REALBLADE(1st.)第3話「オサムとオサム」

※この話は「オリジナル作品」です。登場人物、事件等は架空の内容である。しかし、当然著作権はありますので何卒ご了承下さい。

《前回までのあらすじ》

ブレードライン北部のブロチェックと言う街で旧式のOSの為に間違った政治を行なっていた町長コンピュータを逮捕して、新しいOSにアップデートする。そして、今後は罪を償う為に私達ブレイダーズのサポートメカとして働く事により罰を軽くさせる条件で新しく彼も仲間に加わり、ブロチェックも今後は噂のある街へとなっていく様に人とコンピュータが手を合わせる形で決着がついたのでした。


〜ブレイダーズ本部にて〜

咲子:「ねえねえ、さっきから何をしてるのオサム」


萩原:「これはね怪獣の細胞データから復元、立体フィギュア化させてるんだよ。子供に人気の怪獣ソフビなんかもこういうやり方で作られてお店に並べられている」


ケビン:「おおメタ発言」


ルナ:「いやいや、違うでしょ。そんな事言ったら"現実"の世界に怪獣は出てないってば!あれはテレビで…」


萩原:「もう〜。夢が無いですなルナさんは」


ルナ:「悪かったわね現実しか見えない女で」


風間:「こんにちは、ブレイダーズの諸君」


ルナ:「うん?あ、風間さん!どうしたの今日は」


風間:「一度挨拶したいと思ってね。…初めまして。君が私と同じオサムと言う名前をしている子だね?私はハンター・ナイトに所属している風間修(かざま・おさむ)だ。以後宜しく」


萩原:「ど、どうも萩原理です。あの…何故僕の事知っているのですか?」


風間:「…己が狩る対象くらい自分の目で一度は見てみないとね。あ、教えてくれてありがとうねルナさん。」


ルナ:「はい、どういたしまして。」


咲子:「(…本当に見るだけ見て帰ってったなあの人…)」


ケビン:「…そう言えばオサムって名前をしたのが2人になっていたんだったね。」


萩原:「下の名前がなんだと言うのです。オサム君とオサムさんで使い分ければ何も問題は無いですよ」


ルナ:「それだったら何歳になっても君付けのままで、幼さが消えないよ…。私の中では萩原の方はいつでも弟分に見えるけれども。」


萩原:「……っと、完成!」


ケビン:「お、上手いもんだなオサム」


ルナ:「オサム…くん?それとも…?」


ケビン:「ルナ、軽々しく人の名前を揶揄うものじゃありません。」


ルナ:「…そうね、からかって悪かった。ごめんなさいね」


萩原:「気にしてませんよ。だって殆ど、作業してたからルナさんが何を言っていたか聞いて無かったので。」


咲子:「でもさ、あなたの名前を呼びたいの。オサムって」


萩原:「それは普通に呼べばいいんじゃないかな。話す時はちゃんと話し相手の顔や目を見てね。ただそれだけの事よ」


ジュウゾウ:「オサム様のおっしゃる通りです。」


萩原:「(あぁ、そう言えば以前ブロチェックで捕まったロボットがうちで新しくサポートメカとして働く事になったんだったな…。ルナさんが、第十三代目の彼をゴエモンとか言ったりしてたけどなんでだろうな(笑)でも、最終的に十三番目だから「ジュウゾウ」って渋い名前に決まったんだったな。)」


ジュウゾウ:「今では皆様より(ジュウゾウ)と言う素敵な名前が貰えたので吾輩も嬉しい限りです」


咲子:「良かったね素敵な名前が貰えて!」


テテス:「でもさ、いくら何でもゴエモンはマズイだろ…」


池澤:「そう?私はゴエモンでも良かったって思うけど」


ルナ:「はいはいこのお話はここまで。はいそれまでよ」


ケビン:「(はいそれまでよ…って、いつの時代だよ)」


(と、その時基地内に非常警戒アラームが鳴り響いた)


アナ:「ブレードライン中央街にて未確認の物体(アンノウン)が出現。ブレイダーズは至急、ハンター・ナイトと共に対処にあたってください」


咲子:「…それでは出撃しましょう!」


ケビン:「お、サッちゃんいつにも増して張り切ってるな」


咲子:「そりゃそうよ。だってやっと活躍できるからね」


萩原:「いやいや、活躍なら咲子さんいつもしてくれているじゃないか。」


咲子:「そう?私をおだてても何も出せないわよ☆」


ルナ:「(出撃するのに何イチャイチャしとるんじゃ!)」


ケビン:「…そう言えば僕らだけじゃなくて、今回は何故かハンター・ナイトも一緒出撃するって言ってたな」


萩原:「え、ハンター…ナイト…!?そうか。…って事は、彼も来るのか…」


ルナ:「…何?どうした?さっきのあの人が居るから今回は行きたくないの?」


萩原:「いえ!行きますよ。名前なんか気にしてませんよ」


ケビン:「(無理すんなよ…)」


萩原:「(…向こうから勝手にライバル視しされて、こちらとしても迷惑してるんだ。このミッションで格の違いを教えてやらないとな…)」


〜ブレードライン中央街〜


ルナ:「(ブレイダーズ基地に近い中央街に突如現れたその未確認の物体を怪獣と断定するには早かった。…と言うのもケビンによるスキャニングを行なっても体温を持たず、生命反応も感じられなかったからである)」


ケビン:「こちらの専門では分からないな。オサム、いや…萩原。君の専門の怪獣細胞学の知識が必要だ。」


風間:「へ〜、君は怪獣細胞の専門家なのか」


萩原:「…そうですよ。あの、悪いけど今はミッション中なので突っかかるような事は差し控えて貰いたいです」


風間:「私はそんなつもりで君に言った訳じゃないよ。」


ルナ:「風間さん、悪いけども今は向こう行っててくれるかしら」


風間:「ルナさんからも言われるなんて心外だな」


ケビン:「まあまあ…。アレが怪獣と分かるまでお茶でも呑みましょうよ」


風間:「今はそんな気分じゃない」


ケビン:「あぁ、そうかい」


ルナ:「…どう?怪獣の細胞って反応出た?」


萩原:「今の時点で怪獣の細胞は検出される事は無いですね。でも、油断はしてはいけません。この物体が怪獣化しないとも言えません。」


ルナ:「何故そう思うの?」


萩原:「ルナさんの思っている怪獣の細胞…と言うよりも、この未確認の物体には祖先となる生物の細胞どころか先程ケビンさんが調べてくれた様にコイツから発せられる体温、呼吸等の生命反応さえも感じられない…今言える事といえばそれだけですが、納得いきませんか?」


ルナ:「私は貴方の知識から導かれる推論を踏まえて信じるよ。例えこの未確認の物体が夜な夜な怪獣化しようともそれは貴方一人が悪いんじゃ無い…それだけは分かっていてね。」


萩原:「…(ありがとうルナさん。)」


風間:「ほう…。専門家様の見解がどこまで信頼出来るか見させてもらおうじゃないの」


萩原:「一々突っかからなけば何も出来ないのですか?」


風間:「悪いが私は君の専門家としての知識はここでは何の役にも立たないと断言しよう。」


萩原:「大した自信ですね。何か知っているんですか?」


風間:「君らが各学問の知識を持った武人ならば、我々ハンター・ナイトは狙った獲物は所構わずに我先に仕留める事を生き甲斐とした文字通りの狩人ですよ。つまり、どんなに時間をかけて調べようが我々の前では君ら学者先生の努力も途方に終わるだけ。」


萩原:「自分が選ばれし者みたいに言いますけど風間さんにそれだけの力があるとはとても思えませんよ」


風間:「本からしか学べずお勉強しか誇れる物が無い人はこれだから困りますね。本ばかりではなく人や周りの世界を見渡せる様になってから私に言い返してね」


萩原:「それは勉強が出来なかった人の僻みで…」


ルナ:「はいはい、ストップよ。喧嘩は他所でやってね。」


ケビン:「(両者子供っぽいんだよな)」


咲子:「はいお水。これ呑んで少し頭冷やしてお互い。」


萩原/風間:「今はそんな気分じゃ無い」


ケビン:「おお、息までピッタリ…」


ルナ:「感心してる場合じゃ無いでしょ。あの2人、チームは違えど、今後もこんな事があったらひとたまりも無いわよ。」


ケビン:「そうだね。見てるとこちらまで何だかネガティブな気持ちになる…。今はどちらの意見も立てない様にしないとな」

(第3話後編へ続く)