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『NR』のお陰でした(追記)
https://note.mu/vanmadoy/n/nbf6392cf0306の追記
……というのが当時の円居挽の主観である、と付け加えておかないとフェアではない。
『丸太町ルヴォワール』は2010年の年末ランキングに食い込み、お陰で少しだけ増刷された。どう考えても破格の扱いだ(偉い人が「あの初版部数でこんなに票を獲得するの、前例がなくて意味が解らん」と言ったとか言わなかったとか)。それ自体で私のモチベーションが上がったわけではないが、その時各社の編集さんの目に触れたお陰で、専業になった後の仕事に繋がった。
まあ、だからこそ『烏丸ルヴォワール』を早く完成させろと言っていた担当氏の気持ちもよく解る。ましてや「残業で執筆時間が取れないんです」と言ってた作家が原稿をほっぽり出して同人誌で遊んでたらキレない方がおかしい。6月末にどうにか『NR』の原稿を提出して気が抜けていたら、担当氏から「もう10月発売にしました。初稿のデッドラインは8月の上旬一杯ですからね!」というかなり強めの最後通告を食らってしまった。
まあ、結論から言うと『烏丸ルヴォワール』は予定通り2011年の10月に発売した。勤務状況は悪化する一方で執筆時間が増える筈もなかったのだが、決して悪いことばかりでもなかった。
9時から24時までの週六勤務(たまにもっとひどいことになったが)を続けたせいで、しまいには常にアドレナリンが出ている状態になり、四時間半の睡眠時間でも問題なく動けるようになった。そのお陰で帰宅後に必ず二時間だけ執筆する生活を一ヶ月ほど続けることができ、どうにか完成したのである。本当に良かったですね。