未経験のUSCPA取得者がM&A業務に転職するためのヒント
USCPA取得者でM&A未経験のみなさんが、どのようにすればM&A業務に転職できる可能性があるかを考えてみたいと思います。
これは、この記事を書いている今から10数年前に、僕が最大限悩み、苦労して掴み取った経験に基づくものでもあります。
最も、時代も変われば内容も変わって行くので、あくまで、可能性の一つとして参考にしてもらえれば幸いです。
(本記事に書いたことは、M&A職への合格を保証するものではなく、個人的な経験に基づく考察と意見です。)
なお、M&Aの業務を推す理由については、以下の記事をご覧ください。
USCPA取得者には、FASがオススメ
結論から書いてしまいますが、
M&A未経験のUSCPA取得者が目指すのであれば、Big 4のFASを一番オススメします。
まぁ、僕の個人的意見ですので、ご参考までに。
理由は、大きく2つ。
会計知識が活きる場が多く、相性が良い
USCPA取得者と性格的にフィットする人が多い
それぞれ個別に見て行きましょう。
会計知識が活きる場が多く、相性が良い
USCPA取得者であれば、やはり一番可能性が高い狙い目はTSの財務DDでしょう。財務DDは、M&A全体のプロセスの中で、最も会計の知識が必要です。加えて、クロスボーダーのM&Aが多い中で英語で対象会社のマネジメントへインタビューをしたりと、一層重要性を増して来ているためです。
つまり、未経験でも強みとして「会計」と「英語」をアピールしやすいということです。
なお、財務DDの詳細については、以下の記事を参照して下さい。
ちなみに、TSというと、財務DDしかできないとネガティブな印象を持つ人も一定数いるようですが、必ずしもそれほど悲観することはないかと思います。
TSは、監査法人系であるFASの当初からの基幹事業であり、案件数が最も豊富です。また、外資系の投資銀行がFAをやる案件で協業するのはほとんどTSだけです。
加えて、TSは単に財務DDのみを行うわけではなく、その他のディールのあちこちに顔を出して様々な案件サポートも行います。
例えば、
DD後にSPA(買収契約書)の財務観点からのレビュー
PEのディールでは、財務モデリングもDDと併せて受注することもある
クライアントがFAを付けない場合に、準FA的な動き方をディール全体を通して行うこともよくある
アサインされるディールによる所もありますが、ある程度経験を積んで基礎を理解してくれば、財務DDだけではなく、周辺の業務にまで領域を伸ばすことができ、広く、ディール全体の知識もつけることも可能です。
また、FASは内部での異動もしやすい環境にあるため、一定の経験を積んだ後に、VSでバリュエーションをしたり、CFでM&Aのオリジネーションやエグゼキューションへ移行して、スキルの幅を広げていくことも可能です。
なお、各部門ごとの業務内容については、以下をご覧下さい。
性格的にフィットする人が多い
FASの人の前職は、監査法人からの異動・転職が比較的多いです。
それ以外では、銀行の法人営業やプロジェクトファイナンス、コンサルや商社出身の人など、多岐に渡ります。
一部には、経理などの事業会社のバックオフィスからUSCPA取得を経てTSへ転職と言う例も、少ないながらも存在します。
一部、リーマンショック後に投資銀行をクビになった人を吸収した例もありますが、投資銀行→FASのルートはあまり多くはありません。
結果として、FASは投資銀行に比べて温和な人が多いと言えるのです。
そもそも、公認会計士やUSCPAを取得する人の多くは、比較的温和な方が多いと思います。その中では特急にアグレッシブな人が多いFASですが、付き合いやすい雰囲気であると考えられます。
なお、FASの人については、以下の記事も参考にして下さい。
難しい場合には、監査法人という寄り道も
FASがオススメであることは間違いないのですが、
これまでの経験やその時々の情勢などから、ダイレクトにFASに入りづらい場合などもあるかもしれません。未経験で入るのはやはりそれなりに大変です。
直接FASへの転職が叶わない時に、年齢が許すようであれば、まずは監査法人で監査をしてからその後にFASへ移ることを検討することも、戦略としてはありです。
財務DDと監査では、時間的プレッシャーやクライアントへの接し方など、根本的には別物の業務ではありますが、監査の要素がなくはないため、未経験者は監査→FASのルートも可能性として考えておくのがいいでしょう。
最も、監査に入るのであれば、JCPAかUSCPA取得は前提となりますが。
ちなみに、Big 4はどれも似ているとは言え、それぞれカラーがあります。監査法人からFASへ異動ができるかどうかは、それぞれのファーム次第です。
個人的に知っているのは、Deloitteは移りやすく、EYは移りづらいようです。実際に、EYの監査法人から他のBig 4のFASへ転職活動をする人が一定数、いました。
なお、この辺の事情は、少し古い情報であるため、最新情報を得られる人から確認してみて下さい。
新卒学生のFASへの就活
最後に、新卒の就活について触れておきます。
以前は、FASは新卒採用はほとんどしておらず、一部のファームでボストンキャリアフォーラムで数名採用する程度という状況でしたが、最近では採用をしているファームも増えています。
個人的に、FASの新卒採用についての情報はあまり集めていないのですが、一般的なこととして、以下を確実に重視することと思います。
地頭が良いこと
激務やプレッシャーに耐えられる精神力と体力があること
チームワークができること
強い志望動機
これは、何もFASに限らず、投資銀行やコンサルティング会社でも共通していることでしょう。
そして、FASに関して追加で一つ言えることは、
USCPAはマストではないが、持っていれば確実にプラスではある
ということです。
やはり、どこまで行っても、Big 4は会計士が母体であり、そこを排除することはありません。
会計士オンリーの世界から、そこを中心に総合的なコンサルティングに幅を広げて行く中で、FASの世界も多様性を求めて拡大しているのが現在です。
純粋なコンサルの入り口は難関ですが、USCPAとして会計枠に収まり、同様のコンサルに求められる能力も併せて身に付けていれば、会計の世界からM&Aに入る道筋は、つけやすいのではないでしょうか。
いずれにしても、本記事に書いたことは、FASへの合格を保証するものではなく、個人的な経験に基づく考察と意見ですので、あくまでご参考としてください。
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