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インド旅 ① 〜出発前〜
2019年3月6日 遂にこの日が来た。
ようやく僕は長年の夢であったインドへと旅立つ。
今日この日に至るまでの気持ちの浮き沈みは今までの海外出発前には経験したことのないものだった。
まず、この旅は自分の中で特別な意義があった。27年生きてきた中の1つの集大成であり、そして、これからの人生の新たなるスタート地点になると考えるからだ。
これまでの経験がつながり、ようやくインド旅までこぎつけたという感慨深さがあったし、培った経験値を存分に発揮できる楽しみやチャレンジしたいことがある。
英語力も上がったから以前の僕ではできなかったことが出来そうな気がする。
しかし、その一方で、僕の前に立ちはだかる巨大な壁があった。どう攻略しようか、立ち向かおうかとずっと頭をもたげていた。
僕には、インドへの思いを確固たるものにしてくれた人がいた。その人は僕のカレーの師匠であり、良き人生の先輩でもあり、尊敬する人であった。
しかし、師匠は1年前の2月、インドで心不全で若くして亡くなってしまった。
「ゆうきちゃんもインド一回来たら面白いよ」、「とりあえず一回行ってみるといいよ!」と連絡を取った2日後に師匠は亡くなった。
もう会えないことやカレーを食べてもらえないことへの悲しさや悔しさが込み上げてくると同時に、インドに対して強烈に「死」を意識した。
この「死」というイメージこそがずっと僕の前に立ちはだかる巨大な壁だった。そして、出発が近づくにつれ、僕の不安に拍車をかけるかのように流れてくるインドでの死傷者を伝える痛ましいニュース。
最早、頭の中は死が身近にあるとかそういうレベルじゃなく、「インド=死」みたいな感覚にまで陥っていた。
周りの友達の「気をつけてね!」や「ちゃんと帰ってきてね!」などのエールにすら不安を掻き立てられるくらいおかしくなっていた。
この旅でやりたいことや何をしようかワクワクしていた僕はいつしかどこかへと消え去り、恐怖心に煽られまくってビビっている自分しかいなかった。
何もかもが「最期の」という枕言葉をもって眼前に現れる。
どうしたらこの壁を乗り越えられるのか悩んだ結果、尊敬するじいちゃんに「死とは何か」ということを聞くことで目の前の壁を越えようと決心した。
じいちゃんは今、ガンで治療中である。余命も長くないかもしれない。そんなじいちゃんに思い切って質問した。
「じいちゃんにとって"死"って何?怖いこと?」
孫ですらこんな質問していいものかと思ったが、ぶつけた。孫だからこそできる気もしたから。
じ「今さら怖くはない、けど、残していくお前たちが元気かどうかが心配。特にお前」
僕「心配せんで大丈夫。死ぬことに対して未練や後悔はない?」
じ「後悔なんてしてもどうにもならん。言い出したらキリがないし。やってきた今あることを認めるしかない。」
「お前はこれまでに海外行ったり、これからインドに行ったりと自分で色んなことを経験してきたから、それを次の世代の子たちに伝えて、後悔することがないようにしてやらんといけんぞ、自分も含めてな」
「だけん、元気に帰って来いよ、ワシも頑張るから」
僕「ありがとう、じいちゃんに会えんくなる気がしてたけど、安心した。心置きなく行ってくるわ」
じ「たかだか20日間くらいでは死なんわや(笑)気をつけてな」
だいたい話した内容はこんな感じ。
僕は涙が止まらんくてぐしゃぐしゃだったけど、じいちゃんに話したおかげで、恐怖心を吹っ切れた。
それからはすごく気持ちが楽になって、最初のワクワクやチャレンジ精神が少しずつ息を吹き返し始めた。
だからこそ、こうやって1つのチャレンジであるブログを始めることもできたと思う。
ありがとう、じいちゃん。家族。
ありがとう、エールくれたり、心配してくれるみんな。
ほんと今までのつながりに、支えてくれる皆さんに感謝です。
色々吸収して帰って来ます!
行ってきます!!!!!
また旅行記は更新しますので、生存報告がてら見てやってください。
ゆうき
今回持って行く荷物達