連続小説「アディクション」(ノート27)
ギャンブル依存症から立ち上がる
この物語は、私の誇張された実体験を基に妄想的に作られたフィクションですので、登場する人物、団体等は全て架空のものでございます。
〈「アサーション」〉
「何だよ?朝、小便くらいはするよ。」
と、淡河さんならそう言うかもしれませんが、そういうことではありません。
以前もお話しました、アンガーマネジメントの1つの手法としてこういうのがあって、「アサーション」とは、相手を尊重し、率直に自己表現するコミュニケーションスキルということのようです。
つまり、速攻感情的になるのはやはりよろしくない。一次感情から二次感情に移行する前に、相手を尊重、理解したうえで自らを率直に発信することだと、私は捉えています。
これは、特段相手がいない場合であっても自分にもし何か嫌なことがあったときに、ヤケを起こすようなことはしないで、まず現状を受け入れ、どうやって回避すれば、あるいは克服すれば良いかを向き合い、そしてここは我流なんですけど私は「どうやって自己満足できるか」を模索することとしています。
で、この「自己満足」とは、ギャンブルやるとか風俗に行くとかに通じるのかも知れませんが、そういった「問題行動」って、結果「自己満足」にはならないよねということになり、むしろ「自己満足」を優先的に考えると、問題行動とか人間関係を悪くする行動を取らずに、模索していくことになります。
こちらは、「コーピング」という対処行動で切り抜けて行きます。深呼吸をするとか、歯を磨くとかの日常的なものから、読書、映画観賞、カラオケみたいな趣味的なもの、あとはスポーツなど、「コーピング」のレパートリーは多ければ多いほど良いと言えます。
少し横道に逸れた感じになりましたので、対人関係の「アサーション」の話に戻ります。
実は、私はこれがなかなかできなくて、まぁそういうわけで、以前も「アンガーマネジメントは苦手」と言ったことに繋がるわけなんですが、まず、「相手を尊重」ということがそもそもできないのが問題なんでしょうね。相手を尊重できないから、当然自分なんかなお尊重されないということも分かり切っているんですけれども、特にアディクショングループの淡河さんだの魚さんだのを見ていると、どこをどう尊重できるのかなんて、鳥取砂丘の中に落ちた仁丹を探すより困難なことだと思っています。
あと、相手を敬うあまり相手の意見に押し切られてしまうという本能も働いてしまいます。ていうか、そもそも私は「人を尊敬する」という感覚が希薄なのかもしれません。後に乃木坂46の生駒里奈さんを尊敬するようにはなるのですが。
で、相手を尊重するだの思いやるだのを、もう一段捉え方を見直してみて、自分のできることは、相手の「目的を知る」ということなら何とか出来そうかなと思いました。私は人の気持ちなどは理解できない人間で、それが後ろめたいことだとも思っていましたが、そもそも自分自身の気持ちですら理解できないこともあるので、人の気持ちなんぞなおさらわからん、でいいじゃないかとなったら結構楽になりました。
さて、どうやって「目的を知る」のか?
それは至ってシンプルに「質問をする」のです。理解から尊重に繋げるために質問をするということです。
これが結構相手に煙たがられるんですけどねw
ただ、私のコミュニケーションの手法としてこれを行わない限り何も進みません。これで私を嫌う人がいても、さらに何故嫌うのかを聞いてますます嫌われるのですが、そうなると「不成立」ということで割り切ることもできます。
果たしてこれがアサーションとなっているかは第三者的にはどう見えるかわかりませんが、少なくともこれで私はある程度の「感情のコントロール」は保たれていると思っています。
〈「卒業」〉
坂道グループオタクの私にとっては、この「卒業」という言葉にかなり思い入れがあるのですが、ここの「正力クリニック」においては、病気を克服し、通院終了になる方に対して「卒業する」と言われてます。
今回卒業するのは、メンタルヘルスグループの峰さんで、5月末日において卒業。そして、6月の江戸川競艇場でいよいよ「江戸川平八」が復活し、一部ファンでこれを待ち望んでる方がいます。
まぁ、よくよく思えば、ギャンブル依存症の要因の元になっている人と、ノブさんのようにそれを取材する人と、そして柳田さんのように予想する人がいる中でよくぞスリップせずにいられるなと、我ながら感心しておりますw
ただ、スタッフと険悪な空気間な中、峰さんは私のことを色々とフォローしてくれて、このグループに留まっていられるのも峰さんのお蔭と言って過言ではないでしょう。
たぶん峰さんの卒業後には、あの島貫は私の居心地の悪くような仕掛けをさらにしてくることは、容易に想像できますが、そこは「アサーション」で訓練だと思って対応してみます。尤も私の「アサーション」は相手の方がより不機嫌になる危険性を孕んでいますがw
一方で、アディクショングループの皆さんは、常に「卒業」したがって仕方ない人が居て、淡河さんと魚さんなんですが、何があっても「卒業」させてはならないような人たちに限って「卒業」したがるのがこのクリニックの特色です。
大北さんなんかは、「私が卒業なんてまだまだ早い」と常日頃仰っておられますが、淡河さんは「あいつがここに居座るから俺も居心地悪いんで卒業したいんだよ」などとボヤいております。
私の考えとしては、「依存症に卒業はない」というのが基本です。
「私はもう大丈夫」と思わないことが、ギャンブルを止め続けていることの最大要因だとも思っています。ただ、このクリニックはある程度の回復があれば、「卒業」して社会復帰していい、もし、万が一スリップしたらこのクリニックに戻って治療をやり直せば良いと考えています。
今回はここまでとします。
GOOD LUCK 陽はまた昇る
くずぼしいってつ
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