REALBLADE(1st.)第7話「黙示録〜ブレイド〜」(つづき)
※この話は「オリジナル作品」です。登場人物、事件等は架空の内容である。しかし、当然著作権はありますので何卒ご了承下さい。
一方、オサムは学校に到着するのだった・・・しかし、事件が起こった。
萩原:「・・・うぅ、僕は一体・・・ここはどこだ?」
???:「やっとお目覚めですか萩原君。」
萩原:「だ、誰だ!?いや、待てよ…なんだかあなたの顔に見覚えがあるような(・・・そう言えば、僕は学校に着いてから突然後ろから頭を誰かに殴られて気を失って・・・だからここで寝ていたのか。まさか、この人が!?)」
???:「萩原君…怪獣の細胞の知識を我々にも提供して欲しい。例によって我々に逆らえばどうなるかは頭の良い君なら分かるな…?」
萩原:「(・・・なんて事だ。僕が寝ている間に機器が粉々に壊されている・・・ここは逆らえば碌でも無い結末になるな。)分かった。提供する」
???:「ありがとう。だが、今回の事で恨むのならば国や政府を恨むが良い」
萩原:「何故政府が出て来るのですか…!?」
???:「何だ、まだ真理には到達していなかったのか君は。まあ、言ってみればこれは君の様な科学者や有識者の運命(さが)の様なものさ。いずれは君も知る事となる」
萩原:「知識を提供する代わりに、あなたとも情報交換…と言うのはどうかな。それとも、騎士には教えたくは無いですか?」
???:「………知識とは、己の頭脳と体力で磨く物だ」
萩原:「なんだその言葉は…」
???:「私の信じる道の土台となっている、所謂私の座右の銘である」
萩原:「(・・・まずはどこから攻めるか?考えろ、考えるんだ・・・やはり無益な殺生は騎士道に反するし)」
???:「萩原君、無知無能な役人や政府人共に舵取らせるのは世情的にも危うい。今や大衆一人一人が国の代表格として君臨する時代だ。それなのに君達の様な学問を極めたともあろう者が何故無能な奴らに従い尽くすのか?」
萩原:「尽くす…?それは違います。」
???:「…!!(鎖を断ち切ったか)なんだ萩原君、ここまで来て我々に抵抗する気になったのかね?」
萩原:「抵抗するのは元からでしたよ。騎士にこんな事して無事でいられるとは思わない事ですね。」
???:「殺しはしない!だが、暫くは痛い目に遭って貰うぞ!!」
萩原:「遅い遅い!!今だ!(態々こんな学校に呼ぶと言う事は子供達をダシにして、我々の緊張の糸をほぐそうとしているのだろう。しかし無駄だ。何故なら私もこの国から選ばれた騎士なのだからな!!覚悟しろ、金剛k……)」
???:「剣を出そうとするか!!…しかしそんな鈍刀(なまくらがたな)など、へし折ってくれるわ。牛刀!!!」
(オサムの金剛剣は粉々に砕かれてしまった)
萩原:「・・・・こ、金剛剣が…。僕の金剛剣が…!!」
???:「知識は持っていても、半端者だから武力はあまり高くは無いか。・・・これが最後の警告にしよう。逆らわずに我々に怪獣の細胞学の知識を提供しろ。技術も」
萩原:「(・・恐らくこの人は、昔不法な研究をしようとして国から研究者としての権力を奪われた人達なのだろう・・。そうなったら国へ恨みを持つのも無理ないが・・・だがそんな人達にも我々は屈したりはしない。)金剛剣が無くなろうとも、私は武器を持った研究者。怪獣の細胞を有効利用させる時だ!」
???:「…待っていた!残念だったな。その有効利用とやらは不発に終わる!!」
萩原:「怪獣細胞コードNo.02:「怪奇花怪獣バオンカーク」植物のツタで攻撃だ!!僕の声に応えてくれ!!」
???:「………ぐ、ぐわぁぁあ!!」
萩原:「バオンカークは俗に言う人喰い花の怪獣でした。そしてこの細胞から作られた僕だけの武器…。命を奪う様な事はしない、だが!聞かせて貰いましょうかね。あなたの先程仰った"この世界の真理"とやらを」
???:「・・・いやだぁぁぁあぁあ!!!!離せっ!!離してくれぇええ!!おい、萩原!今すぐ離してくれっ!!私は、私が!私が悪かった!!」
萩原:「…分かった。騎士道に則りあなたを一時的に拘束を解きます。」
???:「………本当に助けて…くれたのですか…」
萩原:「一時的とは言え、手荒な真似をしてしまいすみませんでした。では、約束をそちらも守っていただけますね?」
???:「そうか…これもチャンスか。…」
萩原:「待て!何がチャンスなのだ?」
???:「…油断したな青二才の若騎士!!🗡️」
萩原:「(グサッ)………あぁ………」
???:「騎士道とは、弱い者の味方になる事…だったな萩原君。だが君の持つ騎士道精神は所詮この世では何の価値も値打ちもない物なのだ。」
萩原:「…ち、違う…!!僕の信じる騎士道は…勉強を、皆が知らなかった事を…僕が教えてあげたい…!!先生に…僕が憧れた学校の先生になりたいんだぁぁあ!!それが僕の、僕の騎士をやる一つの理由なんだ!!こんごぉおおおけぇえええんんっ!!」
???:「な、何だこの…膨大なパワーは…!?!」
萩原:「騎士道の先にある、あなたの様な誰かを恨んだりする気持ちも、僕達が断ち切らなければならないんだぁぁあ!!うぁぁああああああ!!!!消えろ!!あなたの様な人が居るから、僕が振りたくもない剣を振らなきゃならないんだぁぁぁー!!!」
ルナ:「オサムーーーーーーーっ!!!やめなさぁぁあーい!!」
???:「な、なんだ!?女だと!?」
ルナ:「ブレイダーズの者です!オサム、何を取り乱しているの!学校が壊れてしまうでしょ!?」
萩原:「邪魔するなぁぁ!!こんな奴が、こんな奴がいるから僕がぁ!!」
ルナ:「今はあなたが一番騎士道に反しているのではないかしら?」
萩原:「で、でも・・・僕は・・・目の前のこいつを・・」
ルナ:「落ち着かせなければ!キャプチャーキューブ💎この中でなら思う存分殴る蹴る泣き叫ぶ、何でもござれよ。暫くオサムはそこで落ち着かせれるとして……問題はオサムを騙して学校に誘き寄せたあなたよ!」
???:「ま、ま、待って!待ってくれ!」
ルナ:「ケビン!」
ケビン:「あいよ相棒!ほれ、金剛剣だ!」
ルナ:「ありがとう!悪党は一刀両断に限る!行くわよ、ルナの必殺、金剛剣いっとぉおおお!りょおおおーーだぁぁあーーん!!・・・フィニッシュ!!」
???:「ぁぁあーーーっ!!!!お助けぇええ・・・」
ケビン:「騎士はお前の様な悪は断ち切る。騎士に敗北は無い。」
ルナ:「なーに自分の手柄の様に誇ってるのよ!……そんな事よりも、この子をどうにかしないとね…」
・・・あんなに感情を爆発させていた萩原はキャプチャーキューブ空間内にて力を使い果たして、いつの間にか眠りについていた。それから数時間後、萩原は軍本部の医務室内のベッドで目を覚ますのであった。
萩原:「ああ、・・・ぼ、僕は」
タツジ隊長:「気が付いたかオサム」
咲子:「ああ〜良かった!心配したよ」
ルナ:「オサム、もう大丈夫かな?」
萩原:「まだ、分かりません。」
萩原:「隊長。アイツは?」
タツジ隊長:「ルナ達により、断ち切られたよ。物理的にね」
萩原:「そうでしたか。ありがとうございましたお二方。」
ルナ:「オサム…よく頑張りましたね」
萩原:「ルナ…さん。僕は…騎士失格です」
ルナ:「オサム、騎士ってどんな感じなの?」
萩原:「騎士は…騎士は…」
タツジ隊長:「騎士は一日にしてならず。されど万人の為に常日頃よりその心得を身にまとい、常に国家と国民の心を聖なる力で癒やせ。…ルナ、それにオサム。騎士とはこう言った場合であっても簡単に騎士道を捨ててはならないのだ。」
タツジ隊長:「今回の感情をコントロール出来ない場合、どうしても相手枠許せない場合、それでも騎士としての心を持っている間はどんな奴を目の前にしても弱い人を目の前にしていたら絶対に後ろに退いてはいけない。例えそれが憎しみを持った存在であろうとも」
ルナ:「隊長・・・」
萩原:「隊長、アイツは私にこんな事を言っていました。いずれは分かるが、この国や政府の人達が僕たち騎士を裏で利用している…と」
タツジ隊長:「そうだよ。嘘は付かない。皆にも話しておく、ブレードラインは怪獣の細胞学を学んだオサムや、ケビンの情報収集する高度な技術などを国の未来の為に使うのではなく、世界が円滑に進められる様に一つの国家の樹として存在している。」
タツジ隊長:「ブレードラインに怪獣が現れたり、侵略国家に襲われた時でも、騎士がこの国を守るシステムは税金で動いているのではなく、一種の"因果関係"といえよう。我々、武器を生み出す者がいるからこそそれに抗う存在もまた出て来る。…そう、怪獣も人から棲家を奪われたのかもしれないからね。」
タツジ隊長:「……騎士として、学問を捨てず武器を捨てるのならそうしてくれ。だが、勉強だけでではこの国は守れない。愛とか勇気とかそんな見え透いた物だけででは牙から弱い人を守り切れる保証もない。」
ルナ:「・・・そうだったのですね」
ケビン:「ブレードラインの政府もそんな事を思いながら僕たちにオファーをかけてきていたのですね」
萩原:「・・・」
咲子:「オサム?」
萩原:「理想を抱きすぎていたのかもしれません。…」
タツジ隊長:「辛ければ降りてもらって差し支えない。何も武器を手に取らなくてもオサムには学問知識がある」
萩原:「僕は・・・先生になりたい夢がありました。でも、叶えられなかった。怖かったんです。自分の知識が他人から疑われたりして。本当に僕の持っている知識で人の役に立てれるかって…。だから、ブレイダーズを選んだ。」
萩原:「ルナさん…。僕の様な騎士にはならないでください」
ルナ:「私も人間だから、完璧な騎士にはなれない」
萩原:「そうですか…。そうですね。確かに、完璧な騎士には誰もなれそうになさそうです。」
ケビン:「僕は?」
萩原:「ケビンさんならルナさんの良いパートナーになれていますから」
萩原:「僕も、まだまだ未熟者。でも、騎士は一日にしてならず・・・・でしたよね隊長。」
タツジ隊長:「ああ。……それは続けると言う意味か?」
萩原:「はい」
ケビン:「おーい」
ルナ:「ケビン良かったね!オサムはオサムのままだ!」
咲子:「オサム君!良かった。」
タツジ隊長:「これにて一件落着だな。各自、今日もお疲れ様でした。」
ルナ:「(今日、オサムの知らない一面を見れた。それは良い意味でも悪い意味でも無い。オサムは優しいのだけれども、その優しさは時に人を傷付ける刃にもなりうるものなのだと思い知らされた。とにかく、今日は本当に進展の多い日でした)」
≫第7話に続く
【次回予告】
萩原:「今日は取り乱してしまってどうもすみませんでした」
ルナ:「本当よ!バツとして、私と"一緒"になりなさい!」
ケビン:「こらこら。誤解するでしょその発言だと」
萩原:「ルナさんがそう言うなら…」
咲子:「ちょっとオサム君!!マジに受けとっちゃ駄目ー!!」
ケビン:「なにマジになってるのよサッちゃん・・・」
咲子:「い、いや・・・つい」
ルナ:「そんなお二人に吉報だそうよ!ケビン、いつものやつ頼むわ」
ケビン:「あいよ相棒!さて、次回REALBLADE第8話:「逃げる式場、追いかけて」でございます」
ルナ:「さあ、次回もリアルを掴め、ブレードの名の下に!!!」