どうして、技術士になったの?
こんにちは、" 技術者に自由な時間を作ってあげたい " との思いで技術士事務所を立ち上げた " ひで " です。
さて、唐突ですが、" どうして技術士になったの? " って、よく聞かれます。
今日は、そのことについてお話しします。
まだ前の会社に勤めていた頃の話になりますが、その会社では、" 研究者は博士号を、技術者は技術士資格を取りなさい " という事が言われていて、当時、技術士は一目置かれる存在でした。入社した時の上長も持っていたし、歴代の社長ももれなく技術士資格を持っていましたからね。
なので、知ってはいましたが、試験がなかなか難しいということもあり、受験することはありませんでした。何よりも、業務上、技術士資格をとる必要性すらなかったですからね。当時は、それどころではなかったし。。。
ただ、数々の難題に直面し、自分の技術力に疑問を抱き始めたころ、ふと思い立って受験してみることにしたんです。この資格に合格すれば、国がProfessional Engineerと認めてくれるからです。会社が評価してくれるわけでもなく、ましてや自分の思い込みというわけでもなく、国が技術力を認めてくれ、国家資格を与えてくれるんです。
実はこの頃、自分が携わっていた製品がグローバルシェアでトップになっていました。もちろん、私の力でそうなった訳ではないのですが、ある意味、この製品設計、この分野でトップを走っている訳だから、私が合格しないのであれば、そもそも技術士資格っておかしいよね。" 私が合格しないような資格であれば、こっちから願い下げ、だから合格しないわけはない。" そう思ったんです。
なんだか、今思うと、失礼極まりなく、とんでもない理屈ですが、当時の私はいたって真剣。だって、試験の結果如何で自分の技術力が認められるか、否定されるかですからね。不合格だった時のことを思うとゾッとしますけど。
心の支えが欲しい一心で、受けてみたこの資格。運よく合格できたので救われました。そうか、会社が認めてくれなくても、国は認めてくれる。ちゃんと技術力はある。これで、なんとかやっていける…って。自信を持っていいんだって。
この資格があるから何かができるというものではないですが、私の技術者人生において、この資格を取る意味は、非常に大きなものだったんです。
東日本大震災があった2011年3月11日。実は、この日が私の技術士資格の登録日です。数分前か、数時間前かわかりませんが、震災の直前、私の登録証を作ってくれた方が、人生の転換期を決して忘れないものにしてくれました。。。
というわけで、私が技術士になったのは、自分の技術力に誰かからお墨付きをもらいたかったからなんです。
技術士になって、何かをしたかったからではないんですね。むしろ、何かしたいと思うようになったのは、技術士になってから。俯瞰して物事を見るようになってからです。技術者が置かれている厳しい現状を見て、このままではまずいと感じるようになってからなんですね。
その思いについては、また今度、語ることにします。
では、今回はこれくらいで。。。
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