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富裕層の海外移住が増加


外務省海外在留邦人数調査
外務省海外在留邦人数調査

日本人の海外移住が増えています。長期で見ると、日本企業の海外進出に伴い海外勤務のサラリーマンを中心に長期滞在者は2019年まで増加傾向が続きましたが、コロナをきっかけにここ数年は企業が現地化を進め、日本人の派遣を減らす傾向があり長期滞在者は減少傾向です。

一方で、永住者は過去20年ほど継続的に増加しています。直近データのある2022年の永住人数の内訳を10年前と比較すると、北米、西欧が大きく増加しています。著名人で北米、西欧に住んでいる富裕層が増えている印象と一致します。また、プチ富裕層がリタイヤ後にタイやフィリピンへ移住するケースを反映し、アジアも増えています。

メルボルン大学の大石奈々准教授のインタビュー調査では、対象者の9割が日本の長期的な経済不安を理由に挙げていました。子供の教育も考え海外に移住を決める例も多いとのことです。なお、日本に永住(技能実習生や留学生を含まない)している外国人は、昨年の統計で88万人です。内訳は、中国32万人、フィリピン13万人、ブラジル11万人、台湾2.4万人、米国1.9万人などとなっています。

増えているのは、留学後に日本で就職したり、日本人と結婚したりといったケースが多い模様です。国際化が進む中で、日本人富裕層が海外へ出て行くのは一定程度避けられませんが、日本にも海外富裕層を呼び込む工夫が必要です。税制や医療など課題は多いと考えます。

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