを決心したのである。
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