
行動力を構成する8つの要素について
前回は地頭を構成する要素だったので、今回は行動力を構成する要素を分解することに挑戦してみようと思う。
自分には行動力がないと思っていた人も、1つ1つピースを確認したら、「あっ、これ得意じゃないかな」と気付けることもあるはずだ。このnoteを通じて読者の皆さんが自分の才能を発見する機会となれば嬉しい。
友達と記事を読みながら他己分析として使ってみると新しい発見があるかもしれない。自分の才能に気づき、何度も使う事で才能は開花する。足りない要素についても対処法を記載しているので是非参考にしてほしい。
行動力というパズルを8ピースで言語化してみました。
①初速力
初速力とは「何かをやる」と決めた後に、どれだけの時間がかかるのかという指標だ。例えば夜中に歯を磨こうと決めても、ダラダラしてしまい歯を磨くまでに30分ぐらいかかってしまうことがあったりしないだろうか?
やると決めたらすぐにやる力が初速力だ。
初速力のレベルが高いと
何かをやろうと決めた時に、やらない理由が100見つかるのに対してやるべき理由は1つしかないことが多い。初速力が高い人はやるべき理由が1つあれば十分なのである。仮にやらないほうがいい理由が100あっても行動するだろう。悩んだり、迷ったりする時間が何も生み出さない事を知っている。そして行動することこそが、問題を明確化する上で最も重要なプロセスであることも理解できているのだろう。
初速力のレベルが低い時の対処法
あなたには他の人よりも沢山の選択肢が見えているのかもしれない。選択肢は増えるほど迷いが生まれてしまう。どれが最高の選択肢なんだろうと悩むんでしまうのだろう。
そういう場合は、
①自分が現在考えている選択肢をノートに書いたり、図にしてみたりする。その上で他人に相談してみると良いだろう。
②最高の選択肢を諦める事も時には必要だ。大切なのは最終的に最高に辿り着く事なのだから、ある程度の失敗を若いうちは受け入れる度胸も必要なのである。(最高を諦めろという事ではなく、最高には失敗が必要不可欠)
②加速力
数学的に言えば加速度とは単位時間当たりの速度の変化率ですが、ここでは「やると決めてから1日で、どれだけの行動量を生み出せるか」と表現することにします。
加速力のレベルが高いと
加速力のレベルが高いと、一度やると決めたことに対して高い集中力で一気に突っ走ります。とにかく夢中になって突き進んでいくのです。どんなことであれ、一度自分がやると決めたのだからやらないと気持ち悪い。そんな感覚だけで突っ走れてしまう。もちろん目の前のことが「やりたいこと」「好きなこと」と重ねれば加速力はさらにあがるでしょうが、それが「やりたいこと(でも必要なこと)」であったとしても突っ走れるのが加速力の高い人です。
加速力のレベルが低い時の対処法
加速力のレベルが低いとやると決めたのに迷いが生まれて、行動ができなくなってしまいます。結果として、行動しない事によってやる前よりも問題が大きくなっているなんてことがあるのではないでしょうか?
加速力が低い人は「何かを信じるためのハードル」が高すぎる人だったりします。本当にこれが正しいのか? これをやった先にクライアントの幸せがあるのか?と、常に行動に対する疑問があるのでしょう。そしてしばらくすると「ここは私にあった職場ではないのかもしれない」と転職を考えるようになることでしょう。だけど転職活動をしても、「あなたは何ができる人なんですか?」という問いに対して何も答えられることがない。
そして最終的に「就活を失敗した。この会社に入ったことで私の人生が滅茶苦茶になった」という考えに辿り着いてしまう人もいます。
どうですか?
こうやって行動しない先にある自分の未来がイメージができるだけで行動変異を生み出せそうな気持になりませんか? 相手を大事にしようとするあなたの姿勢はとても素晴らしいですが、それと同じぐらい自分も大事にしてあげて下さいね。あとは「明日から理想の行動」にするような意識ではなく、「昨日よりも今日がいい状態」をコツコツと積み上げていくといいですよ。
③持続力
持続力とは、行動量に大きな波をつくらずにコツコツと継続していく力の事を指します。下記の図は「9日間の行動量」を簡単にまとめてみたものですが、A君は持続力が低いタイプということがわかります。(同時にスタートダッシュを成功させるメリットが大きいことも理解いただきたい)
持続力のレベルが高いと
持続力のレベルが高いと、一度やると決めたことを「長期間」継続することができるようになります。A君は加速力が高いが持続力が低いタイプ、B君はマイペースにコツコツとやるタイプ、C君は地道にコツコツと結果に向き合うタイプなんだという事が、こんなシンプルな数字の組み合わせから見えてきませんか? 継続は力なりという名言があるように、地道にコツコツと行動を持続する力はどんな世界でも求められる力でしょう。
持続力のレベルが低い時の対処法
持続力のレベルが低い時は、単純に飽き性というだけなんですよね(笑)普段からアンテナが広いので色んなことに関心があり、一つの事に時間を使う事が窮屈に感じてしまうだけなのです。私は色んなことに関心がもてる好奇心の強さはこれからの時代に必要なものだと思うので、無理に克服する必要はないと思いますが、目の前の「結果」とは真剣に向き合ってください。色んな事に関心をもっても、目の前の結果から逃げるのは道化師です。どんなに地味で、コツコツするのが嫌いでも目の前の結果を出すために必要なことなら、あなたが飽き性として成功するために必要なことなんだと今は我慢してください。持続と飽き性の矛盾した2つの性質が、いつか必ず繋がる日がきますよ^^
④最高速
最高速とはあなたが本気になった時に「できること」の最高値です。最高値はあなたの才能であり、凡人がどれだけ努力しても天才の最高速ポテンシャルを上回ることはできません。
最高速のレベルが高いと
あなたが本気を出せば、あなたについていける人はいません。凡人はあなたの世界を10%も理解できないので、あなたは常にフラストレーションと戦う日々を過ごします。天才は常に孤独です。いつも心のどこかで本気で向き合える相手を探しています。天才の中には、その異常性から「いじめられたり」「頭がおかしい奴」というレッテルを幼少期から貼られて、自分の事を社会不適合者なんだと認識している人も多い。社会から発見してもらえた天才は幸せですが、発見されることなく埋もれてしまう天才もいます。
最高速は「もともとの才能」と「努力で伸ばせる部分」の両方があるので、天才が努力すれば必ず発見される日がきます。それまで孤独と戦えるかの勝負なのだと思います。
最高速のレベルが低い時の対処法
努力する天才に凡人が個人で勝つことは不可能です。スラムダンクに置き換えるなら、どれだけ小暮君が頑張っても、1on1で流川に勝つことはない。残酷かもしれないですが、これが現実なのです。
個人で勝つことではなく組織として勝つことが社会では重要なので、個人戦に固執しながら、組織として勝つ方法にも固執していく事が良い戦い方です。「個別最適」だけでなく「全体最適」の視点で自分がどうあるべきか、何に集中するべきなのかを考えられると良いです。
⑤サスペンション
舗装された道路を走るような社会ならいいですが、今の時代は舗装されていない砂利道・でこぼこな道を走ることが求められます。そんな世界では路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置としての機能をもったサスペンションが必要不可欠です。
サスペンションのレベルが高いと
スタートからゴールまでの道のりには様々な障害物が存在します。その障害をもろともせずに、とことん突き進むことができるのはサスペンションのレベルが高い人の特徴です。
サスペンションのレベルが低い時の対処法
サスペンションは後天的に伸びやすい能力です。
私の好きな言葉に「人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが〈何度も〉繰り返されていくのだよ。」という言葉があります。あなたがどれだけ障害を避けようとしても、その障害がずっと繰り返されるのが人生。だからこそゴールの過程にある障害を拒絶するのではなく、障害を上手に避けてゴールへと辿り着く方法を考えたり、乗り越えたりする方法を若いうちにたくさん試行錯誤してほしいなと思います。
⑥ステアリング
スタート地点からゴールまでの道のりは、まっすぐな一本道ではなく急カーブがあったり、ゆるかなカーブがあったりと常に変化が付きまといます。変化に対応するためにはステアリングの性能を高めることが求められます。
ステアリングのレベルが高いと
VUCAという不確実性が高い社会となった今、社会の急激に変化に対応するために企業は常に「変化しない事」「変化すること」の2つを同時に追求することが求められてきています。だからこそ職場では常に変化が存在し、予測不可能な急カーブを求められることもあるでしょう。そんな中でもステアリングレベルが高い人間は、上手にハンドリングしてゴールへと向かっていきます。
ステアリングレベルが低い時の対処法
ステアリングレベルが低い人は、「この会社は方針がブレている」「すぐに変わるからやる気にならない」などの言葉を使うことが多いです。確かに正論ですし、あなたが間違っているとは思いません。
だけどこの世界は「パーフェクトワールド(全てが完ぺきな世界)」ではなく、「Not パーフェクトな世界」なのです。社会の不確実性が高くなり、経営者(上司)も沢山のミスを犯します。本来なら変えてはいけないことを変えてしまったり、変えるべきところを変えなかったり。それによって沢山の信頼や利益を失ったりすることもあるでしょう。
サッカーに置き換えるなら、監督の戦略ミスで選手が必要以上に走らされることになっている状況と言えるでしょう。それでも監督がミスを認めずに、選手に走ることを求めればはらわたが煮えくり返ったような気持ちになる事は間違いありません。怒っていいし、問題提起をすることも必要です。だけど何一つとして「走るのをやめていい理由にはならない」ということだけお伝えさせて下さい。組織とは「沢山のミス」で溢れかえった場所です。そしてミスを誰かが埋めなければならない。負担が大きな場所と、そうでない場所が確実に存在しているのです。
どんな状況でも組織を勝たせる人になる。その上で、「勝った先にあるもの・勝ち方」にこだわりたいなら転職活動という選択肢もあるでしょう。しかし誰かのミス・失敗を必要以上に攻めて、自分が行動しない理由を模索する先に未来はありません。
⑦燃費
燃費とはあなたが活動するのに必要な「エネルギー量」のことです。100の行動をするのに100のエネルギーが必要な人もいれば、100の行動に200のエネルギーが必要な人もいます。
燃費のレベルが高いと
エネルギーとはゴールに対する動機から生まれます。つまりゴールを目指すための動機が高い人がエネルギー量の豊富な人です。理由がなければ頑張れない人が燃費レベルの低い人なら、理由がなくても頑張れる人が燃費レベルの高い人です。頑張る理由が1つあれば、どこまででも走り続けることができるのは燃費が高性能であることの証明です。
燃費のレベルが低い時の対処法
これはシンプルに2つしか方法がありません。理由がなくても頑張れるように努力するか、頑張る理由を死ぬほど考える。行動することの困難は、やらないほうがいい理由が100見つかるのに対して、やるべき理由が1つしか見つからない事。
理由がなくても頑張れるようになるためには成功体験が必要不可欠なので、まずは頑張れる理由を沢山探してみましょう。一人ではなく、頑張っている人に会ってみたり、負けたくない人をイメージしてみたり、お客さんが喜んでいる姿を想像してみたり、たまにはカラオケで思いっきり歌ってストレス発散したり、おいしいものを友達と食べにいったりなど、頑張りたいと思えるための行動に投資してみましょう^^
⑧ブレーキ
ブレーキとはシンプルに行動を止める力の事だ。ブレーキが壊れていると、ついつい目の前のことに夢中になりすぎてしまい、次の日に支障がでて全体で考えた時に生産性が低くなってしまうようなことがある。
ブレーキのレベルが高いと
個人レベルであれば「今日はこれ以上やったら、明日に支障がでるな」と思った時にすぐに行動を止められる。逆にブレーキが弱いと、わかっているのに欲に負けて明日に支障がでるまで行動してしまう。
マネジメント・経営レベルでいえば、自分が判断ミスをしているとわかったらすぐに組織を止めることができる。逆にブレーキが弱いと何とかなるだろう精神で突っ走ってしまい、損を取り戻そうとして、傷口を広げてしまうようなことがある。感情をセーブすることができなくてやけくそになってしまう。(心理学でいうところのコンドル効果的なこと。)
投資の世界で表現するなら「損切りができるか」ということ。きちんとしたブレーキをもった人間は「損を最小化」することができる。
ブレーキのレベルが低い時の対処法
恐怖と向き合う事だ。ほとんどの人間は恐怖と向き合うことができず「なんとかなるだろう」と思考停止状態になって傷口を広げてしまう。またはやけくそになって、損を埋めようと必死になって傷口を広げる。
ミスを認める事は恐怖だ。
落胆した顔、怒った顔、失望した顔など、様々な相手の表情が頭の中によぎってしまい、ミスを認めることが怖くなる。(自分のプライドなんかもあるだろう)
ミスが起きた時は「最悪な状態とはミスが起こった事ではなく、ミスが起こった時に問題を広げてしまう事」と頭の中で言い聞かせることにしよう。自己暗示の世界でしかないが、こういうことが冷静さを取り戻してくれる。
最後に...
この記事は自分の強みに気づくことだけでなく、今まで見えなかった他人の強みに気付くことが裏目的だったりします。皆さんが他人の強みに気付ける人になれば、もっと深く人と繋がれるはずです^^
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考え方、フレームワーク、知識など、自分が20代のうちに知っておいてよかったなと思う事をまとめています。
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