REALBLADE(1st.)第6話「咲子ノート」

この話は「オリジナル作品」です。登場人物、事件等は架空の内容である。しかし、当然著作権はありますので何卒ご了承下さい。

第6話「咲子ノート」

《前回までのあらすじ》
ルナがまだ10代だった頃に、生まれ故郷のポルトガルを怪獣が襲った。その時に、彼女の命を助けた王子さまがいた。そしてその人は現在レイアルブラッド軍で騎士さまとしてブレードラインを守っていた事に気がつくのだったが、肝心の彼(名前はトゥーべ)はルナをまだ半人前の半端者としか見ていなかった。傷付いたルナにポルトガルを襲った怪獣が再びこの地に現れるのだった。ルナは戦闘中に怪獣の攻撃を喰らい一時的に戦線を離脱。トゥーべと環(環)隊員や騎士たちの活躍の末に悪魔を倒す事に成功する。その後、ルナはトゥーべに「まだ半端者だけど必ず騎士になる」と約束をするのでした。

〜ある日のブレイダーズ本部にて〜
ルナ:「……1つ、騎士は一日にして成らず。1つ、騎士は自由を愛する事。1つ、騎士は・・・」

ケビン:「ジーーー」

ルナ:「何人の顔ジーッと見てるの?」

ケビン:「1つ、騎士は常に困っている人の笑顔の為に努める事。そんでもう1つが・・・」

萩原/咲子:「己の持つ鎧や武器を磨く事…である。」

ルナ:「なるほど!皆教えてくれてありがとう!!」

一同:「頑張ってるねルナ」

ルナ:「何としてもあの人(トゥーべ)に追い付けるように一日でも早く騎士にならないとね」

萩原:「ところで専門はどうしますか?」

ルナ:「専門?」

ケビン:「やだなぁルナ。僕は情報系とか分析で、オサムは怪獣細胞の専門なんだ。ルナは何を専門にしたいの?」

咲子:「恋愛専門だよね」

ケビン:「やかましいサッちゃん!」

ケビン:「そうだ!この際、他の騎士にも聞いてみたらどう?どんな分野がいいと思うかってさ」

テテス:「ヌッ」

一同:「ひ、久しぶりだねテテス…」

テテス:「本当、久しぶりに出たよね。どうせ私は日陰者よ・・・」

ルナ:「…そ、そう言えばテテスは宇宙基地で育てられている植物の専門家なんだよね。どんな事しているの?」

テテス:「ああそれなら現在、火星でしか咲かない花や、病の特効薬に効果のある宇宙植物の開発を私をはじめとした研究員らが世界中で行われているよ。ルナ達は前回植物型怪獣と戦闘したけれども裏で植物の破片らはオサム君と一緒に行いましたよ。ね、オサム君」

萩原:「ええ。あの時はテテスさんの方が処理方法といい、植物の細胞など僕以上に知識や技術があった事で本当に勉強になりました。」

ルナ:「ふむふむ。他の騎士様はどうなんでしょうね?」

咲子:「そうですね、ちょっと紹介します。リーツさんは怪獣災害の時に発生する時のみに力を発揮する人…だけども全く出番がないし、イラストレーターの池澤ちゃんは自宅のアトリエでいつも画用紙と睨めっこしては絵を描いている…一応彼女は芸術の知識を持った大学の非常勤講師という面も持っているよ」

ルナ:「よく、それだけ調べてるわね…。関心ものよ」

萩原:「でもさ、サッちゃんは受付嬢ポジションだよね?自称騎士って仰いますがどこらが騎士なのか分かりません…」

咲子:「女には裏の顔が幾つもあるのよオサム」

ルナ:「さあさあ勉強の続き…」

咲子:「あ、今日はルナさんにもケビンさんにもオサム君にもそれぞれ仕事のご依頼が来ていますよ。どうぞ!」

ケビン:「(…ほほう。今年のカエルの数が異常に多く、中には毒のあるカエルもあるのでこれも怪獣災害によるものなのかを調べて欲しい…か。まあこれも専門の内だから)」

萩原:「(植物があまり育たず、植物の病気が流行ってるので調査、解決して欲しいとの依頼ですか…)」

ルナ:「(自宅近くにいるカラスの鳴き声がうるさいから今すぐ助けって欲しいって…私これでも軍人だよ…?)」

咲子:「あれ?もう一通依頼書が届いてる?!……えーっと、これって……私宛ての仕事依頼書じゃないのよ!!」

一同:「珍しい…!!サッちゃんに仕事依頼来るの珍しい!!」

咲子:「失敬な!仕事依頼は0じゃないんだから!今回ので8通目なのよ!(エッヘン)」

一同:「そんなんで一々自信満々に言うな!!」

咲子:「さてさてご開帳……っと」

ルナ:「どうしたサッちゃん…。難しい内容だったの?」

咲子:「緊急指令!緊急指令!只今より、咲子隊員は諸事情によりこの基地を離れます。・・・それでは!!」

ルナ:「・・・と言いながらサッちゃん出て行ったよ」

ケビン:「でも緊急指令だなんて、余程の事があったのだろうな。せいぜいお互い頑張ろうぜサッちゃん。」

萩原:「ルナさん、女の人ってそんなに裏の顔があるんですかね…」

ケビン:「そりゃそうだ。108つもの顔があるらしいぞ」

ルナ:「煩悩の数か。福田和子より顔の数多いわ!!」

萩原:「ふくだ…かず…こ?誰なんだろうそれ、カズノコの違いじゃないのかな」

テテス:「渾身のボケかましたのかねオサム君」

ルナ:「まあ、女の顔って言うよりも女には秘密や隠し事の1つや2つはあって当然って事。」

萩原:「そうだったんですね!少し異性について知れて良かったです」

ルナ:「でも、あんまり教えてなんて女の人に聞いたり言っちゃ避けられるから程々にね。」

ケビン:「108ではないのなら101か、いや110か…」

テテス:「なんか顔の数が地味に増えてるぞ…って誰も聞いてないか…」

ケビン:「女の数と嘘は表裏一体…うんぬんかんぬん…」

ルナ/萩原:「あいつ・・・まだ一人でなんかブツブツ言ってるわ。知らんぷり知らんぷり」

〜ブレードライン某所・研究所にて〜

《その人目に触れない不気味で薄暗い場所に所在していた研究所の中では日頃、これまでに倒された怪獣のデータ等を使い研究をしている国の特務機関があった。そこの研究生でもあった咲子はルナ達だけには話していなかったのだった・・・。》

咲子:「・・・・(黙々と論文を書き上げる)」

トビー研究生:「…ちょっとすみませんが咲子さん、おたく(ブレイダーズ)のメンバーらが討伐して来たと言う怪獣の報告結果だけども、研究局長からはあまり宜しくないとの反応が来ている。すまないが、データと揃えて君独自の考えを基にもう一度提出して下さい。」

咲子:「10割でなくても、これは一つの土台を作るための報告書です。ですから…」

トビー研究生:「ですから、その土台を作るために完璧な論文が必要なのです。世界中で怪獣一体一体を正確に照合する為にも咲子さんのデータが必要なのです。理解出来ましたか?」

咲子:「分かりましたけど、面倒なのでやりたくありません」

ダンロ:「あ、それなら私と一緒に研究の論文書き上げませんか?」

咲子:「ダン!ありがとう。でも、今回の怪獣と言ってもうち(ブレイダーズ)の管轄だったから貴方の部署(生物保安官職)でだと管轄外で書けないと思うのよ。」

ダンロ/研究生:「…なら論文書き上げないと!」

咲子:「…書きますよ。書けばいいんでしょ!…ふぅ」

夏井研究生:「咲子〜、咲子さんは何処〜」

咲子:「はい、私ならここに。何かご用ですか?」

夏井研究生:「局長がお呼びしてました。すぐに局長室までと。」

咲子:「分かりました。」

咲子:「(・・・論文書き直せと言ったり、局長室まで来いと言ったりと忙しいやっちゃな局長)」

研究局長:「・・・悪いな咲子さん。」

咲子:「本当ですよ局長!私の身は一つだけなのですから!」

研究局長:「それなのだが、ブレイダーズで忙しいのならいっそ、研究職を一時的に離れてみてはいかがか?」

咲子:「それも考えています。しかし、私が生きている間にやりたい事がありますから、マイペースに仕上げますからどうぞ私はそういう人間だと割り切って欲しいのです」

研究局長:「そうか。だが咲子さんがマイペース過ぎると、今度は私だけでなく君の論文を待ってくれている政府の都合が悪くなるので周りに合わせて欲しいな」

咲子:「合わせる…。私は周りに合わせると調子が悪くなるんです」

研究局長:「君は子供か!?研究班の先頭として立つ私の苦労も知らずに…。もういい、研究班名簿より君は本日限りで研究者としてのライセンスを剥奪されたものとする。無論、ブレイダーズにはこの事を報告させて貰う」

咲子:「そんなに私の書いた論文が大事なら、私を辞めさせない方が良いのでは…?」

研究局長:「・・・く、口答えをするな!」

咲子:「私は辞めませんからね!だって社会の一部に生きる者として、一時の感情に流されていては出来る事もやり遂げられなくなりますから。局長の方こそ、そろそろ若い者に席を譲ってはいかがでしょうか?」

研究局長:「……そうか。そうだな…そうするか」

咲子:「……へ?」

研究局長:「もう君のような研究者とも顔を合わさずに済むと思うと清々すると言う意味だ。では隠居生活と洒落込むとするかね…」

咲子:「・・・べーーーー👅だっ!!!こっちこそ清々する」

トビー研究生:「あれ、咲子さん局長はどうしたのですか?」

咲子:「怪獣研究者としての生活を辞めて、これからはご隠居生活をするのだそうですよ。」

トビー研究生:「そうなのですか。じゃあここもしばらくは安定…ではなく静かになりますね」

咲子:「トビーさん、それじゃフォローしてるのかしてないのかわからないわよ」

トビー研究生:「あはは。…ん!?」

咲子:「どうしたのトビーさん…?え…」

???:「グゥルルルル…ルゥウゥゥ…」

咲子:「(か、怪獣!!全館に連絡を入れなければ!)ー・・・こちら局長室。こちら局長室。現在、局長室内にてカプセル保管庫の中より脱走した異性体が1体確認された。大至急全館のバイオセーフティレベルを1から3へと移行せよ。繰り返す…」

トビー研究生:「咲子さん、危ないっ!!!!・・・うわぁぁっ!!」

咲子:「トビーさん!!」

〜一方その頃、ブレイダーズ本部にて〜
ルナ:「・・・ふぅ。終わった終わった〜」

萩原:「あ、お疲れ様です。」

ケビン:「おお2人とも帰っていたのか。」

ルナ:「お疲れ様です。今、丁度帰ってきたばっかりなの」

萩原:「なんだか咲子さんが居ないと寂しいですね」

ルナ:「彼女にも色々と秘密があるのよ。気にしない気にしな〜い。」

タツジ隊長:「各隊員に告ぐ。ポイントR11にて怪獣が出現したとの報告が来た。なお、そのポイントには咲子がいる。」

ケビン:「………咲子が居るのか。さっき言ってた彼女(咲子)の隠してる秘密とやらが何となく分かった気がする」

≫後編に続く