
散策記|宮城県気仙沼市:東日本大震災遺構・伝承館、三陸復興国立公園岩井崎
全国的な猛暑が話題になる中、涼を取ろうと考え気仙沼市を散策してきました。
いつも通り、文章を読むのが怠い人はPinterestの方を見てください。とりわけ今回は画像が多く、こちらに掲載するのは極めて一部であるため、Pinterestの閲覧をお勧めします。
散策記|気仙沼市:気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館
場所は上記地図の通りです。
三陸沿岸道路(三陸自動車道)気仙沼中央ICから大谷海岸方向に自動車で10分程度。
JR陸前階上駅(BRT)から徒歩15分程度だと思います(実際に歩いていないので、目測です)。
自動車で向かう場合、一度左折(右折)する必要があります。目印はこの門(?)です。看板等もあるため恐らく見逃さないと思いますが、注意していないと通り過ぎる可能性はあります。ただ北側には駐車場が広いパチンコ店、南側には薬王堂やコメリ等があるため、誤って通り過ぎても引き返すのは容易いでしょう。
さて、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館です。
気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館は、旧気仙沼向洋高等学校を遺構とした施設です。実際に校舎に入って、津波被害の爪痕を一部観覧できます。
画像は伝承館で、受付やホール、写真の展示、ムービーの鑑賞ができる施設です。
2021年時点では、気仙沼市で危機管理監を経験した方が館長を務めています。
伝承館の隣に旧気仙沼向洋高等学校の校舎があります。恐らく観覧用に改修・整備が行われているため、完全に震災当時のままではないと思われます(それだと安全性等に支障が出かねないので)。
一方で外観も内観も高等学校そのものであり、また部分的に当時のままの姿が残されているため、雰囲気は肌に感じられるのではないでしょうか。
あくまで個人的な印象を言わせて貰えば、現実に津波後の瓦礫の山となった街並みを見ているため、やはり整備された津波被害の姿を見てもとりたてて凄惨さ等は感じません。レプリカでないのは分かりますが、レプリカに見えてしまう印象は否めないです。
そのため、大人になってから高等学校内部に入る言いようのない感傷や不思議な居心地の方が印象的でした。震災遺構を取り上げてこのような話をするのは不謹慎かもしれませんが、廃校を使った大人の遊興場や飲食スペースの提供をすると一定の需要はあるのでないか? そんなことを感じた次第です。
もちろんそれは、実際に瓦礫の山と化した街を見ている身だから感じるものであり、そうでない多くの人にとっては、津波のもたらした破壊の痕跡を前に、胸を打つような衝撃や凄惨な現実に対する言いようのない恐怖、犠牲となった人々への想い等様々な感動を得らられる場所だと思います。
余談ですが、私は昨年の10月にも一度この場所を訪れており、今回は二度目です。Pinterestの方には、昨年の画像も掲載しているので、ぜひ比較しながら見てください。
季節というよりは、訪れる時間帯によって異なる風情を感じられる印象を受けます。日が傾いた時間に訪れるとより心動かされるものがあるのではないでしょうか。
それでは、撮影した画像を一部掲載します。
門であり、駐車場への入り口でもあります。
校舎隣に立つ運動場です。こちらは中に入れません。
上から見た様子がこちら。屋根が破壊・流出した様子が窺えます。
受付後、写真の展示場(撮影禁止)を抜け、南校舎に入ってすぐの景色です。他の場所と比べても破壊の痕跡が分かりやすく、津波の威力を肌に感じられる場所だと思います。
南校舎は全4階であり、屋上にも行けます。エレベーターが設置されているため、階段を上るのが難しい方でも問題なく観て回れるでしょう。尚、観覧可能な場所は限定されており、最も多く教室内を観られるのが一階です。
一階廊下。突き当たりに階段があります。階段を上って屋上まで行った場合、一度また降りてこないとならなくなるので、その点は注意してください。上の階から北校舎に行くのは不可能と思われます。
津波の破壊力をまざまざ見せつけられる光景でした。木造の建物の多くは建物ごと破壊され流出しましたが、鉄筋コンクリート造りの建物の多くは、これらの写真から分かるように、建物はそのままに、内部に破壊の痕が残りました。
3階内部に流れてきた自動車の様子が見られます。津波は4階まで達したようです。どれだけの高さまで逃げなければならない程の津波だったのかをまざまざと見せつけてくれます。
確か4階だったと思いますが、壊れたパソコンがまとめて置かれている教室です。
この教室に関しては、津波の凄惨さというよりも学校(美術室等)特有の香りが残っており、ノスタルジーに駆られました。そんな思いを抱くのは私だけかもしれません。
「津波を受け、10年以上使われなくなって尚、学校特有の香りは残るのか」と内心最も衝撃を受けた教室です。
屋上の様子です。
生徒時代、屋上で不純異性交遊(18禁)を行って見つかったOBが居たせいで屋上への立入が禁止されており、屋上に無縁な生活を送っていた為、人生で初めて校舎の屋上を体験しました。
やはり不謹慎かもしれませんが、高校生気分が味わえ、震災遺構とは全く無関係な想いを抱かずにいられません。気温が高かったため暑さは相応に感じましたが、海からの風が心地よくて、暑さは気にならなかったです。
最初に説明しませんでしたが、東日本大震災遺構・伝承館の正面にはパークゴルフ場が広がっています。
震災以前と震災以後の対比と言いますか、被災から復興のコントラストを強く感じられる景色だと思います。
一度一階に降りて、外(運動場)に出ます。校舎の方を観ると、如何に津波が高い位置まで襲いかかったのか直視できます。津波にさらわれない為には屋上まで上がる必要があった。そう言われると空寒さを感じる人は多いかもしれません。
南校舎と北校舎の間の様子です。様々な瓦礫が押し寄せた事実が窺えます。個人的には懐かしさを感じました。
北校舎は昔の写真と綺麗に整えられた教室の様子が見られます。こちらは観光客よりも地元の人向けに感じました。
昨年の10月に訪れた際には、当時在学していた女性が来訪者に対して写真を見せながら当時の様子を語っている様子が見られています。今そのような企画を行っているかは分かりませんが、興味のある人は調べてみると良いかもしれません。
中庭の様子です。北校舎を観た後、展示場を通って受付に戻ります。
東日本大震災遺構・伝承館については、以上。
ところで、被災した気仙沼向洋高等学校ですが、今は最初に紹介した岩井崎エリア入り口から少し離れた場所に新設されています。
海岸から伸びる平地ではありますが、恐らく津波の到達地点よりは山側なのでしょう。また防潮堤が新設された事からも、以前に比べれば遥かに安全性の高い位置にあると感じられます。
二度と災害に見舞われないよう願いたいものです。
次に東日本大震災遺構・伝承館から少し海側に進んだ先にある三陸復興国立公園岩井崎を紹介しましょう。
散策記|気仙沼市:三陸復興国立公園岩井崎
次は三陸復興国立公園岩井崎です。
ちなみに、行く途中に塔があります。
長大な防潮堤が伸びており、防潮堤の上を歩きながら岩井崎に向かっても良いかもしれません。
潮吹岩で有名なスポットです。しかし今回、潮吹岩は観られていません。
やはり昨年10月に訪れているのですが、その時と打って変わり、今回は観光客でひしめいていました。
どうやら気温が高いので海辺で遊ぶ為にやって来た家族連れが多かったようです。
全体的に岩場が多く、遊泳するような作りではありません。
一応岩場ではない砂利地帯もあり、どうやらこのエリアを使って水場遊びをしている家族が多いようでした。
※今回家族連れでひしめいており写真を撮っていないので、昨年10月の物です。
岩井崎は松と海のコントラストが美しく、また海風のお陰で涼しさがあり、避暑には持って来いの場所でないかと感じた次第です。
塩作り体験ができる施設もあり、先程紹介した震災遺構と併せて旅を楽しむのも良いかもしれません。
近くに民宿があるので、泊まりでの来訪も可能だと思います。
おまけ|海鮮屋はじかみ
昼食に海鮮屋はじかみを利用しました。岩井崎エリアには何店か飲食店が観られます。海鮮屋はじかみは、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館にほど近い場所にあり、比較的広い駐車場が確保されている点が魅力的です。
駐車場入り口に幟が立っているので、恐らく場所は簡単に分かるでしょう。
お伊勢浜海水浴場からも十分行ける距離にある為、海水浴の際にも利用できます。
尚、お伊勢浜海水浴場については2021年夏に海開きが行われるか定かでありません。この点は注意してください。
海鮮屋はじかみで頂いたのは、「三色丼」です。
マグロ+イクラ+日替わりの刺身が乗った丼の他、汁物等3品が加わった定食でした。
この日の刺身はヒラメです。マグロの刺身3-4枚にヒラメ6枚程度、そしてイクラと中々豪勢な内容で1,150円(税込み)。
コストパフォーマンスは比較的高いと感じられます。思った以上に量が多いので、子供だと食べ切るのが難しいかもしれません。
昨今の感染症への警戒が叫ばれる世情だと、親子でシェアして食べるのも躊躇う人が多いと推察します。対応して貰えるかは定かでありませんが、子連れで伺う際には、注文時に相談すると良いかもしれません。
さて、食べた感想ですが、刺身がとにかくぷりっぷりで、獲れたてを思わせる新鮮さでした。醤油の塩味が薄く、醤油をつけて尚、刺身本来の味が口の中に広がります。
季節的にイクラは保存しておいた物と思われますが、安い回転寿司店のイクラにありがちな苦みのようなものが感じられません。
刺身と併せて口に頬張ると爽やかな甘みが感じられるほどで、素直に美味しいと感じさせてくれます。
汁物等にはもっさり感がなく、丼を食べて得られる満足感を邪魔しなかったです。味、量、価格、満足度の四点を兼ね備えた素晴らしい内容でした。
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