アトラシアン(TEAM)ってどんな会社?
この記事では読者が、「アトラシアンって会社知ってる?」と、会社の同僚や大学の友人などに聞かれたときに「あぁ知ってるよ、こんな会社だよね〜」とドヤ顔で答えることが出来るようになることを目指しています。
企業の事業内容や業績を掴みやすいよう努めています。WikipediaやHP、IR情報などを簡単にまとめたくらいのものですので、ササッと目を通して貰えたら幸いです。良かったらスキ、フォローもお願いします(甘┳┓モー)
アトラシアン($TEAM)とは
オーストラリアのシドニーに本社を置くSaas企業です。主にソフトウェア開発者向けのソフトウェアの開発をしています。ティッカーシンボル"TEAM"が象徴するように同社の理念として「チーム」で働くことをサポートする、「チーム」の最適化を促すソフトウェアを開発しています。
主にソフト開発者向けのため馴染みのない方も多いかもしれませんが、代表的な製品・サービスは、Jira Software(課題管理)、Confluence(*ナレッジ管理)でしょうか。Hipchat(チャットツール)やTrello(タスク管理)などはソフトウェア開発企業でなくとも会社によっては利用されているかもしれません。
*ナレッジ管理とは・・・社内Wikiと呼ぶ場合もあります。例えば、マニュアル・組織図・会議の議事録・様々なガイドラインなど、組織で管理が必要な情報は多岐にわたります。このような多種多様な組織情報を管理していくことがナレッジ管理ツールの主な役割です。
製品・サービスがイメージしやすいようにJira Software(課題管理)の紹介動画(1分)とConfluence(ナレッジ管理)のメイン画面を貼っておきます。
Jira Software紹介動画
Confluence操作画面(utilly.jp様より引用)
Jira softwareは122カ国25,000以上の顧客を抱えているそうです。課題解決やバグトラッキングのソフトウェアのため一度導入した企業はJiraから離脱し難い印象です。安定したb2bビジネスモデルになっているといえるかもしれません。
アトラシアンの2020年の売上高は16億ドル。売上はJira softwareとConfluenceで全体の60%を占めていますので、売上の約10億ドルはこの2つのサービスから生み出されています。
ちなみに、地域別の売上構成はアメリカ大陸で49%、ヨーロッパ中東アフリカ31%、アジアパシフィック10%です。オーストラリアの企業ですが、アメリカベースでのビジネス展開となっていることが分かります。
アトラシアンの特徴
アトラシアンは他のSaas企業に比べ営業販管費(S&M)をかなり抑えていることが経営上の特徴となっています。売上高に対してS&M(セールス&マーケティング)費用が15%しかないのはかなり特異であるといえます。
Saas企業の売上高に対する営業販管費の比較
一方で、研究開発費用(R&D)は売上高に対して35%を占めており、Saas企業の中でもかなり高い割合となっています。この潤沢なR&D費用を活かしJira softwareやConfluenceに次ぐ新たな売上の柱が生まれることを期待したいところです。
アトラシアンの業績
20年6月期(通期)の売上高は16.1億ドル、営業利益は0.14億ドル、純利益は▲3.5億ドルです。
売上高前年比133%成長、営業利益はプラス転換、純利益は前年比圧縮されてはいますが赤字となっています。 売上高16億ドルで前年比133%成長で綺麗な右肩上がりのグラフです。営業キャッシュ・フローも同じく綺麗な右肩上がりとなっています。
では、次は売上が同規模のSaas企業ドキュサイン(電子署名)14.5億ドル、トゥイリオ(クラウドAPI)17.6億ドル、ゼンデスク(カスタマーサービスコンタクトセンター)10.3億ドルの3社と比べてみます。売上高成長率ではトゥイリオ、ドキュサインの方が良いですが、営業利益は4社中唯一プラスになっています。そしてアトラシアンの最大の特徴といっても過言ではないと思いますが、この中で営業キャッシュ・フローがダントツで良いことです。
営業販管費(S&M)を抑えながら年率133%の売上高成長率を誇り、R&Dには潤沢に資金を投入し未来への種播きもしっかり行っています。それでいて営業キャッシュ・フローがかなり良いというのもポイント高いです。
コロナ禍を機に、Google Workspaceなど大衆向けのワークスペースは、マイクロソフトのTeamsを含めかなり普及してきた印象です。個人的には、アトラシアンはソフトウェア開発者向けのワークスペースなど尖ったもの、玄人向けで特徴のあるもので更にビジネスが拡大していくことを期待しています。
アトラシアンのまとめ
✔シドニーに本社を置くSaas企業
✔ソフトウェア開発者向けのソフトウェアの開発を行う企業
✔代表的な製品・サービスは、Jira Software(課題管理)、Confluence(ナレッジ管理)、Hipchat(チャットツール)やTrello(タスク管理)など
✔売上高は約16億ドル(2020年度)
✔Jira softwareとConfluenceが全体売上の60%を占める
✔売上高に対する営業販管費(セールス&マーケティング費用)が15%と、Saas企業の中でも特に低い
✔逆に研究開発費は35%と、Saas企業の中でも高い
✔Saas企業の中でも営業キャッシュ・フローがダントツで良い
3か年の売上高、営業キャッシュ・フロー、営業利益、純利益
売上が同規模のSaas企業との営業キャッシュ・フロー、営業利益、純利益比較
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