私の添削の実例

司法試験、および予備試験お疲れさまでした。
私も司法試験が終わりましたので、月謝制個別指導の受付を再開させていただきます。
詳細は別の記事にまとめておりますので、そちらをご覧くださいませ。

本日は、私が添削指導の必要性や、私の添削の仕方をしているかをお知らせしたいかと思います。ご依頼をご検討する際の参考になれば幸いです。

添削指導の必要性

司法試験、および予備試験の論文式試験において添削指導が必要と考えられる点は、セルフチェックが難しい点について合格者から指摘を得る点にあります。

答案練習の必要性

 まず大前提として、答案をなぜ書かないといけないかからお話ししましょう。
 予備校の論文対策の講義では、たいていの場合模範答案が提示されます。そのため、当該答案によって、答案作成の作法についてインプットすることができます。
 しかし、インプットするだけでは、答案は書けるようになりません。
 皆さんがたとえば自動車の運転の仕方を教わるとしましょう。その時、自動車学校で講義を聴き、運転の仕方についてのビデオを視聴したとします。この段階は、自動車の運転についての基礎知識が身についている段階になります。
 それでは、仮免許を得て公道に出て運転してみましょう。この時、教官からほぼ何も指摘されず完璧な運転ができる人はほとんどいないでしょう。たいていは何らかの指摘を受けるはずです。このように、運転では座学の知識だけでなく、実際に車を運転するという経験が必要になります。
 これは、司法試験の論文式試験でも同じことです。司法試験の論文式試験でも、実際に自分で答案を書いてみると理解しているつもりでも書けないものです。そのため、繰り返し論文を書いて答案作成上の作法を身に着ける必要があります。

セルフチェックが難しい点について添削指導を受ける

 では、実際に答案を書いてみた後、模範答案ないし解説と照らし合わせてみましょう。この時に、たとえば規範が間違っていたという点、そもそもの論点抽出がうまくいっていなかったという点は、自分でも気が付けるでしょう。たとえば、民法94条2項の類推適用の事案なのに、それに気が付けなかった、あるいは気が付いていても類推適用の3要件について書けなかった、このような場合は、自分でも気が付ける点なので、わざわざ指摘を受ける必要はないでしょう。
 しかし、答案作成ではセルフチェックが難しい点があります。
①答案全体のバランス
 司法試験、予備試験では試験時間、答案用紙の分量が限られています。そのため限られた時間紙面で高い点数を取らなくてはなりません。
 そのため、よく理由付けは省略しましょう、ということが言われたりします。しかし、一概に理由付けを省略するのは危険だと思っています。科目にもよりますが、理由付けが重視される科目もあります。
 このように、答案全体のバランスは、論文の講義を聴いただけではわからないことが多いと思います。こうした点は、添削指導を受けることでどのような記述にどの程度の分量を割けばよいかを理解することができます。

②当てはめ
 当てはめです。法律論文では、規範の提示のあと、当てはめをしなければなりません。そして、特に刑事系、公法系科目では、事実の摘示⇒評価、という点が重要になってきます。この時に、たとえば事実を摘示したけどその評価をどのようにすればよいかはセルフチェックが難しいでしょう。たとえば、刑訴の違法収集証拠排除法則は、規範はおそらく大体の人は書けると思います。しかし、当てはめはとても難しいです。どのような事実を拾い上げ、どのように評価するか、これは模範答案だけを見てもわからないことが少なくありません。こうした場合、添削指導を受けて当てはめの仕方を学んだ方が良いでしょう。

③知識、理解の修正
 最近は以前より少なくなりましたが、ご自身の使用されている論証集や予備校テキストが古い説を採用していることがあります。この点は、刑事系科目に顕著です。刑法の因果関係(以前は相当因果関係説、現在は危険の現実化説が通説)が典型例です。
 また、自分では理解しているつもりでも違った、ということが往々にしてあります。私の例でいえば、共犯の離脱です。私は着手前後で分けるという理解をしていたのですが、近時は着手の戦後ではなく因果的寄与の遮断の有無を基に判断します。
 このように、添削指導を受けることで自分の理解を修正することができます。
 
以上のように、セルフチェックが難しい点については、添削指導を受けることが望ましいです。

私の添削の実例

 私は上記を踏まえ、セルフチェックが難しい点を中心に、添削指導を行っています。添削コメントのサンプルを掲示します。



上記は、平成24年の予備試験刑法の添削です。
 まず全体として字数を圧縮する必要性、および字数をどのように圧縮すればよいかをコメントしています。
 また、答案の書き方レベルについても指摘しています。たとえば、「構成要件に該当する」ではなく、条文上の文言を指摘して「傷害」したといえる、という点を認定する、といった具合です。
 そして、私が長いと感じた部分については、規範定立等を短くするコツを書いています。「理由、結論、要件」を一言ずつ書く、といった具合です。 
 
 上記の点は、セルフチェックが難しい点だと考えらえます。こうした点について指摘を受けることに、答案添削の価値があります。

予備校の答練、模試との違い

 では、予備校の答練模試との違いについて最後に言及したいと思います。
 私も予備校の答練は受けたことがないですが、模試は受験したことがあります。その時には、答案の添削を受けることができます。
 ですが、予備校の答練、模試の採点は、あまり時間をかけて採点が行われることはないと聞いています。その理由は、単価の低さです。たとえば、アガルートさんの場合、予備試験は1通600円、司法試験は1通1200円という価格になっています。これに対し、私の添削では1通3000円(税別)程度のお金をいただきますが、1時間程度答案をじっくり検討してお返ししています。そのため、表面的に正解筋を書けたかではなく、どのようにすればよい答案が書けるかを知りたい方には是非お勧めしたいです。
 

 以上のように、添削指導は論文の実力を涵養する上で必須であると考えています。ぜひ、私の個別指導についてご検討いただけると幸いです。
 皆様の合格を心より祈念しています。

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