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その「みんな」って、いったい誰と誰?

かの有名な大前研一さんが過去の取材の中で語り、「これは」と彼のスタッフが感動した言葉だけを集めた本に、『大前研一洞察力の原点』(日経BP社刊)があります。そして、その中の一つのタイトルが”「みんなと同じ」をやめる”があり、次のようなものです。

「みんなと同じでいい」という態度をやめた途端、脳はフル活動を強いられることになる。これはたいへん苦しいが、それでも頑張って一週間一ヵ月、一年と続けていると、自分の頭で考えるクセがつき、思考力もどんどん高まる。(『THE 21』2009年5月号掲載)

さて、おそらくみなさんはお気づきになってないでしょうが、この「みんな」ほど曖昧な日本語表現を代表するものは他にありません

かくゆう私も一人のコテコテの日本人である以上、「口癖のように出てくる」この言葉を、ある日特段の意識をすることなくその当時の私の外国人上司に対して発してしまい、その直後に彼女から次のようにこっぴどく注意されたことがありました。

”コウイチ、あなたは今わたしに「みんなそう言ってる」と主張したけど、あなたの言う「みんな」とはいったい誰と誰のことなの? すべて教えてちょうだい”

もちろんその時の私は「それは鈴木さん、田中さん、後藤さん…と、日本人に多くある苗字を挙げて反論した」ことが出来たわけはなく、ただ「えっと、えっと」としどろもどろになっていたのは、「みんな」のご想像の通りです。

ここでもしあなたが”「みんな」は「みんな」だよ”とチラッとでも思ったとしたら、今からジョブ型の社会に飛び込む前に気をつけておいた方がいいでしょう、その「あいまい」な表現をです。

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◎ベストセラー『「クビ!」論。』で 1000人以上をクビにした経験を綴った著者。 その後、自らも幾度もの「クビ!」と転職を経験し、ついに定年に…… そして66歳、たどりついた境地とは!? 理想とはほど遠い年金支給額。人は定年を迎えた日から無価値になるのか!? 冷酷な現実を前に達した結論が、 「いっそ定年なんかしなければいいのだ。この先ずっと価値を提供し、 対価をもらい続ければいい、それも高く。でもどうしたら?」。 30代、40代のサラリーパーソンが 今後否応なく直面する「ジョブ型」雇用において、 考えておきたい「ジョブ型定年」と前後のライフプラン。 それまでに直面するであろう転職や給与、そして「クビ!」まで、 人事のプロである著者が余すところなく解説。 「ジョブ型」キャリアを「○金(まるきん)」で終わらせるための一冊です。ぜひお近くの書店でお手に取ってご覧ください。


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