REALBLADE(1st.)第6話「咲子ノート」(つづき)
※この話は「オリジナル作品」です。登場人物、事件等は架空の内容である。しかし、当然著作権はありますので何卒ご了承下さい。
怪獣出現との報告を受け取り、私達はすぐさま咲子ちゃんが居るポイントR11地点へと急行したのだった。
研究所は内部よりロックが掛けられていた。万が一、怪獣のサンプルが街へ飛び出してはいけないからという理由であるが、騎士が相手なら話は別。
《特にこの時、生物学や怪獣生態学なんかを修了していると騎士としてロックを一箇所こじ開けて内部に突入できる武器やチカラを国より貰い受ける事が出来るという緊急事態での超法的処置もあるのだ。》
タツジ隊長:「ルナ。君はこの場合では突入ができない」
ルナ:「へ!?」
今にも突入しようとしていると、私(ルナ)だけ呼び止められたが理由は一つだった。
私はまだ騎士のライセンスを習得出来ていないからだ。
だから私は怪我人などを保護する役割に回ることにした。医療班での仕事は初めてだったけど、これも大役であり騎士の心得の一つでもある「弱い人を守る」事に通じているのだと自分に言い聞かせて、医療従事者と共に怪我をした人たちを癒やし始めた。
ケビンやオサム達が研究所内に突入して行ってから30分が経った頃、私は白衣を見に纏った奇妙なご老人に声をかけられたのだった。
ご老人:「あそこで何があったのですか!?」
ルナ:「研究所内にて保管されていた怪獣が暴れ出したのだそうです」
ご老人:「そうか。ところで君は、ブレイダーズの者か?」
ルナ:「はい。私はブレイダーズのエノメ・ルナです。」
ご老人:「頼みがある。私はここの研究所で局長をついさっきまでやっていた者なのだ。」
ルナ:「(・・・スキャン中)確かに、記録がありました。でも、どうして?」
ご老人:「ルナさんと仰いましたか。貴女の所に咲子と言う女性が居るでしょう?彼女は私の仲間だったのです」
ルナ:「たった今知りましたよ。このマザースコープの人物データアーカイブに表示されていましたが、咲子ちゃんずっと私達に何も言わずにここで研究生として働いていたのですね。あの子は何も私達の事は紹介してくれていなかったのですか?」
ご老人:「"ここ"では話さない決まりがあってね。極秘裏に国や政府から頼まれたものを研究するために、スパイは入れない様にして来たつもりだった…しかし、今となっては私はそんな事をする必要も無くなった。」
ルナ:「…でも、それでなぜ急に局長を辞められたのですか?」
ご老人:「面接官みたいに聞いてくるね君」
ルナ:「すみません」
ご老人:「実は、咲子さんと喧嘩をしてしまいまして…」
ルナ:「(….あ、素直に話してくれるんだこの人)なるほど。よくある事ですがそれはそれは大変でしたね」
ご老人:「さっきまではあんな奴がいる職場で働く事が面倒になっていたのだが、私にも60年ここに勤めてきたが今でもここが実家の様なそんな思い出深い場所で…そこから離れるのが今になって辛くなったのです。」
ルナ:「職場が実家…ずっと働き詰めだったのですね。お察しいたします」
ご老人:「それでだ、咲子さんと仲直りしようと戻ってみればこの騒ぎだ。」
ルナ:「必ず仲を戻らせます。生きていれば、そりゃ喧嘩もするでしょう…しかし、生きていれば仲直りだって出来るんです!私が、そこまで行きます。」
ご老人:「ルナさん!!」
ルナ:「……後悔は無い。騎士のライセンスが無い状態でも困っている人を見捨てるわけには……ん!?」
タツジ隊長:「隊長命令だ。エノメ・ルナ隊員に告ぐ、今より研究所内にて暴れている怪獣を倒し、咲子達と共に帰って来なさい。」
ルナ:「任務了解!これより行きます。ーー・・・リアルぅう・・・ブレェエエエドォオオオ!!!(国より支給されている軍人専用の武器を身にまとい、早速私は研究所内部へと向かうのだった)」
〜研究所内部にて〜
怪獣:「う"う"る"ぅ〜〜〜」
咲子:「だ、ダメェ…も、もう立ち上がれそうに…」
ケビン:「束になっても無理…か。万事休す…」
萩原:「こんな所で終わるわけには…」
怪獣:「お"わ"り"た"・・・・!?!!ぐ、ぐるぅぅぁぁあ!?!!」
一同:「!?」
ルナ:「遅れて済まない皆!!ブレイダーズのエノメ・ルナが助けに来たわよ!!」
萩原:「る、ルナさん!」
ケビン:「隊長が機転利かせてくれたようだな…」
ルナ:「サッちゃん!貴女の元上司でもある研究所局長から伝言を渡されたわよ。さっきはごめんなさい、と。」
咲子:「あ・・・あ・・。局長・・私も悪かったよ・・」
ケビン:「ルナが言うのなら、皆知ったって事だな」
ルナ:「…って事は?」
萩原:「そう言う事です。…ね、咲子さん!決まりだからずっと守って来たそうですが、咲子さんを知っている人、僕も軍人なんです。」
ケビン:「ルナ、咲子を僕達で守るんだ!」
ルナ:「分かったわ。騎士のライセンスなんか持っているとか無いとか関係ない・・・私は、私は・・・己が愛する仲間の1人を・・・その周りの人も幸せを壊そうとする者から守りたい・・ただ、それだけなんだぁぁーーっ!!こんごぉおおおう剣ッ!!ブレェエエエドーーシューーーットォオオオ!!」
怪獣:「ぐ、グゥルルルルワァァア!!!(一刀両断される)」
ケビン:「・・・フィニッシュ」
タツジ隊長:「……そうか。ターゲットは倒せました。各隊員、ご苦労だった」
ご老人:「・・・咲子・・・」
咲子:「局長・・・」
ご老人:「さ、咲子さん。私はもう一度ここへ戻りたい。君の様にマイペースな性格の人を前にどこかで見た事があった。それは…」
咲子:「もういいのですよ局長。私も、局長も似た様なマイペースな性格で、どこか抜けてて、それでもやっぱり何か一つの事になると周りが見えなくなる…そんな性格をしていた、こう言いたかったのですよね?」
ご老人:「こんな老耄にも、君の様な仲間が居てくれる…私は、君や君たちの様な研究生達と共にもう一度、拾ってくれた国の為に成果を出したい。お願いしま研究生の皆様、私の様な老人にももう一度研究職での人間として働く事をお許し下さい…」
研究生達:「局長…。勿論ですよ!」
ご老人:「へ…?」
咲子:「先ずは先頭に立つ人が、そんなのではいけないと思いますよ。それに…私の論文や結果を見てくれたりするのはやっぱりアナタしかおりませんよ局長」
ご老人:「…咲子さん、皆…。」
〜そして、翌日〜
咲子:「おはようございまーす!!」
ルナ:「お、元気娘がやって来たわ!おはようサッちゃん」
ケビン:「昨日の件は国からお咎めとかあったの?」
咲子:「お咎めなんて特に研究生や局長にも無かったですね。まあ、強いて言えばブレイダーズとは共同研究が義務付けされたってだけです」
ルナ:「今までブレイダーズでも入れない所で咲子ちゃん働いていたんだ・・・凄まじいパワーと頭脳。まるで女スパイの様な身のこなし・・・」
咲子:「そんな事ないですよ!女には他人には明かしていない秘密がたっくさんあるんですから!…ねっ!」
≫第7話に続く
【次回予告】
咲子:「どう?ルナ達に負けない位、私にも私だけの世界があるのよ!」
萩原:「咲子さんの知らない一面を知れて嬉しい!」
ルナ:「意外と言えば意外だったけども、無茶しすぎだよサッちゃん」
咲子:「私にも騎士としての誇りがあるのよ。そこは黙って見逃してねルナ」
ケビン:「オサム、サッちゃんをちゃんと守ってやるんだよ。僕はルナの子守りがあるから」
萩原:「はい!」
ルナ:「誰が幼稚なレディーよ!」
咲子:「矛盾して無い?確かレディーって言葉って大人の女性を表していたような・・・」
萩原:「ウーマン、レディー、ガール、ロリータですね」
ルナ:「解説要らんわ!!」
ケビン:「さて、次回REALBLADE第7話:「黙示録〜ブレイド〜」
ルナ:「さあ、次回もリアルを掴め、ブレードの名の下に!!!」