【Insight CAFÉ】VALUENEX Radar から読み解くエネルギーの将来性
こんにちは、VALUENEX CFOの鮫島正明です。
シリコンバレーの起源の場所であり、スタンフォード大学の城下町のようなパロアルトの街の中心にVALUENEXのオフィスがあります。今回はここで行われている活動についてレポートします。
USのシリコンバレーで展開しているVALUENEX,Inc.では、パロアルトオフィス(インサイトカフェ)において、" Insight CAFÉ MEET UP & HAPPY HOUR " と題して、シリコンバレーならではの最先端技術や最新ビジネスについて、毎回シリコンバレーのすごいプレゼンターのプレゼンテーションと、VALUENEX Radarのデータ解析の共演と、参加者の皆さんの鋭い意見交換によって「インサイトカフェ白熱の教室」が行なわれています。そしてその後の時間の交流会でビジネスのきっかけを創っているのです。
毎回プレゼンターも参加者も無償・無料の持ち寄り方式ですが、シリコンバレーのすごい皆さんが集まっていただき、最先端のテクノロジー、ここだけの話題、世界最新のビジネス等々を話題にシリコンバレーだからこそのネットワークで盛り上がっています。
シリコンバレーのビジネスは、こんなコミュニティが切っ掛けとなって始まります。
Insight CAFÉ MEET UP & HAPPY HOURの様子この "Insight CAFÉ" では、「お互いに ギブ アンド ギブ アンド ギブ をし合う」シリコンバレーのカルチャーの中、皆さんが集い、最先端のテクノロジーを持ち寄り、ビジネスが始まる新しい拠点のひとつになりつつあります。
今回は、毎月行っている Insight CAFÉ MEET UP & HAPPY HOUR の内、8月に行われたセッションの様子をご紹介します。
地球をすべての人にとって豊かで、今後持続可能なものにすることを提唱するNPO、Anthropocene Instituteの代表兼共同創設者であるカール・ペイジ氏がプレゼンテーションされました。
カール・ペイジ氏はGoogleの創業者であるラリー・ペイジ氏のお兄さんです。
今回、これまでの地球を救うための道筋を示す設計図を提示しました。 「VALUENEX Radar から読み解くエネルギーの将来性」 “変化を恐れず世界を変えよう” - カール・ペイジ氏 と題して、核融合技術をエネルギーに活用する未来技術についてプレゼンされました。
そのプレゼンテーションの内容は下記の通りです。
VALUENEX,Inc.のインターン生でペンシルベニア大学生のキム・セナさんがメモと翻訳を担当しました。
VALUENEX Radar から読み解くエネルギーの将来性
“変化を恐れず世界を変えよう”- カール・ペイジ氏
地球は酸性化で海を失い、熱と混乱が世界を荒らしつつあります。
地球をすべての人にとって豊かで、今後も持続可能なものにすることを提唱するNPO、Anthropocene Instituteの代表兼共同創設者であるCarl Page氏は、熱く行動を呼びかけるため、VALUENEXと協力してデータ解析に基づく議論を行ってくれました。
2022年8月31日(水)、Google創業者ラリー・ペイジの兄であるカール・ペイジが、これまでの地球を救うための道筋を示す設計図を提示しました。
ステップ1:エネルギー生産コストの削減
ステップ2:気候安定化のための取り組み(海水淡水化、炭素回収の取り組みを含む)にコストインパクトの低いエネルギー源を使用する。気候目標を達成するために核融合技術を利用する。
ステップ3:炭素回収と気候安定の取り組みの技術への核融合技術の適応に焦点を当てる。
環境への影響を減らし、エネルギー生産のコストを削減する解決策を見つけることが重要。
ペイジ氏は、私たちはすでに世界を救うために必要な技術を持っていると主張しています。
持続可能性の議論の中で、世界中の電源を調査した結果、核融合エネルギーという解決策が見えてきました。
太陽エネルギーや風力エネルギーは持続可能で住宅や農村のエネルギー源としては素晴らしい解決策ですが、その生成に二酸化炭素排出の投資が必要で、生産に必要な十分なエネルギーが得られません。
ダム発電は、気候変動により減少し、予測不可能な資源である水の供給に制限されます。都市や工業生産のためには、より強力なエネルギー源が必要であり、核融合技術を採用することが最善策であるとページ氏は語ります。
地球上でもウランは補充可能であり、現在では海水からウランの抽出なども行われています 。深海の噴出孔から安定した割合のウランが海に溶け出しているので、ウランを捕獲するための網は、石油を掘るよりも現実的で持続可能なエネルギー採掘の試みであると言えるでしょう。
原子力は、特定の用途に合わせた複数の種類のエネルギー生産を包含する傘に過ぎません。宇宙で最も豊富な元素である水素は、非常に魅力的なエネルギー源である。この技術は決して新しいものではありませんが、このような技術は "too good to be true 虫が良過ぎる "という理由で否定されることが多いのです。( 核融合エネルギー ≠ 原子力エネルギー)
こうした試みを裏付けるのが、VALUENEXがニュース記事の分析で得た「原子力・核融合エネルギー」の活用に関する知見です(図1)。
核融合エネルギーは兵器をイメージして反対する人が多い一方で、太陽や星で水素原子が融合してヘリウムになり、物質をエネルギーに変換するものである核融合技術を支持する人が多いのも事実です。
核融合炉はまだ開発中ですが、原子力よりも安全性の高い、核融合技術の未来を物語るには核融合炉は単にお湯を沸かすための一種であるという理解を選ぶことで理解が進む可能性があるかもしれません。
現在の核分裂型原子炉に支えられた原子力発電(核分裂)も進めるべきだが、将来的に核融合技術ならもっと安全に管理することができ、他のどのエネルギー生産よりも信頼性が高くなるはずです。核融合は、人類が現代技術で利用できる最も持続可能で強力なエネルギー源なのです。
既知の選択肢を考慮すると、化石燃料は最もアクセスしにくいエネルギー源です(過去に囚われてはいけません)。
一方、核融合は、太陽や星々を動力源とする普遍的にアクセス可能なエネルギー源です。(変化を恐れず、世界を変えてみてください!)。
追伸
今回の原子力技術(核分裂と核融合)について、VALUENEXの専門家である大崎敏郎氏と林尚芳氏の意見を追加します。
「核分裂と核融合を合わせて、将来のエネルギー源と思っています。 地上(地中)のウランは持続可能なほどないと思いますが、海中を含めれば持続可能に近い量かも知れません。但し、海中からの回収は簡単ではないと思います。カール・ペイジさんの描いている将来は、水素+水素が実現する遠い将来の核融合の話を想定していると読んでいました。 一方で、現在の三重水素+重水素の核融合も1分臨界(投入エネルギーと回収エネルギーが等しい状態:発電として最低限の状態)を保てるかどうかの状況で、何年も臨界を保つのは不可能なので将来の技術だと思いますのでまだ時間がかかると思います。」(大崎敏郎氏)
「カール・ページ氏のステップ論の内、ステップ2は、原子力発電の電力を使って、世界の飲み水確保(淡水化)を推進したり、炭素回収で使う電力を賄うべきだと言っています。
またカール・ページ氏は、別の記事ではあらゆる形態の核エネルギー (核分裂、通常の核融合、固体核融合エネルギー) を採用し、推進する必要があると主張していますので、核分裂・核融合の両方を採用して将来のエネルギー源として開発すべきと考えていると思います。」https://anthropoceneinstitute.com/2022/06/nea-2022/」(林尚芳氏)
12月13日、USのエネルギー省から次世代エネルギー技術となる核融合発電の研究で画期的な進展があったとの発表がありました。
シリコンバレーでは今回の8月のセッションの様に、世界最先端の技術開発についていつも議論がされていて、それがまさにVALUENEXのオフィスで語られているのは嬉しいことです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?