セブン&アイスーパー事業部再建策B´~パラレルワールドを移行する
2025年1月12日、ゴールデンタイムにTBS系「坂上&指原のつぶれない店」でマミーマート(埼玉県さいたま市)が運営する「生鮮市場TOP!」と「本社主導主義」「標準化」で効率化を図る「ベルク(埼玉県鶴ヶ島市)」が取り上げられていました。
セブン&アイのスーパー事業部のヨーカ堂が2024年2月期の業績で、純損失259億円を計上しているのとは対照的に、マミーマートは2024年9月期には過去最高の増収増益を達成しています。2019年からマミーマートを業態転換した「生鮮市場TOP!」はマミーマートの2倍の業績を叩き出していると言います。
「生鮮市場TOP!」と「ベルク」は真逆の経営スタイルです。「ベルク」は本部主導で部門別経営を標榜し、徹底的な効率化を推進します。一方の「生鮮市場TOP!」は生鮮4部門の売上構成比は55%以上、グロサリー部門は、生鮮品の収益を原資にEDLP を実現するとともに、日替わりでグロサリーの仕入原価100円マイナス、50円マイナスを打ち出します。部門の垣根を取り払い、通常だったらフロア部門は一般食品、菓子、和日配、洋日配、酒類とそれぞれ独立して作業するところを、冷凍食品とアイスクリームを積載したチルド便が到着するとフロア部門総出で品出しにかかります。1人ですれば半日かかる作業を5~6人が数分で終えてしまうのです。
「生鮮市場TOP!」がモデルにしたのが「ロピア」ともっぱらの噂です。ロピアは2020年の関西進出を皮切りに、2022年東海進出、2023年福岡、仙台、2024年ヨーカ堂撤退跡の青森、北海道に相次ぎ出店、11月には浜松にも出店を遂げました。10年間で業績は7倍、スーパーでは一人勝ちです。
「ベルク」は今のところ業績は好調のようですが、ヨーカ堂のように本部主導で効率化を重視した「チェーンストア」は落日を迎えています。業界上位の企業も「明日は我が身」と震えているのです。
私は週に1回ほど、ヨーカ堂の店舗を覗きますが、売場に従業員がいないのです。いても黙々と品出しをして、話しかけようとすると「忙しいから話しかけないで」というオーラを発しています。仕事が楽しそうどころか辛そうです。しかも、60歳以上の高齢スタッフが多く、バックヤードからスッと出ては在庫をチェックしてスッと消えてきます。「いらっしゃいませ!」の一言もありません。
そして致命的なのは商品に「念」が入っていないのです。「念」という漢字を分解すると、「今」と「心」に分かれます。「今」、自分の目の前に存在するひとつひとつ、一人ひとりを大事にするのが「今」の「心」、すなわち「念をいれる」ということです。
喰うために、生活するための給料を稼ぐために例えば白菜を品出しするのと、「この白菜と購入してくれる人は今夜はきっと鍋にするだろうな。鍋をはさんで家族の会話が弾んでくれるといいな」と「念」じながら商品を並べるとでは売場の波動が異なるのです。
特に惣菜は、「美味しくなれ」「笑顔になれ」と念じて作った惣菜はえも言われぬ美味しさがあります。煮物などは、ニンジン、ゴボウ、蓮根、竹の子、椎茸など野菜をそれぞれ味つけしたもの格別なご馳走です。カット野菜をホテルパンに入れて調味液を掛け、スチコンで調理した煮物とは全く別の食べ物なのです。
番組では、「ベルク」の惣菜は、キット化したものをバックヤードで組み立てるから、効率化でき安値で販売できると自慢げでしたが、ハンバーグをスチコンで焼いて、同じくスチコンで冷凍のパスタを温めたナポリタンと合わせた惣菜には「念」が入っていません。
「念」を入れるとパラレルワールドに移行するのです。著述家の小林正観さんによると、26年間アトピーで悩んでいた女性が、半年前からお茶を飲む前に、「私の細胞を正常にしてくださって、ありがとうございます」と声を出すようにしたそうです。すると2週間で湿疹が消え、1ヵ月で治ったそうです。ありとあらゆる治療をして、それでも治らなかったアトピーが、飲みものを飲むときに「お礼(感謝)」の気持ちを込めるようにした結果、治ったというのです。
「念」はパラレルワールドに移行するパスポートなのです。「念」はエネルギーです。「念」は、「人の体に入るもの」(食べもの、飲みもの)に対して強く、顕著に効果を示すらしいのです。「念」を入れると、「人・物・事」がすべて変わります。
私は秋保温泉「さいち」のおはぎが人気なのも、兵庫県多可町のマースター工房八千代の太巻きが人気なのも「念」を入れているからだと思います。「念」を入れた商品を口にすると心が整ったり、元気がみなぎって来るのです。
作家で講演家の村松大輔さんの著書「現象が一変する『量子力学的』パラレルワールドの法則」は、自分が発振する「周波数帯」が変われば、自分の周りに現れる「人・物・事」が変わる仕組みを解説しています。村松大輔さんは、素粒子の特性や意識の持つ力に焦点を当て、「観測すること」が現実を変える鍵であると言っています。「周波数帯」が変わることで、私たちは異なるパラレルワールドにアクセスできるのです。
ヨーカ堂をはじめとする「チェーンストア」と「個店主義」のロピアでは「周波数帯」が違うのです。チェーンストアの店舗で働く従業員は、作業は標準化、マニュアル化、分業化されていますから、何も考えず手足を動かすだけです。だから楽しそうではありません。むしろ、辛そう、苦しそうです。一方、ロピアの従業員は仕入れる商品、売価設定と仕入れる数量、商品配置、陳列などすべて任されていますから、楽しそうです。若手のスタッフとベテランのスタッフが混在していますが、お互い声を出しながら笑顔で作業をしています。
村松大輔さんは、「私たちは波であり『周波数帯』を持っている」と教えてくれます。「周波数帯」とは、エネルギーや意識の状態を表すもので、テレビのチャンネルのように特定の周波数に合わせることで異なる現実にアクセスできます。例えば、ネガティブな感情を持つ人は低い「周波数帯」にとどまり、ポジティブな感情を持つ人は高い「周波数帯」へと移行します。この周波数の違いが、目の前に現れる出来事や人間関係に影響を与えるのです。
また、私たちの体からは「フォトン」と呼ばれる光子が放出されています。このフォトンは意識や感情の状態を反映し、周囲のフォトンと共振することで現実に影響を与えます。不機嫌な人のそばでイライラする感覚や、ポジティブな人と一緒にいると気分が良くなる現象は、このフォトンの共振によるものです。
波動の高い人が集まる場所がテーマパークです。波動は引き寄せ合います。そのため、波動が高い人の集まる場所に身を置くことで、自身の波動も高まります。テーマパークでは、すべてのゲストがVIP、あらゆるものがテーマショーです。レジ担当者は笑顔満開!キラキラ★ハッピーパフォーマー。お客の仕草から感情を読み取り、お客に話しかけます。
生鮮と惣菜はインストア100%。担当者は、「念」を入れた商品をお客に届けます。「こないだ薦めてくれたおさかな美味しかったわよ」と言われれば担当者は有頂天になります。楽しくなりますます波動は高まります。グロサリー担当者は、自ら見つけた商品を磨き、自分の言葉で商品の良さをお客に伝えます。売れると嬉しいし、楽しいのです。グロサリー担当者もますます波動が高まります。
「ロピア」「生鮮市場TOP!」と「ヨーカ堂」「ベルク」などのチェーンストアでは、全く「周波数帯」の異なるパラレルワールドにいるのです。
では、「周波数帯」の高いパラレルワールドに移行するにはどうしたらいいのでしょうか。それには、「どうしたら売上げの低下を食い止めれるか」「どうしたら赤字を減らせるか」を考えるのを一切やめる。そして「どうしたら喜んでもらえるか」それだけを考えるのです。
喜んでもらうには、自分も楽しまなければなりません。自分が楽しむにはどうしたらしいでしょうか。例えば天然本鮪を仕入れたら、おろして、ヒレ下、血合いぎし、皮ぎしなどの部位ごとの天然本鮪の味の違いを自分の言葉で伝える。伝われば売れる。売れると楽しい。たくさん売れるともっともっと楽しくなります。
今度はそのやり方を部下や同僚にも教えるのです。教えてもらった部下や同僚も楽しくなります。みんなが楽しそうにしていると、「ボクにも教えてほしい」「私にも教えてほしい」惜しみもなくどんどん教えてあげればいいのです。マニュアル化するのではなく、仕組みを共有化し、教え合うのです。
セブン&アイのスーパー事業部再建策Bに続くB´は、「チェーンストアの経営術」を捨て、「量子力学的経営術」で「周波数帯」の違うパラレルワールドに移行することなのです。