映画パーフェクト・デイズの「こもれび」について
先日観た映画「パーフェクト・デイズ」
ポスターに一言だけ書いてあるキャッチコピー
「こんなふうに生きていけたなら」
これが一つのテーマなのだろう。
それともう一つは「こもれび」
昼どきはいつも公園に座ってサンドイッチを頬張る。旧式の黒いOLYMPUSカメラを上に向けて樹々の隙間から差し込んでくる「木漏れ日」だけをひたすら写す。カメラに装填するのはいつも35㎜の白黒フィルム。
1本撮り終えると馴染みの写真屋のご主人に現像に出す。そのとき前回現像に出した写真をご主人から受け取り、ウキウキした気分で家に持って帰る。うまく撮れた写真とそうじゃなかった写真をジャッジしながらそれぞれのブリキ缶に仕分けして入れる。
映画の大終盤(エンディングの後)に、この「こもれび」についてのキャプションが静かに流れる。
そのキャプションになんと書いてあったか正確には覚えていないのだけれど、日々の変わらぬ暮らしの中にも少しの変化やときの移ろいがあって、ときに影の隙間から薄日が差すこともある。そういうことじゃなかったか。
その「木漏れ日」に決して一喜一憂することはないのだけれど、それが生きる糧になったり、ちょっとした楽しいことであったり、ふとしあわせを感じることがあったりと……。
ボク自身も今までそんな人生を送ってきた。
今までで一番愛した女性とよく行った、少し上品で静かに寛げる居酒屋さん。新小岩の「木もれ陽」に約10年ぶりに寄ってみようと今、思っている。