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子連れ二拠点生活の課題、学校はどうするか?

私たち家族は、普段住んでいる千葉県に住所を残したまま、新潟県湯沢町に冬の間(12月末〜3月末)だけ、家族全員で二拠点生活をしています。

その間は、子供達は新潟県湯沢町の小学校へ短期で通っています。

子連れで二拠点生活をしたい場合、最大のネックになる「子供の学校問題」

短期のためにわざわざ住民票を移すのも相当手間ですよね.....

実は住民票を移さずに、期間限定で田舎の小学校へ通う方法があるんです。

周囲によくことのことを聞かれるので、今後子連れで二拠点生活を目指される方の参考にお伝えします。

基本原則は、住民票を置いている地域の学校に通う

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「冬の間だけ雪国に住みたい!」と思った時、最初に頭に浮かんだのが「小学校ってどうしたらいいんだろう??」ということ。

田舎の引っ越しに伴い転校するのは分かるけど、二拠点生活だと一年に二つの小学校に通うことになる。

実際に調べた限り、二拠点生活をしている人は

・身動きの取りやすい単身者か夫婦
・子供のいる家庭は、平日は都心・週末を田舎で過ごすスタイル

が多いように見受けられました。

「二拠点生活」や「多拠点生活」のイベントに話を聞きに行っても、"子連れでやってます!"みたいな話をする人はいなかったし、そもそも学校のことに触れる人もいない。

確かに学校を巻き込んでの二拠点生活って可能なのか!?という疑問がありました。

小学校に入学する際に、公立の場合は住んでいる地域に教育委員会から、入学する学校が指定されているように、住民票を置いている市町村の学校に通うのが前提になります。

(「越境通学」という言葉を聞いた方もいると思いますが、学区外の学校への入学や通学も可能です。ただし、隣接校で区や市で指定された学校の中から選択するケースが多い。)

一般に、日本の公立学校は、設立する地方公共団体(都道府県、市区町村)
の住民を対象とするため、その住民以外はその学校に入学、
通学することができないことが多い。

また、その地方公共団体の施政区域を更に細分して、
区域毎に通学できる学校を指定する場合がある。

それらの区域の一つ一つが学区である。

引用:Wikipedia

1年で2箇所の小学校に通うには

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そもそも私たちも、どうやったら二拠点生活先の小学校へ通うことができるのか、さっぱりわかっていませんでした....

(そういった情報はネットに載っていないんですね)

夫と二人で考えても仕方ないので、子供達が通っている校長先生に相談!

「俺の教師人生の中で様々な相談を受けてきたけど、そんな相談ごとは初めてだ」

と言われてしまいましたww

なぜならそのような前例がないので、学校としてもどう対処したら良いかわからないとのこと。

ただ、親の仕事の都合で海外赴任から短期で戻ってくる際に、日本の小学校にその間だけ通うというケースはあるらしいです。

何よりも、私たちがなぜ二拠点生活を行いたいかという話を聞いて、ぜひ応援したいと仰ってくださって、校長先生に全面的に協力してもらえることになりました。

その後は、並行して二拠点生活先の新潟県湯沢町の、町役場の移住課にも相談をさせて頂きました。

そうしたら、町役場の方から湯沢町の教育委員会に話を上げていただき、私たちの住んでいる市の教育委員会と話し合いをして頂き、晴れて住民票を移さずに短期の就学許可が下りることになりました....!

あまり知られていない「区域外就学制度」とは?

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後から知りましたが、子供達の短期の就学が認められたのは、「区域外就学制度」という仕組みを使ったからでした。

この制度、文部科学省のサイトにこのように記載されているんです。

市町村教育委員会は、いじめへの対応、通学の利便性、
部活動等学校独自の活動等の理由により、
保護者が他の市町村の学校に就学させようとする場合、
住所の存する市町村教育委員会との協議に基づき、
他の市町村の教育委員会が受け入れを承諾した場合は、
就学すべき学校を変更することが可能です(区域外就学)。

そして、平成28年12月の閣議によって、地方への移住に伴い子供の就学において「区域外就学制度」が活用できることが明記されました!

地方への一時的な移住や二地域に居住するような場合も
教育上の影響等に留意しつつ、この区域外就学の手続きを活用すれば、
就学指定校と他市町村の学校との間を行き来するようなことも可能です。

なお、各市町村教育委員会においては、保護者が就学校の変更が
できる場合の要件や手続きを定め、公表しておくことが必要です。

引用:文部科学省Webサイト

ちょうど移住や二拠点生活のブームで、私たちは今回の恩恵を受けることができたのです。

今回私たちが住民票を移さずに転校できた理由

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短期の二拠点生活で子供達を地元の小学校へ入れることができたのは、「区域外就学制度」だと書きました。

文部科学省のサイトでは、「移住や二拠点生活において区域外就学制度の活用が可能」と記載はあるのですが、実際に各自治体の教育委員会のサイトを見るとちょっと違う.....

この制度の申請理由として挙げられているのが、

・保護者の就労により下校後の保護、監督者が不在で、親戚や就労先近くの学校への通学を希望する場合
・いじめ、不登校などので指定校への通学が困難な場合
・身体的な理由で指定校への通学が困難な場合
・転入予定地の指定校に予め通学を希望する場合

といった内容が多く、調べた感じでは「二拠点生活」を申請理由として明記しているところは殆どありませんでした・・

私たちの学校の校長先生が仰ったように、事例が無いからでしょうか。

なぜ私たちのケースが認められたのかは、千葉県の住んでいる市の教育委員会と、二拠点生活先の教育委員会同士の話し合いによるので、正直正確な理由は把握できていません。

ただ、新潟県湯沢町は移住推進のプロモーションを積極的に行っており、スキーリゾートという土地柄、子供のスキーやスノーボードのために短期転入を受け入れる土壌はあったようです。(その場合は都度住民票を移していたようです)

あとは、全面的に協力して頂けると仰った校長先生がもともと教育委員会におり、上層部にも通じていたため、事前に話を通していただいていた、というところも大きいかと思います。

よって、各自治体の教育委員会のWebサイトに、「区域外就学制度」の申請理由として「二拠点生活」が挙げられていなくても、相談内容によっては受け入れ可能なのでしょう。

(実際に申請書に記載した際は、申請理由が選択式になっていて「親の仕事の都合」で申請しました。「二拠点生活」という項目は無かったです)

これから「二拠点生活」を始めたいという方、学校の籍を移す”転入”という形にはなりますが、住民票を移さずに手続きは可能です!

ぜひ、”なぜ家族で二拠点生活をしたいのか”という熱い思いと共に、学校や教育委員会に相談してみてください♫


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