2024/10/31ブックガイド 長電話

長電話
高橋悠治 坂本龍一

この度めでたく復刊された本書。1983年の12月15日から17日の間に行われた4回の長電話でのやりとりを記録したもの。今から約40年前の会話の記録と思うと、感慨深いものがある。電話についての話からはじまり、2人のやっている音楽、ドラッグ、広告、オカルト、漫画、ほんの少しの家族の話などが、バリボリと何かを食べながらゆるやかに展開される。坂本龍一の「あそう」の相槌や、2人の「エヘヘ」「ンフフ」がクセになる。会話のリズムが心地良い。『新しいことを、求めてどんどん移り変わっていくのは、ぜんぜん新しくない』という金言も。誰かと長電話がしたくなる、秋の夜長に最適な一冊。

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