趣味を仕事にすること

こんなまとめを見た。

「趣味を仕事にすると辛い」というのはよくいわれることだ。
僕も、デビュー前は、一日中お話作りのことを考えてワクワクしていられたし、死ぬまでなにか書いて過ごしてくんだろうなーと思っていて、書くことがつらいなんて考えられなかったんだけど。
プロになってわりとすぐ、「か、書くのつれぇ…」状態に陥った(数行書いては気持ち悪くなってた)。

その経験を踏まえていうと、趣味を仕事にする場合って、「好きで居続けるための意識的な努力」が必要なんじゃないかなと思っている。

好きでいることに努力がいるの? と思う向きもあるだろうけれど、たぶんいるのだ。自然に好きではいられないのだ。
なにも考えずに場に流されていると、だんだん好きじゃなくなっていく。
商業の論理っていうのは、そういう個人の感情を置き去りにすることで成り立っているものだから。

そういう意味では、じつは趣味であるときよりも、むしろ「仕事にしたときの方が、自分の感情に自覚的にワガママにならないといけない」面があると思っている。

だって趣味の場合は楽しくなければ書かなければいい(また自然に書きたくなるのを待てばいい)だけだけど、プロになっちゃうとそうもいってられないでしょう。
そして、楽しくなくても仕事ができるならいいけど、この仕事のパフォーマンスって、やっぱりスピードもクオリティも、メンタルに左右される側面が強い。(無論、それだけではダメだけど)
楽しくないといい仕事ができないのであれば、常に楽しくあれるように、そのために必要な努力をしなくちゃいけない。それは作品の内容に関してかもしれないし、環境に関してかもしれないし、コミュニケーションのやり方とか、新しい刺激とか、いろんな要因があるわけで。
逆説的にそのためには、不得手なことを考えたりしなくちゃいけないことも結構あるわけで。

「趣味を仕事にすると辛い」っていうのはよく言われることで、そうだよなぁ、とうなずく面もある。
でもそれは、そういう努力をできなかったか、失敗した人の言葉であるので、若者は臆することはないと思ったりする。(年寄りくせぇ)

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