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CoCoカフェ|今ここに生きる中高生の温かなサードプレイス

東日本大震災の後に開設された気仙沼リアス調理師専門学校を会場に、リアス晃陽祭が開催された。2024年11月9日の土曜日の話である。リアス晃陽祭は、日頃学びの生活を送っている学生たちの学習成果を発表する催しだ。

気仙沼リアス調理師専門学校を訪れたのは、2月以来である。前回は卒業作品展を見に訪れた。前回は作成された豪華絢爛な料理の数々を楽しめる機会であったが、今回は実際に調理をしている学生や各々の活動を発表する学生達の様子を見られる機会であり、雰囲気も趣も異なっている。

学校前でも活動が行われている
ポップな歓迎

校門をくぐるとポップな文字と丁寧な案内に迎えられる。一階と二階では、食堂が展開されており、学生たちによる料理が振る舞われていた。食堂は盛況で、訪れたのはお昼を少し過ぎた頃合いだったが、既に売り切れとなっており、人気のほどが窺えている。来訪が遅くなったのが少し悔やまれた。

三階に上がると専門学校ではなく、通信制の高等学校に通う生徒による企画が展開されていた。その名を「CoCoカフェ」という。「CoCoカフェ」は、晃陽学園高等学校気仙沼学習センターに通う一人の生徒が主体となり、探究学習の一環で取り組んでいる活動である。

家や学校の他の第三の居場所として企画された、中高生向けの居場所カフェであり、中高生が気軽に参加して、同世代の人々と気軽に会話を交わしたり、相談したりできる優しい時間を過ごせる機会となっている。

教室を一室使用して開催されている
とても丁寧で想いのつまった温かな案内が用意されていた

この日の「CoCoカフェ」は特別会であり、教室の一室を使用して参加者を中高生に限定しない形で開催されていた。教室に入ると温かな出迎えと「CoCoカフェ」に関する説明を受け、飲み物やお菓子の提供を案内される。第二回と聞いたが、とても手慣れており、ある種学習の成果のようなものを感じられた。

筆者が訪れたときには、老若男女が思い思いにくつろいだ様子で談笑しており、「CoCoカフェ」の居心地の良さのようなものが見られている。高校生が企画したとは思えないほどに温かなコミュニティが形成されている様子には舌を巻くばかりで、感動に近い想いを抱いた。

地方の多くがそうであると思われるが、少子化によって人数自体が減っているのに加えて、フラッと訪れられるような遊び場は減少の一途を辿っている。息の詰まるような田舎の中で、息抜きをする場所も機会も相手も少ない現実は、どれほど苦痛だろうか。

賃金も休暇も少ない田舎では、大人は常に忙しくて余裕がなく、気軽に頼るのも難しい。そもそも大人に頼ったところで、10代の価値観に寄り添ってくれるような人々はどれだけいようか。極めて少ないのが現実である。そんな10代の少年少女にとって、肩の力を抜いて息抜きできる場の必要生はとても高いのだと思う。

また、自分たちと同じ世代で、自分たちの価値観に寄り添える人間が主宰となっている場の存在も必要生は高いだろう。大人の創る世界は、10代の少年少女たちにとって水が合わない点が多く、何より気を遣う。そうしたことを考えながら、「CoCOカフェ」がどれだけ大きな価値を持つ存在なのかを深く感じた。

主宰した生徒に話を伺ったところ、探究学習の一環である点を説明しつつも活動の継続に対して強い想いを抱いている様子が垣間見えており、このような明確な目的意識と強い想いを抱いている人間の存在は、同世代にとっても心強く、ありがたいのでないかと感じている。

Instagramで存在を知り、興味本位で訪れた「CoCoカフェ」だったが、想像していた以上に温かで魅力的な世界観が広がっていた。どのような形であれ、このような誰かの心の重荷を軽くできる場が今後も長く存在し続けられる社会であって欲しい。そう強く感じている。


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