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IPA高度試験の過去問合格答案-ST(ITストラテジスト試験)-2014年-午後Ⅱ-問1-「ITを活用した業務改革について」
自己紹介
営業職やSEOマーケター、コンサルタント、システムエンジニアとしてIT関係の仕事を20年ほど経験し、現在はメーカー系企業の情報システム部門で働いています。
IPA高度試験は5区分(ITストラテジスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、情報処理安全確保支援士)を取得済みです。
記事群の主旨
これから高度試験を受験される方のご参考になればと思い、かつて論文系試験の対策時に作成した、午後Ⅱ過去問の練習答案(論文部+アンケート部)を公開します。
※令和6年度のITストラテジスト試験午後Ⅱ講評冒頭には、以下の記載があり、平成28年頃から「評価の対象となる」旨が明示されているようですので、アンケート部分も、事前対策においては重要だと思います。私が講評における「評価対象」の明示を確認したのはSTだけですが、アンケートの重要性はSTに限られないと思われます。
一応5区分合格済みで、論文のコツは掴んでいるつもりなので、これから合格を目指される方にとっては、ジュース代よりは価値がある内容になっていると思います。よければご笑覧ください。
この記事で対象とする過去問
試験区分:ST(ITストラテジスト試験)
年度:2014年
問題:午後Ⅱ-問1
問題のテーマ:ITを活用した業務改革について
問題(問題文と設問)
問1 ITを活用した業務改革について
近年は、ITの進展によって、事業課題に対してITを積極的に活用し、新たな事業・サービスを展開することが可能になっている。このような中、ITストラテジストは、事業部門と協力して、ITを活用した業務改革を実施することによって、事業・サービスの優位性確保、新規顧客の獲得などの事業課題に対応することが求められている。
ITを活用した業務改革には、例えば、次のようなものがある。
・外勤業務サービスの差別化のために、営業員、サービス員にタブレット端末などのスマートデバイスを配備し、業務進捗状況の迅速な確認、顧客別情報の適時適切な提供などの業務改革を行い、顧客対応時間の増加、顧客サービスの強化を推進する。
・店舗の売上げ拡大のために、内部のPOS情報、外部のSNS・ブログの情報を活用した顧客の購買傾向の分析と的確な品ぞろえ、対象を絞り込んだ顧客への情報発信などの業務改革を行い、販売機会の創出、顧客の囲い込みを推進する。
・物流サービスの優位性確保のために、配送車両にGPS端末と各種センサを配備し、位置確認、道路情報に基づく配送経路の柔軟な変更、顧客への的確な情報提供などの業務改革を行い、顧客満足度の向上、物流サービスの品質向上を推進する。
ITストラテジストは、ITを活用した業務改革を実施する際、事業課題に関連する業務の現状と将来見通し複数の改革案と各案の効果の比較、活用するITの費用などを検討し、定量的な費用対効果の根拠を示して経営者に説明することが重要である。
あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。
設問ア あなたが携わった、ITを活用した業務改革について、業務改革の背景にある事業課題を、事業の概要、特性とともに、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた事業課題に対応するために、実施した業務改革とそのときに活用したIT、及び費用対効果の定量的な根拠とそのときに検討した内容について、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた業務改革の実施結果は、経営者にどのように評価されたか。更に改善する余地があると考えている事項を含めて、600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。
答案の採点結果
ChatGPTへの質問(論文採点の依頼)
以下は、2014年のIPAのITストラテジスト試験の午後2の[問題]と、私が作成してみた[答案(論文本体・アンケート部分)]です。IPAの採点者になったつもりで、100点満点で採点をし、講評を行ってください。
[問題]
上記をはりつけ
[答案(論文本体)]
以下、有料部分に掲載の内容をはりつけ
[答案(アンケート部分)]
以下、有料部分に掲載の内容をはりつけ
ChatGPTの回答(論文採点結果・講評)
あなたの答案を100点満点で採点し、講評を行います。
==採点(100点満点)==
論理構成(25点満点):23点
明確な構成で、事業課題の背景から改革案、実施結果まで論理的に展開されている。章立てが整理されており、論旨の流れが分かりやすい。
具体性・実践性(25点満点):24点
実際の経験を元に詳細なデータやKPIを交えて記述されており、非常に説得力がある。特に、提案率改善のシミュレーションや、経営への報告における配慮は実践的。
ITの活用(20点満点):19点
SFAの改修方針や地図UIの導入を適切に説明しており、ITの役割が明確。ただし、IT導入による業務プロセス変革(例えば営業フローの変化)の記述がもう少し深掘りできるとさらに良い。
費用対効果の分析(15点満点):14点
費用対効果の根拠が明確で、稟議通過のための説明も的確。しかし、「なぜ提案率が倍増すると考えたのか」について、よりデータに基づいた補強があるとさらに説得力が増す。
経営層への説明・評価(15点満点):14点
経営層への説明と評価が適切に記述されており、特に「飛び込み営業を重視する文化」を考慮した改善が高評価につながった点が良い。ただし、経営からの「今後の期待」や、より定量的な評価コメントがあればさらに良い。
総合得点:94点 / 100点
==講評==
〇良い点
・明確な章立て
第1章で事業課題、第2章で改革案の検討と実施、第3章で結果と評価と、論理の流れが非常に分かりやすい。
KPI(訪問件数、提案率、受注率)を明確に定義しており、数値的根拠がしっかりしている。
・実践的な記述
営業本部との調整プロセス、稟議の進め方、ITの選定と導入までのプロセスを実際の業務経験に基づき記述。
特に、営業部の要望を取り入れながらクイックウィンを意識する戦略が現実的。
・IT導入の意義が明確
スマホ対応のSFA導入だけでなく、地図UIの活用が営業の提案率向上につながる仕組みが説明されている。
他社事例を調査済みで実現可能性の懸念がないことも明示し、説得力がある。
▲改善点
・提案率向上の根拠をさらに補強
提案率を0.2%→0.4%に倍増するとしたが、過去の実績データや、試験運用時のデータなど、より具体的なデータを補強するとさらに説得力が増す。
・IT導入後の営業フロー変化の記述を強化
地図UIの導入により、営業の訪問プロセスがどのように変わったかを、もう少し詳しく述べると良い(例えば「従来は○○だったが、導入後は△△となり、結果として提案率が向上した」など)。
・経営層の評価をより定量的に
「高評価を得た」という記述はあるが、「今後の改善要望」や「定量的な評価(例えばROI)」が含まれると、経営視点での評価がより明確になる。
■総評
全体的に非常に完成度が高く、論理構成・具体性・実践性ともに優れています。実際の試験であれば、十分に合格点を超える論文です。改善点を補強すれば、さらに洗練された論文になるでしょう。
合格答案例
論文本体部分
IT企画室の課長として2017年に担当した、見込み顧客管理システムへの地図UI導入を通じた受注率向上施策について論じる。
第1章.ITを活用した業務改革の背景
1ー1.事業の概要と特性
A社は、国内4大都市圏で、単身用賃貸マンションを中心に建設営業を展開するマンションメーカーだ。私はA社のIT企画室に所属するITストラテジストだ。
A社の年商は1200億円、従業員数は1400名で、うち半数の700名は営業社員である。特徴は飛込み中心の営業スタイルだ。10階建て前後の受注が…
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