見出し画像

Value wayが現在取り組んでいること

Value wayでプロボノ活動中の小川です。

これまで、
① みんなでコーヒーかすを資源循環する未来像
② ①を実現するにあたり直面する課題の1つである法規制
について取り上げてきました。

前回(②)ご紹介したように、
現状は、コーヒーかすを資源循環していくには、回収における制約があります。

<これまでの投稿>

①「みんなでコーヒーかすを資源循環する未来を想像してみた!」


②「コーヒーかすの再生利用に対する課題『廃棄物処理法』」


こうした課題がある中で、
③ Value wayが現在取り組んでいること についてご紹介します。

現在我々は、
・全国各地でコーヒーかすの資源循環事例を創出すること
・資源循環の事例で一定程度のインパクトを出すこと
・声を上げる仲間集め
に取り組んでいます。

法改正は、簡単ではありませんが、
各地で事例ができる、社会的インパクトがあるとわかる、消費者の行動変容が起きる、声を上げる人が増える ことで、制約の見直しに繋がり、更に大きな資源循環を生み出すことも期待できます。

「全てのコーヒー消費が資源循環する」には、
法の制約が改正されるだけで実現するわけではないと思っています。
そこでまずは、「コーヒーかすを資源循環したい!」と、
多くの人が共感するような活用の出口を見つける必要があります。
その活用の出口をつくっていくことが今まさにValue wayが取り組んでいることです。

1.全国各地でコーヒーかすの資源循環事例を創出すること
全国各地で、民間事業者や自治体、地域と共に、法規制に準拠した形で、コーヒーかすの資源循環をする実証実験を重ねることで、社会課題と事業の両立を模索しています。

前例として神戸では実証実験を2回実施しています。
1回目:飲料工場から有価物として回収
2回目:神戸市内のカフェ10店舗から許認可事業者が回収

この実験から、
廃棄されるコーヒーかすを 乾燥→炭化→農地施用 することで、
廃棄物削減とCO2の排出量が削減されることが確認できました。
その一方で、課題も再認識できました。
やはり一般廃棄物であるため回収方法が制限されること、
コーヒーかすは水分を多く含むため、加熱のエネルギーを抑えるには乾燥させる必要がありますが、回収してきた多くのコーヒーかすを効率的に乾燥できるようにすること、
どの地域にも炭化施設があるわけではないこと、
そして、永続的な活動にできる活用の出口を見つけることです。
永続的な活動にするには、善意で終わらず、わくわく感と経済合理性が出せて実現性の高い枠組みであることが求められてきます。ここを実現できれば、その他の課題である設備面、環境面も変えていきやすいかと思います。

どこでどのように再資源化したコーヒーかすを活用すれば、社会課題と事業を両立できるか、今まさに数々の企業や自治体と連携しながら追及しているところです。


2.資源循環の事例で一定程度のインパクトを出すこと
コーヒーかすが身近な製品に変わることで消費者の更なる行動変容を起こせないかという考えから、再生製品の開発にも取り組んでいます。
第一弾として、地球にも身体にも優しい室内向けサングラスを開発しました。
土に帰る自然素材からできているやわらかいかけ心地のフレームと、光ストレスを減らし脳を整える効果がある独自のカラーレンズからできています。一人でも多くの人が楽しみながら、気候変動対策につながるアクションにできればと思い、近々クラウドファンディングを開始予定です。

コーヒーかす炭を再生したサングラス

3.声を上げる仲間集め
一体となって気候変動対策に取り組むためには仲間が必要です。
1・2で上げたように、全国各地での資源循環事例創出や社会的インパクトを出すことに取り組み、より多くの人に資源循環にわくわく感をもってもらい行動変容を巻き込みたいと思っています。
また、廃棄物取り扱いに関する規制緩和に向けては、
福岡市と連携して、国家戦略特別区域会議での提案や、RULEMAKERS DAOと連携し、規制改革推進会議での提言などをしてきました。
また、官民共創で気候変動対策に取り組むために、アクセラレーションプログラム等の採択にも積極的に参加しています。

ゴールに向かって今できることとして、今後も上記のような活動を進めながら、資源循環が持続可能な状態で永続していくように、楽しさと経済性の両軸を大事にし、推進していきます。

【ゴール】
世界中で毎日20億杯以上消費されているコーヒー。
世界で1億人以上が働いているコーヒー。
その全てのコーヒー消費が資源循環することが我々のゴールです。


~おまけ~
最後に私事ですが、プロボノ期間が終了を迎えるため、簡単に振り返りをさせていただきます。
Value wayのビジョンに共感したこと、また、コーヒー専門家としてコーヒー店を経営しながら、気候変動の影響を解決すべく活動するCEOの八木さんと、アドレスホッパーで全国の地域創生プロジェクトを推進してきたCOOの西出さんのお二人のご経歴も興味深く、プロボノに応募させて頂きました。「Coffee2050年問題」も知らなかった私ですが、参加をきっかけに、自宅ではコーヒーかすは捨てずに活用するようになったり、コーヒーかすを活用した再生製品を購入してみたりと、自分自身の行動に変化がありました。

左・右上 自宅でコーヒーかすを乾燥させて脱臭剤代わりに
右下 コメダ珈琲店のECサイトで販売しているコーヒーかすをアップサイクルしたクレヨン

いずれも「コーヒーかすはこんなに活用できるのか、こんな形に変化するのか!」と新たな発見を楽しんでいました。
それは、Value wayのお二人が「楽しさ」「わくわく感」のある資源循環を大切にされていたからだと思います。
また、常に「生産も消費も隔てない循環世界を創造する」というビジョンに信念をもち、提供価値を意識して取り組まれているお二人の姿を見ながら、私はこれまでこんなにも仕事のビジョンを意識していただろうかと思わされました。
与えられてばかりでしたが、Value wayの仲間として参画できた貴重な3か月間でした。
プロボノ活動は終了しますが、今後も気候変動に対して自身ができることを意識し取り組んでいきたいと思います。

これまで投稿をお読みいただいた皆様、ありがとうございました。
今後もValue wayをどうぞよろしくお願いいたします。

ライター:小川
情報通信機器を主体に製造するメーカーで勤務中。入社から3年間営業を経験し、現在は新しいサービスの商品企画を担当。休日はカフェでゆっくり一息つくのが癒し。そんな癒しの時間の裏側で起きている気候変動の課題に向き合うValue wayの取り組みに共感し、プロボノ活動に参加。一緒に循環社会を創造する仲間探しを目指して無知ながらもnoteを発信。

いいなと思ったら応援しよう!