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商売繁盛の3ステップ、そして残り1%の秘訣

 スーパーマーケットで成功するには、3段階のステップがあります。まず1段階目は、「店はお客様のためにある」と心構えを変えること。具体的に私の師匠の須田泰三先生は、「喰うための商売なら止めてしまえ!」「売る身になって買うお客はいないのだから買う身になって売ることだ」「安く買ったら安く売れ!高く買っても安く売れ!何が何でも安く売れ!」と檄を飛ばしました。これだけで月商7,000万円達成します。これが成功の極意の33%です。

喰うための商売なら止めてしまえ!店はお客様のためにある

 2段階目は、「利は元にあり」の仕入れ政策です。戦術には正攻法と奇策があります。我々が正攻法で攻めるには限界があります。大型店が“率”の商売をするなら我々は“額”の商売をする。大型店が粗利益率30%とるなら、我々は粗利益率10%でもいいから大型店の3倍売る。さすれば、粗利益率30%と同じだけの粗利額を確保できます。

  また、和日配では、大型店が30%の粗利益率を取るなら、我々は仕入原価30円の商品も1,000円の商品も20円乗せで売る。安く仕入れた30円の商品に20円乗せたら粗利益率は40%ですが、1,000円の商品に20円乗せたら粗利益率は2%です。大型店が1,428円で売っている商品を1,020円で売るのですから安さが際立ちます。

 そして、大型店の真似をして、チラシに入れるからと言って値下げしないことです。「毎日が市場価格」で生鮮品は定番価格を設けないことです。和日配、洋日配、パン、一般食品、菓子、酒類は、EDLPを基本とし、チラシに入れる際は、アンカー商品(価格の安さのモノサシとなる商品:QPマヨネーズ、ハウスバーモントカレー、創味つゆなど)は原価割れ、その他はEDLP▲5円、EDLP▲15円とするのです。

 また、場所によって値入率を変えないことです。定番は30%、エンドは16%、店頭は12%と設定する定番が売れなくなります。定番でも原価もしくは原価割れ、エンド・店頭でも値ごろ感から30%で売れる商品なら30%で通すことです。これで成功の極意66%になります。月商は1億2,000万円になっているはずです。

 3段階目は「品揃えを定番化しない」ことです。大型店の真似をして、大型ペットボトルならキリン、サントリー、アサヒをすべて万遍なく扱うのではなく、今月はアサヒ、来月はキリンなど条件を出してくれるメーカーを売り込むのです。また、時化で魚がなければ、無理して生魚を仕入れなくたって良いのです。スルメが毎日なくたっていいのです。イワシが毎日なくたっていいのです。

 そして、プライスラインを小まめにいじらないことです。例えば、カツオを300円で仕入れて600円で売ると決めます。250円で仕入れられたらば倍仕入れます。その際売価は600円です。200円で仕入れられたら3倍仕入れます。その際も売価は600円です。丸、半身、サク、皮付きサク、タタキ、刺身などSKUを増やします。400円になっても売価は600円です。その際仕入れ量を減らします。500円になったら売価を800円に値上げして1フェイスで売ります。

 相場が安いときは、食べ方、保存方法、調理方法を教えて大量に購入してもらうのです。これで成功の極意99%になります。これで月商1億8,000万円になります。

 これまでで99%で1%足りません。では、残りの1%の成功の極意とは何でしょうか?

 それは目の前のお客を喜ばすことに全力投球することです。

 先日、行き付けのスーパーの鮮魚売場に大間産の天然本鮪が並んでいました。スーパーで大間産の本鮪を見るのは初めてです。

 私は「テンミ」が食べたかったので、担当者に「『テンミ』あります?」と尋ねたところ、バックヤードで作業しているのをやめて、売場に飛び出してくれ、「売れちゃってないですね。ちょっと待ってください今下ろしますから」といって、冷蔵庫からブロックを取り出し、「テンミ」をサクどりして、持ってきてくれました。「2サク用意しましたけれど、私はこっちのほうが味は濃いと思います」というので、進めるままに購入しました。身按配がよく、担当者の言う通り物凄く美味しい赤身でした。鮮魚売場で感動したのは初めてです。

 お客を「ちょっといい気分」にすることが感動につながり、「あなたから買いたい」「私に売ってほしい」となるのです。さすれば、1%が∞になるのです。月商は1億8,000万円から2億4,000万円、3億6,000万円、4億8,000万円・・・。と無限に伸びていくのです。

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