231022 大西宇宙バリトン・リサイタル@滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
お友達に誘われて、実にコロナ禍以降、約4年ぶりにコンサートホールへ足を運びました。
行ってよかった、人の声ってやっぱりいいなあ・・・としみじみ感じた次第です。
大西さんは言わずもがな、私にとっては2019年(コロナ禍前の直前の年)8月、松本の「エフゲニー・オネーギン」でのタイトルロールの印象が強烈に残っています。
日本人離れした声の厚みと容姿、体格。日本人でもこれだけの逸材がいるもんだ、いずれ海外の主要都市のオペラハウスで活躍できるだろうな…と思っていました。
その後のコロナ禍で、活動の軸を日本国内に移したようで。
国内では今年の7月にドン・ジョヴァンニのタイトルロールを務めたりとか、色々活動なさっていますが、きっかけが掴めず、オネーギン以来の実演鑑賞と相成りました。
<プログラム>
・イベール:ドン・キショットの4つの歌
・マスネ:歌劇《ドン・キショット》より「笑え、哀れな理想家を」
コルンゴルト:歌劇《死の都》より「ピエロの歌」
ヴォーン・ウィリアムズ:旅の歌 (全9曲)
〜Intermission〜
マーラー:リュッケルトの詩による5つの歌
プロコフィエフ:歌劇《戦争と平和》より「輝くばかりの春の夜空だ」
ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロス》より 「私の最後の日」
久しぶりの実演だし、プログラム難しそうだし、ちゃんと予習しなきゃな〜〜と思っていたんですが、結局バタバタしていて何もできず。
まともに知ってる曲といえば、ラストの「ドン・カルロス」のアリアくらいだよな〜〜しかもこれも、馴染み深いのはイタリア語版だし(今回歌われたのはフランス語版)
。。。ってな感じで、4年ぶりの実演はほぼぶっつけ本番のような形での参戦となりました。
印象に残ったのはやはりオペラのアリア。座席数320余りと小さなホールで、声量がビンビン響いて「やっぱりオペラ歌手だよねえ。。。」と、つくづく。
以前東京のトッパンホールで聴いた、ルネ・パーぺやフェルッチョ・フルラネットのリサイタルで
「一流のオペラ歌手だと、このホールには声のサイズが合わないよなあ。。。」
と感じたことと、同じことが頭をよぎりました。
声量マシマシ❤️オペラアリアを聴きつつ、ふっ、と脳裏をよぎったのは
・ドイツ語との親和性が結構高いと感じたことを受けて、
R.シュトラウスの「アラベラ」のマンドリーカは、もしかしたらすごく合っているかもしれない。
直感で。なんですけど。
・歌曲だったらもちろん定番の「冬の旅」も聴いてみたいけど、
もう少し時代が進んだヴォルフの「メーリケ歌曲集」を聴いてみたい。。。
(バリトンの為のドイツ語歌曲集ですが「別れ」という曲は、そのタイトルから察するに、殷々滅々な曲調かと思いきや、やたら楽しそうなのでなんでえ?!と思っていたら
「嫌な奴を階段から突き落とした」という。。。
いやはや。こういう愉快とシニカルさと併せ持った曲にもチャレンジして頂きたいなあ。。。と思った次第です)
・・・というようなことを感じつつ、一番引き込まれたのはやはりラストの「ドン・カルロス」のロドリーグのアリア、でしたわ。
オペラのアリアになると、顔つきもグッと変わるんですよねえ。
聴きなれているイタリア語版とは違う、フランス語版の優美な雰囲気も堪能しました。
「オネーギン@松本」の頃から何度も申し上げてますが、ロドリーゴ(ロドリーグ)はぜひオペラ全曲でやって頂きたいです。
・・・ええ。
もちろん、フィリッポ(フェリーぺ)王に跪いて頂きたい、からですよ!!!(なんちゃって)
2023.10.24追記
びわ湖ホールでアンコール「ラ・マンチャの男」と、「ウェスト・サイド・ストーリー」からの2曲は、東京でも披露するのでナイショ!とご本人からの箝口令が出てましたのでダンマリしてましたが、この2曲!!!
オペラ歌手が、本気でこーいう曲を歌った時の本格的な感じ、すっごく好きなのでテンション上がりました。
そしてウィリアムズの「旅の歌」を聴いた時に(ご本人の力量云々ではなく)
やっぱり英語って、こういう、クラシックの音形にはそぐわない言語だなあ。。。と、なんとなく、もやる気持ちがあったんですが、
んーーーーーーーっ、ミュージカルだと「グッ👍👍👍👍👍」でした!
”Maria ,Maria ,Mariiiiiiiiiiii~~~~~~~a!" ね!
でもクラシック作品の英語を美しく歌える、という点は、とてもアドバンテージが高いと思うので、英語といえばブリテン!のオペラはぜひ歌って頂きたいです。
バリトンが主役の「ビリー・バッド」は国内でぜひ企画して歌って欲しいですね!と、旧ツイッター(X)でフォロワーさんと話していました。
しかし、ほんと日本国内だけの活動に終始していては、勿体無い逸材だとつくづく感じました。
とはいえ、日本国内でこれだけのレベルの歌手を、いながらにして聴くことができる幸せ・・・というジレンマもあり。
また国内(関西)で聴くチャンスがあれば、今後も積極的に聴いていきたい。。。と思いました。