2月12日(夕方)
何しに私の部屋へ……。
―は。今から買い物ですか?
自室で、色々と作業やら何やらをしていると、ノックもなしに入ってきた母。
いい加減ノックをしろと言っているのだが、一向に守られない。
それは、常識だと思うがな?
「買い物行かない?」
「……はぁ、」
運悪くゲーム画面を開いていたわたしに、母はそう告げる。
今から買い物行くのか?
今日ハチャメチャに疲れているのだが……。仕事もあったし。昨日できなかったことをしたりしていたんだが。
「昨日行ったあれの、予約をさ―」
「はぁ、」
私関係ないなそれ。
―妹のやつだぞ。
と、言えるわけもないので。
というか、とうの本人いないのに行くんですか。
アイツ今日遊びに行ってるんじゃなかったか。
「―なんだけど、行く?」
「はぁ……」
「五時ぐらいになったら行くから」
「ん……」
もう行くことになったらしい。
決められた……。
正直風呂入りたい時間なんだが。
しかも関係ないことに行くの嫌すぎる。
それぐらい1人で行ってほしいものだ。
「……」
まぁ、毎度のことなので慣れはしたが。
頻繁にそれをしすぎて、最近は誰もついていかなくなった。
「……」
近年じゃぁ、買い物は出来るだけ少人数でと言われているのに。
毎度毎度……。
こう、なんというのか。
母は我が家でも筋金入りの寂しがりというか、構われたがりというか……。
何だろ。
「……」
家の人間は、まぁ、寂しがりではあるのだ。それを表に出さないだけで。
それでも、構いたがりではないのだ。
むしろ構われるのを嫌う。―そのくせ1人は嫌だとか言うから、面倒なんだ。
知ってる。自分のことだし。
「……」
それに比べあの母。
どこに行くにも、何をするにも。
父を誘うか、子供を巻き込むかしてくる。
誰かと一緒じゃないと何もできないなんてわけでもないのに。
むしろ、母が一番独立している。他の家族は、絶対1人でなんて生きていけない。私含め。
「……」
母に頼られることは悪くはないが。
限度というものがある。なんにでも。
それで、妹に若干キレられたこともあるはずなのだが。
そのときは妹も気が立っていたから仕方ないとは思う。
が。
ホントに、しつこいのだ。
あと、聞き方がうざい。
「……」
素直に、一緒に行こうでいいのに。
なぜかわざわざ、遠回しに言ってくる。
行かなくてもいいんだけど、行かない?みたいな。
あそこに買い物行くんだけど、なんか買うものある?あるなら行ってもいいけど。みたいな。
こう、なんか。
「……」
めんどくさい女みたいな。
「……」
母が面倒な女って、言いたくないし思いたくもないな。
やめやめ。
そろそろ時間だし、さっさと行く準備しよう。
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