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心の余裕~黄色は進めという社会~



最近人の心の余裕について考えることが多い。
というのも実は自分自身が最近「余裕がないことに気がついた」という経験をしたからである

そもそも「気付く」ということは非常に重要で、数ヶ月前の自分はしっかり自分をコントロールしながら余裕のある生活をしていると「思い込んでいた」

今になって初めて「あの時は余裕がなかったのだ」と気がついたのだがその時は「まだやれる」「自分は疲れていない」「今は休めない」などと強気なメンタルで立ち向かっていた(立ち向かっていると思っていた)

今少し本当の意味で余裕ができた時にふと数ヶ月前の自分を思い出してみると本当に余裕がなかったし、やるべきことができていなかったし「なぜあんなことをしたのだろうか」と冷静に考えればわかることをやってしまったりしていた。
あの時にもっと冷静に判断できていたら金額的には数百万円の利益を出していたかもしれないし、もっとメンバーは育っていたかもしれない。
そんな後悔は日々あるのだけれど

それからというもの自分の中に「心の黄色信号」を作るようにした。
こんな状態になったら黄色信号だよって
このまま行くと冷静な判断ができなるなるよって

例えば「ただ遊んでいる娘たちを見てイライラし出した」とか
趣味の料理の回数が減ったとか、雑草がやたらと伸び放題になっているとか
メダカの餌をやり忘れているとか

そんな当たり前の些細なことなんだけれどその状態になったら「黄色信号」だと自分で認識するようにした。

今は自分がプロとしてパフォーマンスを最大化させるためにも心には余裕が必要で、休むこともとても重要なのだと考えている。

そんな前提条件がある中で、
最近色んな人と出会って、色んな人の話を聞いていると問題の本質のほとんどが「心の余裕がないこと」が原因だったりすることに気づいてきた。


心の余裕の認識の差

心の余裕について考えてみたら、社会における「余裕」と実態の「余裕」に差異があるということに気がついた。

日本における心の余裕は「自殺しないギリギリ」みたいなところがあると思う。
これは日本人がストイックだと言われる強みでもあり、弱さでもあると思う。

うつ病ギリギリになるまで働いたり、仕事以外の時間を作れなかったり。

100%のキャパがあれば95%くらいまでは大丈夫だろう。

そんな風に考えられているような気がする。

だけど実際に「余裕がある状態」ってなんだろう。

何か些細なトラブルがあったとする、
例えばコンビニでカップ麺を買ってきて職場で食べようと思う。
お湯を入れて3分間待っている間にお箸が入っていないことに気がついたとする。

ちょっとイライラしたりする。

この小さな出来事だけで心の余裕は1%くらいは埋まってしまうんじゃないか?と思う。

95%まで埋まっているとしたら96%になってしまって残りは4%しかない。

人間は本能的に心のキャパが100%にならないようにどこかで発散しようとする、それが「イライラする」とか「何かに当たる」とか

この時点で体からはSOSが出ている状態だろう、だからすぐに対応しなければいけない。
95%だから5%余裕があるのではなく、残り5%しかない。
お箸を5回忘れられたらもうダメ。そのくらいの余裕だろう。

そして人生は面白いもんで、そんな時でもヘビーな判断を迫られることがよく起こるのだ。

これは別のnoteでも書いているが「決める」ということは1秒で終わるが、精神エネルギーをめちゃくちゃ消費する。
他者からの批判とか、将来に対する不安とか色んなものを含めて「決める」のだ。

晩御飯を決める、飲みの誘いに乗るかを決めるそれだけで5%のキャパはどんどん狭くなっていく。

そんな人に「そんな仕事を辞めてしまえ」とか言っても聞けるわけがない。
なぜかというと「仕事を辞める」と決めることは30%くらいの精神力を使ってしまうから。

かなり精神に余裕がある状態じゃないと「辞める」ということに向き合った瞬間にメンタルが崩壊してしまうのだ。

正論は余裕のある人にしか通じない

こんな精神的にギリギリな人に「正論」を言っても通じない。
というか「わかってるけど受け入れたらムリ」って状態になっている

実は僕はそんな人によく出会う、自分自身がNPOの支援をさせていただいたりすることもあったり毎週開催している「服作り相談会」での相談を受ける時、実は結構こういう方も多く「なんとかしたいけどどうしたらいいかわからない」という相談を受けるのだが話をしていると大体が問題の本質が「心の余裕」であることがほとんどなのだ。

こういう人と出会った時僕はまずお伝えするのは
「どうやったら心の余裕が持てるか」である
それは時に「お金の余裕」かもしれないし母子家庭で働いてらっしゃる方の場合
「少しで子供を預かってもらえる人の存在」であったりする。

とにかく本質的にその人の心のキャパシティを奪ってしまっているものを見つけ出して、キャパを空けていく。

そうしないと「正論」は入っていかない。

逆に正論なんか言わなくたってわかっているからいう必要もない。

人は余裕があれば、勝手にしっかりと正論を実行して人生を好転させていくのだ。


心の余裕を生み出すには

僕の直近の課題は「心の余裕を生み出す方法」を見つけることだ
お金を生み出す方法は一つのその方法になり得ると思う。
お金があれば時間を買うことができるからある程度色んなことに余裕を持つことができるだろう。

だから自分自身が相談を受けるときは(特にものづくりの人からの相談が多いから)モノづくりを通して毎月5万円とか10万円とか細かな収入でも安定的に入るようになる方法を考えてお伝えするようにしている。

毎月決まった5万円〜10万円が生み出す心の余裕はマジで大きい。
95%だったキャパを85%くらいまで空けられるくらいの効果があると思っている。
少しずつキャパが広がれば人は学び、成長し、自分で何かを決めることができるようになる。
自分で決めれば人生は好転していく。

お金が全てではないけれど、お金が余裕を生み出すのは間違いない。

他にもどうやって余裕を生み出すのか、例えば時間だろう。
僕が相談者の皆さんにお金を配ることは残念ながらできない。
でも一緒に早起きはできるかもしれない。

一緒に5時に起きて、一緒に30分のランニングをして、30分お茶を飲む時間は共有できるかもしれない。
時間に余裕ができれば考えることができるし、考えることができれば選択肢も増えるだろう。

黄色は進めという社会に生きる僕たち

冒頭にも書いたが、
自分は自分自身がメンタルギリギリになって爆発しかけた経験から、
色んな人たちの心の余裕を生み出したいなぁと考えている。

それはいい社会を作り出すことになるだろう。
僕たちがやっている「MY HOME ATELIER」という仕事はまさにそれを体現することだ。
日々混沌とした「黄色は進め」という社会の中で、職人さんたちが自宅で自分たちがコントロールできる形で仕事を生み出し実行していく。
毎月数万円から数十万円の収入を得ることで自分自身で何かを買ったり、時間を作って出かけたりすることができるようにと願っている。

誰しも心の余裕があれば、人生は好転するだろう。

黄色は進んじゃダメ、しっかりと止まらなきゃね。

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