企画を立てるときって

僕はあたらしく企画をつくるときに、
「これは編集さんが乗り気になってくれる題材か? 方向性か?」
ということを気にするたちだ。

作家が編集者の顔色をうかがってどうするという声もあるだろうけど……単純に相手も乗り気になってくれた方が、仕事としてやっていて楽しいし、作品も面白くなると思っている。

僕はデビューが新人賞を受賞してではなく、拾い上げ……ですら正確にはなく(新人賞に送った作品は完全ボツったので)、プロットのアドバイスはするよ、というのが入り口だった。だからかどうか知らないが、興味を持ってもらえなければそれまで、という感覚が根強い。
なので、編集さんの好みや感覚、出身ジャンルは気になるし、「作品がおもしろいか」とは別軸に、「それを目の前のこの人がおもしろいと思うか」というのを気にする感覚がある。僕は面白さには大きさ以外に向きがあると思っているので、向きの合わないものを出しても仕方がない。

それに、これも単純な話で、編集者が一緒に酔ってくれないと、作家の方もいまいち酔いにくい。お酒と一緒だ。相手がシラフでいると、自分も自然シラフになる。
そして醒めたままだと、小説って書けなかったりする。特に子供向けなんだから、シラフになっちゃダメなのだ。
なので、相手もちゃんと酔えるのはどこかな……というのを気にかけるたちなのだ。なにがいいたいかっていうと、酒だ、酒。

いいなと思ったら応援しよう!